ジョイス・マイヤーの本
思考という名の戦場より
《ジョンのストーリー》続き
夫として、ジョンにはすべきことがたくさんあります。しかし、彼もメアリーと同じように、ある「固定観念」にとらわれていました。そのため、悪魔に対してドアを開き、自らを悪魔の虜にしてしまったのです。ジョンの頭の中でも、激しい戦いが繰り広げられていました。メアリーと同じように、彼も幼い頃、親から言葉による虐待を受けていました。彼の母親は、支配的な女性でした。話す言葉も、とてもきつかったようです。たとえば、「ジョン。お前はなんてだめな子なの。将来ろくな人間にならないわ。」なんてことを平気で言って、幼い彼の心を平気で傷つけていました。
ジョンは、なんとかして母親に認めてもらいたくて、母親の機嫌をとろうと一生懸命でした。子どもなら、きっと誰でもそうしますよね。でも、一生懸命やればやるほど、なぜか失敗するのです。彼には不器用なところがあり、母親はいつも「なんてまぬけな子」と彼に暴言を浴びせかけました。母親を喜ばせようと一生懸命になるあまり、かえって神経質になり、物を落としてしまうのです。そのため、せっかく母親を喜ばせたいと思った気持ちも果たせぬままでした。
続く