てっぺーの国語のワークの中の1ページで
わからん・・・
と頭を抱えていた問題。
この詩を読む。
読み解く!
わたしが一番きれいだったとき 茨木のり子
(1926~大阪生まれ)
わたしが一番きれいだったとき
街々はがらがらと崩れていって
とんでもないところから
青空なんかが見えたりした
わたしが一番きれいだったとき
まわりの人達が沢山死んだ
工場で 海で 名もない島で
わたしはおしゃれのきっかけを落としてしまった
わたしが一番きれいだったとき
だれもやさしい贈物を捧げてはくれなかった
男たちは挙手の礼しか知らなくて
きれいな眼差だけを残して皆去っていった
わたしが一番きれいだったとき
わたしの頭はからっぽで
わたしの心はかたくなで
手足ばかりが栗色に光った
わたしが一番きれいだったとき
わたしの国は戦争で負けた
そんな馬鹿なことってあるものか
ブラウスの腕をまくり卑屈な町をのし歩いた
わたしが一番きれいだったとき
ラジオからはジャズが溢れた
禁煙を破ったときのようにくらくらしながら
わたしは異国の甘い音楽をむさぼった
わたしが一番きれいだったとき
わたしはとてもふしあわせ
わたしはとてもとんちんかん
わたしはめっぽうさびしかった
だから決めた できれば長生きすることに
年とってから凄く美しい絵を描いた
フランスのルオー爺さんのように
ね
中3の時、私はどんな事を勉強していたかなんて
全く記憶がないけど
まず、詩を読んで自分の感受性のなさを痛感・・・。
戦時中を知っているからこそ紡げることばたち。
時はいつのまにか過ぎ去り
肉体は老いていくけれど、
何かを見つめる力、
何かを感じる力だけは持ち続けていたいとしみじみ感じた瞬間になりました。