きのう8月9日に放映されたNHKのテレビ番組「歴史探偵 消えた原爆ニュース」。この番組の概要は、次のように記されている。
「広島と長崎に投下された原子爆弾。戦後、被害の実態を報じる事が禁止された時代があった。真相はなぜ隠され、どのように明かされたのか。原爆報道を巡る知られざる物語。」
この番組の録画を、けさになって見た。私の知的好奇心を充たしてくれるなかなかの力作だった。
残念ながら、きょうはこれからデイサへ通所する日で、あまりブログ書きに費やす時間がとれない。とりあえず、忘れないうちにそのあらましだけでも書いておきたい。
★昭和20年、広島と長崎に投下され、約21万人の人命を奪った原子爆弾。その原子爆弾が投下されたときの詳しい状況は、終戦から6年間は伝えられなかった。その空白の期間はなぜ生じたのか?
★報じられなかったのは、(1)被爆の残虐さを写した生々しい写真や、(2)放射線の影響(白血病やガンの発症)を伝える情報である。
★原爆による被害の実情が報じられなくなったきっかけがある。それは同年の9月15日、朝日新聞が鳩山一郎の発言を掲載したことである。
(当時、日本自由党の総裁だった)鳩山は、原子爆弾の使用は国際法違反であり、戦争犯罪であると厳しく糾弾していた。
★これに対して、GHQは即座に反応し、その4日後、朝日新聞の責任者を呼び出して、2日間の発行停止を命じた。さらにあらゆるメディアに対し、プレス・コードをはじめとする報道の規則を通達した。
それは、「連合国についての虚偽、または破壊的批評を掲載してはならない」というものだった。
★それによって行われたのが徹底した事前検閲であり、それとともに自由な報道は禁じられた。こうして、原爆被害の実態は報じられなくなった。
★では、アメリカはなぜこうした措置をとったのか。
それは、原爆使用に対する国際的な非難を抑えるためであり、また、原爆の開発に反対する国内世論を抑えるためだった。
★ところがGHQは、強硬にはじめた事前検閲をわずか3年で終了した。
それには理由がある。それは、GHQが当時、日本に作らせた憲法の中で、「報道の自由」を謳っていたからである。
「報道の自由」の理念と、事前検閲は明らかに矛盾する。
このことに気づいたGHQのマッカーサー最高司令官は、アメリカ本国での自分の評判に傷がつくことを恐れ、占領国日本での事前検閲を取りやめたのである。
★しかし、GHQによる事前検閲がなくなったにも関わらず、原爆に関する日本のメディアの報道姿勢は変わらなかった。それはなぜか。
それは、「アメリカを怒らせるのではないか?」という恐れや、「発行停止処分を受けるのではないか?」という恐怖から、日本のメディア側が自主規制を行ったためである。
以上がこの番組のあらましである。この番組を見て、私の中にアメリカに対する別の意味での怒りが湧いてきた。〈自由〉の理念を振りかざし、中国の情報統制を非難するアメリカが、同様の情報統制を行って「不都合な真実」を隠そうとしていたとは!
もう一つ、私が懐いたのは、放射線の影響(白血病やガンの発症)を隠そうとする当時のアメリカ政府の姿勢は、今の日本政府にも受け継がれているのではないか、という疑念である。
忘れもしない2011年のフクシマ原発事故。この事故によって、甲状腺がんが子どもたちの間に多発しているというニュースは聞いた気がするが、具体的に何人の子どもが甲状腺がんに罹ったのか、はっきりした医学的データを目にした記憶がない。ひょっとしたらここにも(原発政策を推進する)日本政府の「不都合な真実」を隠そうとする姿勢が働いているのではないか。そう思ったのである。
「広島と長崎に投下された原子爆弾。戦後、被害の実態を報じる事が禁止された時代があった。真相はなぜ隠され、どのように明かされたのか。原爆報道を巡る知られざる物語。」
この番組の録画を、けさになって見た。私の知的好奇心を充たしてくれるなかなかの力作だった。
残念ながら、きょうはこれからデイサへ通所する日で、あまりブログ書きに費やす時間がとれない。とりあえず、忘れないうちにそのあらましだけでも書いておきたい。
★昭和20年、広島と長崎に投下され、約21万人の人命を奪った原子爆弾。その原子爆弾が投下されたときの詳しい状況は、終戦から6年間は伝えられなかった。その空白の期間はなぜ生じたのか?
★報じられなかったのは、(1)被爆の残虐さを写した生々しい写真や、(2)放射線の影響(白血病やガンの発症)を伝える情報である。
★原爆による被害の実情が報じられなくなったきっかけがある。それは同年の9月15日、朝日新聞が鳩山一郎の発言を掲載したことである。
(当時、日本自由党の総裁だった)鳩山は、原子爆弾の使用は国際法違反であり、戦争犯罪であると厳しく糾弾していた。
★これに対して、GHQは即座に反応し、その4日後、朝日新聞の責任者を呼び出して、2日間の発行停止を命じた。さらにあらゆるメディアに対し、プレス・コードをはじめとする報道の規則を通達した。
それは、「連合国についての虚偽、または破壊的批評を掲載してはならない」というものだった。
★それによって行われたのが徹底した事前検閲であり、それとともに自由な報道は禁じられた。こうして、原爆被害の実態は報じられなくなった。
★では、アメリカはなぜこうした措置をとったのか。
それは、原爆使用に対する国際的な非難を抑えるためであり、また、原爆の開発に反対する国内世論を抑えるためだった。
★ところがGHQは、強硬にはじめた事前検閲をわずか3年で終了した。
それには理由がある。それは、GHQが当時、日本に作らせた憲法の中で、「報道の自由」を謳っていたからである。
「報道の自由」の理念と、事前検閲は明らかに矛盾する。
このことに気づいたGHQのマッカーサー最高司令官は、アメリカ本国での自分の評判に傷がつくことを恐れ、占領国日本での事前検閲を取りやめたのである。
★しかし、GHQによる事前検閲がなくなったにも関わらず、原爆に関する日本のメディアの報道姿勢は変わらなかった。それはなぜか。
それは、「アメリカを怒らせるのではないか?」という恐れや、「発行停止処分を受けるのではないか?」という恐怖から、日本のメディア側が自主規制を行ったためである。
以上がこの番組のあらましである。この番組を見て、私の中にアメリカに対する別の意味での怒りが湧いてきた。〈自由〉の理念を振りかざし、中国の情報統制を非難するアメリカが、同様の情報統制を行って「不都合な真実」を隠そうとしていたとは!
もう一つ、私が懐いたのは、放射線の影響(白血病やガンの発症)を隠そうとする当時のアメリカ政府の姿勢は、今の日本政府にも受け継がれているのではないか、という疑念である。
忘れもしない2011年のフクシマ原発事故。この事故によって、甲状腺がんが子どもたちの間に多発しているというニュースは聞いた気がするが、具体的に何人の子どもが甲状腺がんに罹ったのか、はっきりした医学的データを目にした記憶がない。ひょっとしたらここにも(原発政策を推進する)日本政府の「不都合な真実」を隠そうとする姿勢が働いているのではないか。そう思ったのである。
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