ささやんの天邪鬼 ほぼ隔日刊

世にはばかる名言をまな板にのせて、迷言を吐くエッセイ風のブログです。

難民に向き合う

2016-04-05 20:36:48 | 日記
テレビでNHKのニュース番組を見ていたら、

難民問題を取り上げていた。

欧州連合(EU)とトルコ政府が、

シリアからギリシャに密入国した「違法な移民」に対して、

フェリーでトルコへ強制送還を始めたという。

欧州に押しよせる難民の流入に歯止めをかける狙いから

取られた措置だということだった。

欧州各国の困惑が透けて見える、うすら寒い映像を眺めながら、

私は、こういう難民に対して、では我々は――日本は、

どういう態度を取ったらいいのだろうなあ、と考えた。

難民問題は、日本にとって決して遠い国の話ではない。

たとえば北朝鮮の国家が崩壊したとき、

多数の難民が発生して、中国や我が国に押し寄せる

可能性も取り沙汰されている。

朝鮮半島から大勢の困窮した人々が押し寄せたら、

我々はどういう態度を取るべきなのか。

ボケたせいか、私の頭では答えのとば口すら見つかりそうにないので、

難民問題、とりわけシリア難民の問題に対して、

新聞各紙が社説でどう論じているのか、

それが知りたくなった。

これまでは社説が投げるボールを、私が打ち返す立場だったが、

今回は、私のほうがボールを投げる番である。さあ、行くぞ!

しかし、アンドロイドの社説アプリでは、

難民問題に関連がありそうな見出しが見つからない。

新聞がこの問題を社説で取り上げないはずはないのだが・・・。

そう思ってgoogleに「難民問題 社説」と

打ち込んで検索をかけると、

案の定、いくつかの記事が見つかった。

まず目についたのは、

「欧州の難民問題に日本はどう向き合うか」と題した

日経の社説(2015年10月19日付)である。

この社説は、日本が難民問題に向き合わなければならない

背景について、こう述べている。

「今のところ、シリア難民をめぐって露骨な日本批判が高まっているわけではない。

とはいえ、このほど国連安全保障理事会の非常任理事国に選ばれ、

来年には伊勢志摩サミットが予定されている。

改めて日本の姿勢が問われる局面と言わざるを得ない。」

この文章には、「今のところ、日本はそれほど深刻になる必要はないのだが」

といった真意が覗いている。

こうした真意が働くせいか、日経は、日本が難民を受け入れた場合の、

その問題点にふれ、「難民の受け入れが社会に緊張をもたらす可能性」

を指摘して、「十分な備えがなければ、

かえって排外主義的な声を高めかねない」と論じている。

「日本語教育や職業訓練、日本の習慣になじんでもらうための仕組み

など、緊張を和らげる態勢」の整備が、まずもって必要である、というわけである。

シリアからの数百万人の難民をかかえ、

四苦八苦している欧州各国の現状を踏まえて、

日経は、難民の受け入れに消極的な日本政府の姿勢を

やむなしと擁護しているように見える。

       (つづく)
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