政治ジャーナリストである田原総一朗氏の発言が話題を呼んでいる。安倍
首相に招かれて会談したその席で、氏は首相に「政治生命を賭けた冒険を
しないか」と提案したという。「ほほう、政治生命を賭けた冒険って、ど
ういうことなのかな?」と、ヒマ人の興味をそそる話だが、「内容は今は
明かせません。秘密です」と本人が言うので、憶測が憶測を呼び、波紋は
広がる一方である。実際、「田原総一朗」を検索ワードにしてググってみ
ると、出るわ、出るわ。しかし、そのいずれもが、あーだ、こーだと論議
を重ねるばかりで、これといった結論を示さない。欲求不満をまき散らす
ものばかりだ。
そんな中で、結論をはっきり示しているのは、私の知る限り、サイト「リ
テラ」の記事だけである。この記事のタイトルは、《田原総一朗が安倍首
相に提案した「政治生命を賭けた冒険」は北朝鮮訪問、金正恩との首脳会
談か?》。「リテラ」はこのタイトルの通り、北朝鮮訪問、金正恩との首
脳会談がズバリ「冒険」の中身だとしている。その推理の論拠は、田原氏
が「北朝鮮にルートを持っていること」だという。
だが、「リテラ」のこの推理には、一つ決定的な問題がある。それは、田
原氏自身が「自分は北朝鮮にルートを持っていない」と言い、「冒険の中
身は外交には関係がない」とも言っていることである。「そんなことは僕
が言わなくても、言う人は安倍さんの周りにたくさんいますよ」とも。田
原氏は(たぬきジジイのはぐらかしは得意でも)嘘をつくような人ではな
いから、「リテラ」の推理は、田原氏その人によって否定された恰好にな
る。
反政府系サイトの「リテラ」は、決してガセを振りまくサイトではない
が、この記事ばかりは勇み足に終わったようだ。
では、「冒険」の中身は結局のところ何なのか。もやもやの不快感が募る
中、私が思わず「うん、これかもな!」と膝を打ったのは、あるブログの
記事を読んだときである。このブログは「元気いっぱいの新老人の ツッ
パリ発言」といい、参考になる記事が多いので、私はこれをしばしば閲覧
させてもらっているのだが、《田原総一朗氏が安倍首相に提言した中身と
は、挙国一致内閣の設立では?》というタイトルの記事で、筆者はこのタ
イトルが言うとおり、田原氏が言う「冒険」の中身は挙国一致内閣の設立
ではないか、という。挙国一致内閣とは、「大規模な戦争や経済恐慌と
いった国家の危機や政党内閣の危機に際して、対立する政党をも包含して
作られた内閣」のことである。
たしかに、近々行われる内閣改造で、野党を取り込もうとすることは、か
なりの「冒険」には違いない。もしこれに成功すれば、このところ下降の
著しい内閣支持率も、一挙にV字回復するかも知れない。
しかし野党は、この挙国一致内閣の構想に乗ってくるだろうか、という疑
問は拭えない。これまで安倍内閣をこっぴどく批判してきた野党である。
とりわけ共産党や民進党の一部には、安倍首相の憲法改正プランへの拒絶
反応が強い。
そういう野党を閣内に取り込むには、安倍首相は憲法改正プランを撤回す
る必要があるが、安倍首相にそんなことができるだろうか。憲法改正に
は、かなりのこだわりを持っている安倍首相である。安倍首相が内閣の延
命に執着するのも、憲法改正を自らの手で成し遂げるためだと思われる。
安倍首相がしばしば言及するように、憲法改正は自民党の党是でもある。
その憲法改正プランを、はたして安倍首相は断念することができるだろう
か。
田原氏の提案は結局、何のことはない、憲法改正計画を撤回することであ
る。そこまでして、支持率を上げるため、挙国一致内閣を作ることは、安
倍首相には、本末転倒に映るに違いない。
内閣改造を2、3日後に控えたきょう現在、挙国一致内閣の話はまったく
と言っていいほど聞こえてこない。嵐の前の静けさだろうか。
首相に招かれて会談したその席で、氏は首相に「政治生命を賭けた冒険を
しないか」と提案したという。「ほほう、政治生命を賭けた冒険って、ど
ういうことなのかな?」と、ヒマ人の興味をそそる話だが、「内容は今は
明かせません。秘密です」と本人が言うので、憶測が憶測を呼び、波紋は
広がる一方である。実際、「田原総一朗」を検索ワードにしてググってみ
ると、出るわ、出るわ。しかし、そのいずれもが、あーだ、こーだと論議
を重ねるばかりで、これといった結論を示さない。欲求不満をまき散らす
ものばかりだ。
そんな中で、結論をはっきり示しているのは、私の知る限り、サイト「リ
テラ」の記事だけである。この記事のタイトルは、《田原総一朗が安倍首
相に提案した「政治生命を賭けた冒険」は北朝鮮訪問、金正恩との首脳会
談か?》。「リテラ」はこのタイトルの通り、北朝鮮訪問、金正恩との首
脳会談がズバリ「冒険」の中身だとしている。その推理の論拠は、田原氏
が「北朝鮮にルートを持っていること」だという。
だが、「リテラ」のこの推理には、一つ決定的な問題がある。それは、田
原氏自身が「自分は北朝鮮にルートを持っていない」と言い、「冒険の中
身は外交には関係がない」とも言っていることである。「そんなことは僕
が言わなくても、言う人は安倍さんの周りにたくさんいますよ」とも。田
原氏は(たぬきジジイのはぐらかしは得意でも)嘘をつくような人ではな
いから、「リテラ」の推理は、田原氏その人によって否定された恰好にな
る。
反政府系サイトの「リテラ」は、決してガセを振りまくサイトではない
が、この記事ばかりは勇み足に終わったようだ。
では、「冒険」の中身は結局のところ何なのか。もやもやの不快感が募る
中、私が思わず「うん、これかもな!」と膝を打ったのは、あるブログの
記事を読んだときである。このブログは「元気いっぱいの新老人の ツッ
パリ発言」といい、参考になる記事が多いので、私はこれをしばしば閲覧
させてもらっているのだが、《田原総一朗氏が安倍首相に提言した中身と
は、挙国一致内閣の設立では?》というタイトルの記事で、筆者はこのタ
イトルが言うとおり、田原氏が言う「冒険」の中身は挙国一致内閣の設立
ではないか、という。挙国一致内閣とは、「大規模な戦争や経済恐慌と
いった国家の危機や政党内閣の危機に際して、対立する政党をも包含して
作られた内閣」のことである。
たしかに、近々行われる内閣改造で、野党を取り込もうとすることは、か
なりの「冒険」には違いない。もしこれに成功すれば、このところ下降の
著しい内閣支持率も、一挙にV字回復するかも知れない。
しかし野党は、この挙国一致内閣の構想に乗ってくるだろうか、という疑
問は拭えない。これまで安倍内閣をこっぴどく批判してきた野党である。
とりわけ共産党や民進党の一部には、安倍首相の憲法改正プランへの拒絶
反応が強い。
そういう野党を閣内に取り込むには、安倍首相は憲法改正プランを撤回す
る必要があるが、安倍首相にそんなことができるだろうか。憲法改正に
は、かなりのこだわりを持っている安倍首相である。安倍首相が内閣の延
命に執着するのも、憲法改正を自らの手で成し遂げるためだと思われる。
安倍首相がしばしば言及するように、憲法改正は自民党の党是でもある。
その憲法改正プランを、はたして安倍首相は断念することができるだろう
か。
田原氏の提案は結局、何のことはない、憲法改正計画を撤回することであ
る。そこまでして、支持率を上げるため、挙国一致内閣を作ることは、安
倍首相には、本末転倒に映るに違いない。
内閣改造を2、3日後に控えたきょう現在、挙国一致内閣の話はまったく
と言っていいほど聞こえてこない。嵐の前の静けさだろうか。
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