聖徳太子の十七条憲法
第八条 早朝晏退。
《原文》
八曰、群卿百寮、早朝晏退。公事靡、終日難盡。是以遅朝、不逮于急、早退必事不盡。
《翻訳》
八に曰わく、群卿百寮〔ぐんけいひゃくりょう〕、早くまいりておそくまかでよ。公事もろきことなし、終日にも尽くしがたし。ここを以て、遅く朝(まい)れば急なることに逮(およ)ばず、早く退るときは必ず事尽さず。
《現代語訳》
八つ目の申し渡しは、政〔まつりごと〕を司る人全ては、朝早く出仕して遅く退出すること。公務の遂行は容易ではなく、陽が沈んでも及ばぬほどです。
よって、遅く出仕すれば焦りが生じてしまい公務に害が及んでしまう。早く退出してしまえば公務はいつまでたっても果たせません。
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戯言コーナー:いつもご覧いただき有難う御座います。(^^♪
本日は戦後の占領憲法が施行された日ですな。
さて、今回語訳させていただいた条文は、聖徳太子の公職者に対する慈しみの念が込められているようにも思えるのです。
「とにかく諸君らは、真面目に任務の遂行に励みなさい。そうすれば如何に公職者といえどもひとりの人間であるからして、少々の過ちを犯すこともあるだろう。しかし、日ごろから真面目にさえしていれば、情状酌量の余地もあるんだよ」と、こんなふうにです。
この後もこうした条文が続いていきますが、これまでの1~7条までは公職者としての『心構え』だったものが、今度は『気構え』へと移行していくんですよね。
※ 翻訳出典:四天王寺編「聖徳太子と四天王寺」の訳文より
※ かわいいフリー画像「いらすとや」さんより