論語を現代語訳してみました。
述而 第七
《原文》
子曰、飯疏食、飮水、曲肱而枕之。樂亦在其中矣。不義而富且貴、於我如浮雲。
《翻訳》
子 曰〔のたま〕わく、疏食〔そし〕を飯〔く〕らい、水〔みず〕を飲〔の〕み、肱〔ひじ〕を曲〔ま〕げて之〔これ〕を枕〔まくら〕とす。楽〔たの〕しみ亦〔また〕 其〔そ〕の中〔なか〕に在〔あ〕り。不義〔ふぎ〕にして富〔と〕み且〔か〕つ貴〔たっと〕きは、我〔われ〕に於〔お〕いては浮雲〔ふうん〕の如〔ごと〕し。
《現代語訳》
孔先生が、次のように仰られました。
天地〔あまつち〕の恵みをありがたく頂戴し、常温の水を飲み、ひじを曲げてそれを枕とする。
"楽しみ" というのは、このような質素〔しっそ〕な暮らしのなかにこそある。
不義や不正を犯して得た財産や地位などは、わたしにとっては浮き雲のようなものじゃ、と。
《雑感コーナー》 以上、ご覧いただき有難う御座います。
こういった語句を訳するにあたっては、すんなりと語訳することができます。なにしろ、人として生きるための基本中の基本のことなんですからね。改めて、その有難み、というものを感じさせてもらえる語句だといえます。
※ 関連ブログ 楽しみも亦其の中に在り
※ 孔先生とは、孔子のことで、名は孔丘〔こうきゅう〕といい、子は、先生という意味
※ 原文・翻訳の出典は、加地伸行大阪大学名誉教授の『論語 増補版 全訳註』より
※ 現代語訳は、同出典本と伊與田學先生の『論語 一日一言』を主として参考