その愚は及ぶべからざるなり
「子曰(のたま)わく、寗武子(ねいぶし)、邦(くに)に道有るときは則ち知なり。邦に道無きなきときは則ち愚なり。其(そ)の知は及ぶべきなり。その愚は及ぶべからざるなり。」
■その意味は?
孔子(先生)が言われた。
『寗武子は、国に道が行われている〔太平〕ときには、知者としてその才能を発揮したが、国に道が行われていない〔乱世〕ときには、控えめにして愚者のようであった。その知者ぶりは及ぶことができても、その愚者ぶりは及ぶことができない。』
(「論語」一日一言より)
■感想
秩序や道義が優先される世であるならば、さらなる人格者も輩出されよう。しかし、知識や法律が優先される世であるならば、黙ってただただ道義に従い生きるのみである。