論語を現代語訳してみました。
為政 第二
《原文》
子曰、吾與回言。終日不違如愚。退而省其私、亦足以發。回也不愚。
《翻訳》
子 曰〔のたま〕わく、吾〔われ〕、回〔かい〕と言〔い〕う。終日〔しゅうじつ〕 違〔たが〕わずして愚〔ぐ〕なるが如〔ごと〕し。退〔しりぞ〕いて其〔そ〕の私〔わたくし〕を省〔かえり〕みれば、亦〔また〕 以〔もっ〕て発〔はっ〕するに足〔た〕れり。回や愚ならず。
子 曰〔のたま〕わく、吾〔われ〕、回〔かい〕と言〔い〕う。終日〔しゅうじつ〕 違〔たが〕わずして愚〔ぐ〕なるが如〔ごと〕し。退〔しりぞ〕いて其〔そ〕の私〔わたくし〕を省〔かえり〕みれば、亦〔また〕 以〔もっ〕て発〔はっ〕するに足〔た〕れり。回や愚ならず。
《現代語訳》
〈子夏〔しか〕さんがさらに、次のように述べられました。〉
先師(=孔子)は、亡き顔回〔がんかい〕さんのことについて、次のように仰られています。
一日中、私が語っていても、回(顔回のこと)は、黙って話を聴くばかりだった。それはまるで愚鈍〔ぐどん〕なほどに。
しかし、彼が家にもどると、私が話したことをきちんと行っているではないか。また、自〔みずか〕らあらたに道理にかなった生き方をみつけ、行っている。
彼はその辺のお調子者ともちがうし、そして、愚鈍でもなかったよ、と。
顔回
(ウィキペディアより)
〈つづく〉
※ 関連ブログ 回や愚ならず
※ 原文・翻訳の出典は、加地伸行大阪大学名誉教授の『論語 増補版 全訳註』より
※ 現代語訳については、同出典本と伊與田學氏の『論語 一日一言』から参考としている
※ 孔先生とは、孔子のことで、名は孔丘〔こうきゅう〕といい、子は、先生という意味
※ 回とは、顔回(または顔淵)のこと。孔子の弟子で、孔子が最も愛した弟子のひとり。31歳でこの世を去る(諸説ある)