礼無ければ ・ 君子、親に篤ければ
「子 曰(のたま)わく、恭(きょう)にして礼無ければ則ち労(ろう)す。慎にして礼無ければ則ち葸(し)す。勇にして礼無ければ則ち乱(らん)す。直にして礼無ければ則ち絞(こう)す。君子、親(しん)に篤ければ、則ち民 仁に興(おこ)る。故旧(こきゅう) 遺(わす)れざれば、則ち民 偸(うす)からず。」
■その意味は?
孔子(先生)が言われた。
『〔長上に対して〕恭しくして礼によらないと疲れる。慎んで礼によらないといじける。勇ましくて礼によらないと秩序を乱す。真っ直ぐで礼によらないと融通がきかなくなる。教養人たるもの血縁者を大切にすれば、民は〔それを見習い〕人の道に生きようとするのだ。古いなじみを忘れなければ、民は自ずから人情が厚くなる。』
(「論語」一日一言、加地伸行全訳注「論語」より)
■感想
私はこれまで、真に祖先を敬い、真に故郷を想い、真に仁や義を重んじる人に会うことはなかった。いや、会うことはなかったのではなく、それは、私自身がそうした人たちから避けてきたように思うのである。
またひとつ、こうして己を省みることができた。有難いことである。