昨日、亡母のピアノを製造元の会社(の子会社)に引き取っていただきました。ほぼ40年が経過したピアノですが、毎年調律をお願いしていたので、音の状態は悪くありません。母がピアノを買ったのは私たちが結婚して程ない頃でしたでしょう。当時、茶道と華道を教えていた母に所には10数人の女性が通っていたはずですので、毎月のお月謝もそれなりに頂いており退職して年金暮らしになった父の収入を当てにしなくても良かった時期でした。
しかし、母はお弟子さんたちに「嫁が持ってきたの・・・」とすぐバレるような言い訳をしていました。「口裏を合わせてね」と言ってきた母には苦笑いで答えるしかありませんでしたね。
それでも、80歳を過ぎるころまで隣町の若い先生の所にレッスンに通ったようです。「最後の発表会だから来てくれ」と言われて家内と出かけた記憶があります。その発表会以降はほとんど弾くこともなく年に一度来る調律師とのおしゃべりが楽しみだったらしく、調律師の方からも「仕事をしている間ずっとおしゃべりしていましたよ」と聞いたことがあります。
最近、友人たち数人が娘さんの結婚などで誰も弾く人が居なくなったピアノを引き取ってもらった話をしていて、日本にはなんとたくさんのピアノが家庭にあることか・・・と、改めて驚きました。
でも、200キログラムを超える重量があり精密な調整が必要なピアノは、たとえ欲しい方や必要な施設があっても簡単に譲ったり運んだりはできませんから専門の業者などにお願いするほかありません。
ある友人はテレビコマーシャルで有名な会社の一つにお願いしたところ、5000円を頂いたと言っていました。自分では中古で利活用していただくこともできませんし、運送する手配一つでもお金がかかりますから大変ありがたいシステムでしょう。亡母のピアノも余り期待はしていませんでしたが、手入れも良かったせいかかなりの金額を頂戴できる契約で引き取ってくださいました。
いよいよ一人暮らしだった亡母の家の片付けも本腰を入れないといけないようです。