旅する心-やまぼうし

やまぼうし(ヤマボウシ)→山法師→行雲流水。そんなことからの由無し語りです。

初めて岩手・宮城内陸地震の被災地「栗駒山」に入る

2008-10-18 23:10:49 | 地域魅力
今年6月14日に発生した岩手・宮城内陸地震の被災地である栗駒山の耕英地区に、今日初めて入った。山々はすっかり紅葉し、まさに「錦織り成す」の例えそのもの。クヌギやブナの黄と緑、カエデやウルシの真紅が、絶妙な色相をなし、壮大な景色を染め上げている。


山に入った目的は、三つ。一つは駒の湯温泉の現場を確認し、犠牲になった方々に御焼香するため。その二は、荒砥沢ダム上流部と世界谷地近く崩落を自分の目で見るため。その三は、山に取り残されている2羽のガチョウの移住を探るため。

駒の湯温泉の現場を見下ろすところに設けられた慰霊碑の前で、心からご冥福を祈らせていただいた。その後、施設のあった場所まで下りて、表面は乾燥していても、ズブズブと足が突き刺さっていくぬかるみに難儀を強いられながら、土石流ですっかり様相の変わった東側の沢の方まで歩き回った。

ブナの原生林や美しい紅葉で人々を魅了してきた希大ケ原。垂直に崩れ落ちた山肌と紅葉のコントラストは、明るい日差しの下でいっそう鮮やか。

      
        (希大ヶ原)

ここは、市道「馬場・駒の湯線」の世界谷地近くの被災現場。ほぼ垂直に百メーター以上もあるかと思われるほどの崩落。足がすくんでしまう。道の舗装面の陥没にも、その激しさを知ることができる。ここから先は、道は遥か下に欠落。しかも、われわれの立っているところを残し、東側、西側ともに大崩落となっている。あたかも両刃のように切り立ったガレ場。

      
       (西側)
      
       (東側)


ここは、荒砥沢ダム上流部の崩落。何度も映像では見てきたが、いざ自分の目で見てみると、そのあまりのすごさに皆声も出ない。はるか彼方の崖の上に数本の杉が、かろうじて立っている。ガードレールはねじり捨てられた白い一本の糸のように、引っかかっている。われわれの立っている先の道路は、まっさかさまに落下。この崩落の高さは、いったいどのくらいか。検討もつかない。

      

      


無人の『やまなみハウス』の池に浮かんでいたガチョウ。幼い男の子2人を連れた家族が、エサをやっていてくれたらしい。やさしい気持ちに感謝である。

      

2羽はいたって元気なので、少し安心した。それにしても、エレガントでなんと可愛らしいことか。連れて帰りたい。安心して暮らせるようにしてやりたい。そんな気持ちがいっそう増してくる。しかし、相手が池の中では、こちらとして手の出しようがない。

      
       (池の近くのカエデ)
      
       (池の近くの野花)

明日以降、耕英地区の方々に協力いただいて捕獲できるようその方策を探ることにし、本日はあきらめた。(仙台市内の某所のご配慮により、せっかく安住の地の確保に目処が立ったというのに・・・。)

迎えにくるまで、何とか元気に生きていて欲しいと切に願っている。


※ 午後0時に栗駒総合支所を出発、午後4時に下山。

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