武甲山は、その北面が石灰岩の採掘でピラミッド風の様相になりながらも、やはり秩父の名山。
宝登山(ほどさん)から眺めて以来、ずっと気にかかっていたこの山を歩くことができた。
武甲山 ぶこうさん 1,304m
(注)『分県登山ガイド埼玉県』(山と渓谷社)では1,295mとなっているが、山頂第一展望所にある標柱では1,304mと表示されている。
山名の由来:日本武尊が東征の際にその成功を祈願し、武具、甲冑を岩蔵に納めたという伝説が元禄のころから秩父に伝承・定着したと言われている。
山頂には御嶽神社がある。
また、寶登山神社(ほどさんじんじゃ)がそうであったように、一ノ鳥居前に置かれている狛犬は、秩父には狼伝説があることから、一般的な狛犬とはまるで形相が異なる。
それは、あばら骨の浮き出た痩せた山イヌのようであり、またギリシャ神話のケルベロスを想起させる。
2019.05.25(土)会の山行に参加。
コース:一ノ鳥居 → 表参道 → 大杉の広場 → 武甲山山頂 → 長者屋敷ノ頭 → 橋立コース登山口 →(橋立鍾乳洞)→ 秩父鉄道浦山口駅
当初6名の予定だったが、いろいろ事情があり、最終的にはわれわれ3名になってしまった。
西武秩父線横瀬駅からタクシーに乗り、約10分(料金2080円)で一ノ鳥居まで移動。
駅前広場には、われわれと同様にタクシー手配の方々が多数いたが、横瀬駅から徒歩の人たちもかなりいた。
(西武秩父線横瀬駅前)
鳥居手前の路肩には数珠つなぎに車の列。
タクシーが乗り入れた鳥居内は当然満杯。
小さな子供連れの家族から年配者まで様々な世代に親しまれている山だと認識させられた。
鳥居手前の狛犬が気になったので、まず確認。
やはり見慣れたものとは大いに異なっていて、率直な表現をすれば”不気味”。
(特徴ある狛犬)
そして、熊出没注意の看板を横目にゆっくりと歩き出した。
(今日は大変な人出なので、熊にとっては大いに迷惑なことだろう。)
(登山道入口:左は鉄の小橋のあるジラジクボへの道)
(沢を越えて行く。)
(不動滝わきの水くみ場:雨水頼みの山頂トイレの水を補給するため、ペットボトルに詰め込んで登山者がここから持ち上げ協力している。)
(不動滝)
汗をかきかき、ひたすら上を目指す。
(右の朽木に目が行ってしまう。周囲のスギの林は、間伐が行われているので明るい。)
(大杉の広場に到着。なるほど確かにデカイ。皆さん、ここで休憩中。)
また上を目指す。
(ポツポツと咲く小さなニリンソウ)
何度か出てくるスギの巨木に魅了される。
先の広場の大杉が太郎スギとすれば、続く次郎スギ、三郎スギ、そして四郎スギとでも言えようか?!
それにしてもここは植林地なはず。
どうして周囲の木々とは桁外れのものがあるのだろう?
(四郎スギとでも呼びたくなってしまう。)
(前方が明るくなり、山頂が近くなった。)
緩やかに傾斜した広場ではたくさんの方々が昼食休憩中。
その間を抜けて、さらに前方に進む。
(御嶽神社)
(鐘楼:皆さんが鐘をつかないので静かなもの。鐘楼の前方は展望所だが、金網フェンス。)
(右側のフェンスに沿って奥に進むと第一展望所。このフェンスの裏は、石灰岩採掘のため削り取られている。)
(狭い第一展望所。次々に人が来るので大変な混みよう。)
(眼下に秩父市街。遥かかなたには北アルプス、浅間山、榛名山などが望めるらしい・・・。)
さきほどの広場に戻り、われわれも昼食。
(足元に咲いていたクワガタソウ)
※クワガタソウは、磐梯山いらいのこと。固有種のバンダイクワガタは大きめの花だが、武甲山のものはかなり小さい。
⇒ こちらをご覧ください。
(バンダイクワガタ:磐梯山で)
(白花が満開。その樹下にはコバイケイソウの群落があった。)
武甲山の肩まで下りてこれから向かう方向を確認。
(急傾斜の道が続く。)
(樹間から望むのは両神山か?)
(長者屋敷ノ頭に向かって下る。)
(ヤマザクラロードになっている気持ちの良い平坦な道。ここまでの斜度がきつかったのでほっと一息。)
(下降点目指してまた下る。)
(下降点:ここからはジグザグに道が作られたいっそう傾斜のきつい道となる。)
道はきちんと整備されているので歩きやすいが、かなり足にくる。
軟弱なわが太ももは痛くなりかけた。
(橋立川に到着。)
(橋立川を渡る。)
(広くなった平坦な道をあるいて出てきた林道橋立線終点)
ここからは、(黙々とではなく)会話をしながら長い林道歩きとなった。
秩父札所28番石龍山橋立堂に到着。
せっかくなので、鍾乳洞を覗いてみることにした。
(M.Iさんには、茶店でビール飲みながら待ってもらうことにした。)
(入口は左を下って先にある。鍾乳洞内部を巡っての戻りは、この画像中央奥からとなる。)
鍾乳洞入場券:大人200円。内部撮影は禁止。通路天上はかなり低い部分があるので、腰をかがめなければならない。
コウモリが飛び交っているので要注意。
観賞価値は大いにあり。
鍾乳洞から戻ってわれら2人も茶店で休憩。
わたしだけがアイスキャンディで、皆さんはビール。
観光客の方々が大勢来るのでかなりにぎわっていた。
(茶店入口に掲げられていた1957年当時の武甲山の写真)
の~んびりと休んだ後は、秩父鉄道浦山口駅に向かった。
(武甲山を振り返り仰ぎ見る。)
ここで、失敗。
話し込んでいるうちに、駅に行く道を通り越してしまった。
後ろから来た地元の人らしい方に尋ねたら、戻るより先の駅を目指した方が良いかもしれないとのことだった。
しかし、うまくいけば予定していた電車に間に合うかもしれない。
浄水場まで戻り、工事現場の方に山道のような近道を教えていただき、なんとか駅に滑り込みセーフ。
(秩父鉄道浦山口駅:無人駅と思っていたら職員の方がいた。)
電車は、5分も待たずに来た。
(車窓から武甲山を眺める。)
飯能駅でここが始発のものに乗り換え(ホームは真向かいでなんなく乗車)、池袋経由~横浜元町・中華街行きの東京メトロ副都心線で自由が丘まで座ったまま戻ることができた。
そして皆さんとわかれ、大井町線で二子玉川に戻り、駅のソバ屋さんで大盛蕎麦を食べて、またまた歩いての帰宅となった。
今回の山行を計画していただいたチーフリーダーのY.Sさん、先行していただいたサブリーダーのM.Iさんには、心から感謝です。
それにしても、暑かった・・・。
今日のコース
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