旅する心-やまぼうし

やまぼうし(ヤマボウシ)→山法師→行雲流水。そんなことからの由無し語りです。

多摩川の水面の光に

2023-10-23 22:19:55 | 花鳥風月


今日の午後、またまた多摩川の河原を歩いた。
水面にきらめく光を眺め、「遍照」という言葉を思い出し、帰宅後はこれまた久しぶりに(というより埃かぶった)伊東静雄詩集を開けてみた。


  わがひとに与ふる哀歌

太陽は美しく輝き
あるひは 太陽の美しく輝くことを希(ねが)
手をかたくくみあはせ
しづかに私たちは歩いて行つた
かく誘ふものの何であらうとも
私たちの内うちの
誘はるる清らかさを私は信ずる
無縁のひとはたとへ
鳥々は恒(つね)に変らず鳴き
草木の囁(ささや)きは時をわかたずとするとも
いま私たちは聴く
私たちの意志の姿勢で
それらの無辺な広大の讚歌を
あゝ わがひと
輝くこの日光の中に忍びこんでゐる
音なき空虚を
歴然と見わくる目の発明の
何にならう
(し)かない 人気(ひとけ)ない山に上(のぼ)
切に希はれた太陽をして
殆ど死した湖の一面に遍照(へんせう)さするのに

 ※遍照:〔仏〕法身の光明が、あまねく世界を照らすこと。➠遍照金剛 遍照遮那仏    出典:広辞苑



(多摩川堤防のタマスダレ)


(前方は二子玉川駅)


(風になびく穂が美しいのは何?)
パンパスグラスでもなくヨシ(葦)でもなく、ましてやススキではないし・・・。




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