訪れるたびに街区の変わりようには驚かされる。9月8日(金)~9日(土)と、用事ができたので、千葉市の海浜幕張まで出かけてきた。地名は千葉市美浜という。あの幕張メッセがあるところである。JR線の京葉線快速で東京駅から海浜幕張まで約35分程度。かなり近い。
開発整備のコンセプトがしっかりしている新しい街は、きちんとして美しい。整然と屹立するオフィスビル群。パティオと称される中庭を持つ集合住宅群。どれもそれを見上げる人を圧倒する。
どうしてこの地区はこんなに元気なのだろう。確かに都心には近く、間取りの広い賃貸や分譲のマンションは魅力だろう。幕張メッセはあるし、東京よりにはディズニーランド、千葉市の向こうには成田空港。海はすぐ目の前。気候は温暖。こういった諸々が、若い世代を引きつけるのだろうか。
しかし、東北人の自分としては、つい“ひがみ”にも似た思いを抱いてしまった。
人口減少が続き、景気回復もなかなか進まない青森県や秋田県。そう、宮城県だって栗原や登米といった県北西部地域、気仙沼・本吉地域は同じようだ。
“国土の均衡のとれた発展”はすでに死語扱いとなったが、それは、何をもって均衡とするか、何をもってそれを具現化するかが説明しきれないということからであろう。とはいえ、言葉にはあがらないまでも“均衡”を求める心は消えていないと私には思える。
“均衡ある発展”の実現をめざし、政治も行政も経済も日々取り組みを積み重ねることこそが、“均衡”というべきであろうに・・・。
列島の長さ3,300キロメートル、面積が37万平方キロメートルというわが国の地勢的特性を考えれば、どの地域も重要な位置、役割を持っている。そうした地域に対して、ITの世界のように、遠隔操作で済むなどとは誰も考えないはずである。
“均衡”を“機会の平等と結果の平等”などといったイメージの貧困さからくる思考の停止に押し込んではならない。そんなことをしたら、わが故郷を捨ててしまうようなもの。
つい一人で熱くなり、その勢いでこうも想像してしまう。
「この整然と立ち並ぶ海浜幕張もあと50年も経てばどうなるだろう。今はきれいな高層住宅群も色あせてくるだろうに。建て替えるにしても数多くの居住者との調整は大変だろう。なにより、取り壊される建物廃材の処理と新たな建築に要される資材の調達に膨大なエネルギーを使うことになろう。」
「いずれ、ジョルジョ・デ・キリコの代表作『通りの神秘と憂愁(街の神秘と憂鬱ともいう)』にも似た光景になるだろう」などと・・・。
ところで、JR海浜幕張駅のまん前に、アウトレットモール『ガーデンウォ~ク幕張』がある。(わが愛用の腕時計は、2年前にここで購入したもの。)
仙台港背後地のセンター地区のあり方を思うと、アウトレットというこういった特定テーマ型の施設が良いのではないか。三陸縦貫自動車道、仙台北部道路、JR東北線(陸前山王駅)などとのアクセスから見ても、夢メッセや国際港貿易促進センター(アクセル)などとの連携性からしても相当楽しめる施設になるはず。そんなことを考えてしまう。
しかし、アウトレットモールの立地条件としては、既存の商業地区から相当程度は離れていなければならないそうである。このため、仙台港背後地では無理らしい。
今回も幕張海浜公園には行かないでしまった。次は必ず行こう。楽しみは残しておくに限る・・・?
(参考)
近くには、フランスをはじめ世界26カ国で9000店舗を展開するハイパースーパーマーケット『カルフール幕張』がある。フロアの規模、販売商品の種類の豊富さはかなりのものである。2階には、オープンカフェ方式に似たテーブル席を取り巻くように様々な飲食店があり、それぞれ好みに応じて食事が楽しめるようになっている。※われわれも、買物前の腹ごしらえはここで済ませた。
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