ずーみんのはがき絵七十二候

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月六題(その4)

2024-05-25 09:50:00 | デザイン書芸

 「風」という文字ばかりを集めて並べて見ますと新たな発見があって面白かったので、今度は「月」という字を並べてみます。「月六題」です。「月六題」は今回で四回目となります。

 デザインした文字ははがきに書いて、ある方に宛てて送ります。するとその方がご自分のブログにアップしてくださるという仕組みになっています。ずいぶん回りくどいようですが、書いた文字を一度投函して「旅をさせる」ことが面白く感じますのと、各地の郵便局に依頼して風景印を押印してもらうという楽しみもありまして、このようなことになっております。

 作品についている番号は文字を書いた順番です。投函して発表した順番と違っています。日付順に並んでいないところがあれば、そういう理由です。

 

 

 

 

 『月19』 2023年3月

 「5月6日は満月(フラワームーン)です」

 

 

 

 

 

 『月20』 2023年5月

 「6月4日は満月(ストロベリームーン)です」

 

 

 

 

 

 『月21』 2023年5月

 「7月3日は満月(スーパーバックムーン)です」

 

 

 

 

 

 『月22』 2023年7月

 「8月2日は満月(スタージェンムーン)です」

 

 

 

 

 

 『月23』 2023年8月

 「8月31日は満月(スーパースタージェンムーン)です」

 

 

 

 

 

 『月24』 2023年8月

 「9月29日は満月(ハーベストムーン)です

  明るい満月のような 幸せな秋夕をお過ごしください」 

 

 

 こうして並べてみると同じような文字にならないように工夫して書いたことが思い出されます。用具や用紙なども変えて書いています。例えば「月24」は、穂長が軸径の8倍以上もある「超長鋒筆」で書いています。いろいろ試してみるのが楽しいです。

 「満月」のことを書き添えていても、「月」という漢字の成り立ちから言って、まん丸に書くわけにはいかないという事情があります。まあそこはあまり気にせずやっています。

 


はがき絵いろはうた四周目(その1)

2024-05-12 19:18:01 | おえかきの森

 今までに描いたはがき絵をいろは歌に沿って紹介していくシリーズが四周目に突入です。現代仮名遣いにない「ゐ」と「ゑ」はとばします。「を」と「ん」で始まるはがき絵もありませんので、全部で四十四作品を紹介する予定です。

 四周目はお絵かきのチャットゲーム「あつまれ!おえかきの森」で「相方」なる人物と合作した投稿絵を中心に紹介していきます。いわゆる「はがき絵」として描いたものではありませんが、新たに解説文を付けて紹介していきますのでお付き合いください。

 四周目の第一回目、まずは「い」「ろ」「は」の三つです。

 

 

 

『い』・・・いりこ

 我が家では「いりこ」と言えばカタクチイワシを煮て干したものと認識していますが、他にもマイワシ、ウルメイワシ、トビウオ、アジ、サバ、キビナゴなど、多くの魚種で作られることがあると書いてありました。

 そのまま食べることもできますが、たいてい「だし」をとるのに使います。その際に頭とワタの部分を取り除くように書いてありますが、用途によってはそのままでもよい、あるいはそのままの方がよい場合もあります。

 「鰯」は秋の季語、「潤目鰯」は冬の季語です。「いりこ」「煮干し」は手元の歳時記に載っていませんでした。「めざし」は春の季語になっています。どれも通年味わうことができますね。

 いりこの絵を描いて「素」という文字をデザインして書き添えてみました。「素朴」の「素」です。文字の「かすれ」がうまく出ました。マウスを操作して画面上に書くのですが、これは文字を書いてからペンを消しゴムに変えてかすれさせています。実際の書道ではあとから文字をかすれさせることなど絶対にできません。他にも文字を削って細くしたりと、「引き算」的な表現ができるのが面白いです。

 

 

 

 

『ろ』・・・ロブスター

 加熱されて色鮮やかになったロブスターを皿に盛り、付け合わせの野菜とレモンを添えました。「彩」という字を書き添えていろどりをプラスです。

 絵を先に描いて、あとから文字をとり合わせていますが、このように絵と文字が重なったように書く場合、絵と重なった部分には、先ほど「素」で述べたような「引き算」の手法を使うことができなくなり、難易度がアップします。

 「伊勢海老」なら新年の季語なのですが、「ロブスター」は季語ではないようです。イセエビと違ってロブスターの第一歩脚は大きな鋏になっているので、イセエビとロブスターは種としては近くないのかもしれません。

 

 

 

 

『は』・・・ハリネズミ

 友人がペットショップで売られているハリネズミに「ひとめぼれ」してしまって、即お買い上げ、ということがありました。小さくてかわいい生き物です。針といってもそんなにチクチクしません。飼うのもさほど難しくないとその友人が言っていました。夜行性なので昼間仕事に出かけているのはかえって好都合なのだそうです。

 季語にはなっていないようで、他の季語と取り合わせて句にする必要があります。

 この絵は先に背景を黒く塗ってから描いています。文字は白(または消しゴム)であとから書きました。バックに色を使う場合は、濃度を100%にしておいたほうが、作業がしやすいです。文字を削ったりかすれさせたりという「引き算」の表現も、背景色が100%であれば簡単にできます。

 

 

 ご覧いただきありがとうございます。「はがき絵いろはうた」四周目は「あつまれ!おえかきの森」というおえかきのチャットゲームで合作した絵をたくさん紹介していく予定です。解説文を新たに加えてご覧いただいておりますので、四周目もぜひお付き合いくださいね。


空六題(その1)

2024-05-05 06:44:55 | デザイン書芸

 「風」や「月」といった文字をいろいろにデザインして書いたものを集めて並べてみると新たな発見があって面白く感じたので、今度は「空」という字を並べてみます。「空六題」です。

 デザインした文字ははがきに書いて、ある方に宛てて送ります。するとその方がご自分のブログにアップしてくださるという仕組みになっています。ずいぶん回りくどいようですが、書いた文字を一度投函して「旅をさせる」ことが面白く感じますのと、各地の郵便局に依頼して風景印を押印してもらうという楽しみもありまして、このようなことになっています。

 作品についている番号は文字を書いた順番です。投函して発表した順番と違っています。日付順に並んでいないところがあれば、そういう理由です。

 

 

 

 

 『空1b』 2019年4月

 「千里離れていようと 思いは一つ 同じ夜空の 月を見る」

 

 

 

 

 

 『空2』 2019年4月

 「飛んでゆきたいところがあります」

 

 

 

 

 

 『空3』 2022年9月

 「野の花のように消えてしまう 空の花の恋しさ 夕焼けよ 夕焼けよ 空を覆って・・・」

 

 

 

 

 

 『縁4』 2020年1月

 「이 별의 한 구석에 꽃의 씨앗을 뿌리고 있는 너와 나는 지금 여기에 있어요. 

 (この星の一隅に花の種を蒔いている あなたと私は今ここにいます。)」

 

 

 

 

 

 『縁5』 2020年1月

 「애달픔도 기쁨도 때와 하늘을 넘어서 서로 울리는 불가사의 너와 나는 지금 여기에 있어요.

 (苦しみも喜びも時と空を越えて 互いに響く不思議 あなたと私は今ここにいます。)」

 

 

 

 

 

 『縁6』 2020年1月

 「朝鳴く鳥はお腹がすいて鳴く 夕方鳴く鳥はあなたが恋しくて鳴く」

 

 

 

 同じような文字にならないように気を付けて書いたことを思い出します。筆や用紙、技法などを変えて色々試して書いています。『縁1』と『縁2』は紙をはみ出して書いてみました。

 「かすれ」や「墨はね」、「にじみ」、「墨抜け」などがあった方が「景色」になっていい感じになることが多いです。運筆の速度で線に表情が出ることが楽しいです。


はがき絵いろはうた三周目(その15)

2024-04-29 08:26:54 | 日記

今までに描いたはがき絵をいろは歌に沿って紹介していくシリーズの三周目が、いよいよ最終回です。現代仮名遣いにない「ゐ」と「ゑ」はとばしました。「を」と「ん」で始まるはがき絵も見つかりませんでしたので、全部で四十四作品を紹介できました。

 三周目の第十五回目、最終回の今回は「せ」と「す」の二つです。

 

 

 

『せ』・・・扇風機

 扇風機の絵を描いて「味付け海苔をとばす風が吹く。100円ライターでおさえる。」と書き添えました。

 説明が必要ですね。昔のスナックの風景です。クーラーなんか無いんです。あっても効いてないんです。カウンターの隅に扇風機があって、首を振っているんです。味付け海苔はお客さん全員に出すおつまみです。袋を切って、中身を袋の上に置きます。それだけでは扇風機がこっちを向いた時に海苔がどこかへ飛んで行ってしまうので、100円ライターで押さえています。扇風機があっちを向いているすきにライターの下から海苔を一枚とって食べるのです。ライターはすぐに戻さないと、扇風機がこっちを向いて海苔を飛ばしにかかります。カラオケがあまり普及していないので、お店の人はおしゃべりが上手です。知識が豊富でどんな話にも合わせてくれました。今のように客が勝手にカラオケで盛り上がっていて、ときどき水割りを作るだけ、という感じではないのです。

 「扇風機」は夏の季語。歳時記を開くとこの季語の「本意」が伝わってきます。私の思い出の中の扇風機はこんなふうに首を振っています。

 

 

 

 

 

『す』・・・睡蓮

 睡蓮を描いて「モネの真似」と書き添えました。睡蓮といえば印象派の巨匠クロード・モネの名が思い浮かびます。エドゥアール・マネという画家もいて、名前も活躍した時期も似ているので、混同されることもあります。たしかマネの方が8歳年上だったと思います。マネにはピクニックをする3人の人物を描いた「草上の昼食」という作品があり、モネはその絵をオマージュした「草上の昼食」という作品をものしています。モネによる「マネの真似」と言えそうですね。ややこしいですね。

 マネは睡蓮の絵を連作していて、200点以上が残っているそうです。亡き妻への追想や懺悔の気持ちが込められているという説もあります。私なんぞがちょこちょこっと睡蓮を描いて「モネの真似」というのもおこがましいのですが、ダジャレということでお許しいただくことにしましょう。余談ですが、マネの「オランピア」をゴーギャンが模写した絵が残っています。つまりその絵はゴーギャンによる「マネの真似」です。また、マネもモネも自画像を残しています。マネの自画像はマネによって描かれたマネ、つまり「マネのマネ」、モネの自画像はモネによって描かれたモネ、つまり「モネのモネ」ですね。と、ここまで書いてどうしても気になったので調べてみて、わかったことがあります。マネが描いた「庭のモネ一家」という作品があるそうです!マネによって描かれたモネ、つまり「マネのモネ」も存在します。

 睡蓮は俳句では晩夏の季語に分類されています。蓮も晩夏の季語ですが、蓮が水面から花茎を立ち上がらせて、いわば「空中で」咲くのに対して、睡蓮は水面に接した状態で、いわば「水に浮かんで」咲くという違いがあります。おえかきのお題に出た時には気を付けたい相違点です。

 

 

 

 「はがき絵いろはうた」と称して今までに描いたはがき絵をいろは順に紹介していくシリーズも、これで3周目が終わりました。

 4周目は「あつまれ!おえかきの森」というおえかきのチャットゲームで合作した絵をたくさん紹介していく予定です。解説文を新たに加えてご覧いただいておりますので、4周目もぜひお付き合いくださいね。

 


楽六題(その1)

2024-04-21 17:06:59 | デザイン書芸

 「風」や「月」といった文字をいろいろにデザインして書いたものを集めて並べてみると新たな発見があって面白く感じたので、今度は「楽」という字を並べてみます。「楽六題」です。

 「楽」を何と読みましょうか。「らく」と読めば「苦労しない」というような意味になりますし、「がく」と読めば音楽の調べなどを表します。「たの(しい)」と音読みすればそのような心情をあらわしますね。読み方によっても微妙にニュアンスが変わる文字です。

 デザインした文字ははがきに書いて、ある方に宛てて送ります。するとその方がご自分のブログにアップしてくださるという仕組みになっています。ずいぶん回りくどいようですが、書いた文字を一度投函して「旅をさせる」ことが面白く感じますのと、各地の郵便局に依頼して風景印を押印してもらうという楽しみもありまして、このようなことになっています。

 作品についている番号は文字を書いた順番です。投函して発表した順番と違っています。日付順に並んでいないところがあれば、そういう理由です。

 

 

 

 

 『楽1』 2019年3月

 「君がいて楽しい」

 

 

 

 

 

 『楽2』 2019年4月

 「君と一緒にゆっくり まったりした時間を過ごそう」

 

 

 

 

 

 『楽3』 2019年5月

 「楽しい話だけしたいのです」

 

 

 

 

 

 『楽4』 2019年5月

 「楽しむことは楽をすること」

 

 

 

 

 

 『楽5』 2019年5月

 「人生を楽しむことは達人の技です」

 

 

 

 

 

 『楽6』 2021年12月

 「私が学んだのは目的地ではなく 道を楽しむことです」

 

 

 

 同じような文字にならないように気を付けて書いたことを思い出します。筆や用紙、技法などを変えて色々試して書いています。『楽1』は紙をはみ出して書いてみました。

 「楽」ではなく「樂」という旧字体の方が面白くデザインできると考えて、1,2,3,4は「樂」、5,6は「楽」の字体を用いてデザインしています。

 「かすれ」や「墨はね」、「にじみ」、「墨抜け」などがあった方が「景色」になっていい感じになることが多いです。運筆の速度で線に表情が出ることが楽しいです。