ずーみんのはがき絵七十二候

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はがき絵いろはうた三周目(その14)

2024-04-13 08:08:01 | 日記

今までに描いたはがき絵をいろは歌に沿って紹介していくシリーズも三周目に突入しております。現代仮名遣いにない「ゐ」と「ゑ」はとばします。「を」と「ん」で始まるはがき絵もないだろうということで、一周あたり四十四作品を紹介できると思っております。

 三周目の第十四回目、今回は「し」、そしてそして「ゑ」をとばして「ひ」、「も」です。

 

 

 

『し』・・・シクラメン

 シクラメンの花とつぼみを描いて「冬を楽しく 明るく生きる」と書き添えました。花もつぼみもうつむき加減で、花弁は上に反り返る用に咲きます。つぼみはうつむいたままで、きりりとねじれています。この特徴を描けば何とかシクラメンに見えるものですね。葉は地面に近い位置に広がっていて、少々描くのが厄介かなと思い、省略することにしました。

 私が住む大阪あたりは冬の気温がそれほど下がらず、晴れた日も多いです。雪に閉ざされることもなく、外を歩けば垣根のサザンカやツバキ、鉢植えのシクラメン、ナンテンの赤い実などに出合うことができます。早春にはウメやスイセンなど香りの強い花が咲き、目だけでなく鼻も楽しませてくれます。この記事は三月末に書いているのですが、今はモクレンやコブシなどの木の花が咲いています。我が家のユスラウメもほぼ満開です。先日からの雨でサクラが咲き始めています。

 冬の鉢花の代表ともいえるシクラメンですが、元来の花期は春で、俳句でも春の季語です。調べると種子から育てることもできるようですが、我が家では鉢植えを買って飾っています。

 

 

 

 

 

『ひ』・・・ピラカンサ

 ピラカンサの赤い実をアップで描きました。「向寒の砌(みぎり)に朱(あか)きピラカンサ」と書き添えました。俳句ではピラカンサの花を春の季語、ピラカンサの実を秋の季語にしている歳時記もあるようですが、私が持っている歳時記には載っておらず、はっきりと季語には定まっていないのかもしれません。この句では「向寒」という時候の季語を使って季節をはっきりさせました。「向寒の候」は時候の挨拶に使われる語で、11月の立冬から12月の冬至まで、あるいは1月の小寒まで使えるということです。

 センリョウやマンリョウ、ナンテン、アオキなど、赤い実をつける植物はたくさんありますが、中でもこのピラカンサは実の数が多く、びっしりと重そうに実ります。人がこの実をとって利用したり、小鳥が好んでついばんだりということを見聞きしたことがありません。鳥が食べないのだから、きっとおいしくないのだろうと想像して、まだ試していません。ひょっとすると毒があったりするのかもしれませんね。

 

 

 

 

 

『も』・・・木魚

 木魚と撥、風鐸、木魚にもたれて居眠りをする修行僧を描きました。見慣れぬ形の木魚かもしれません。韓国のお寺で見た木魚はこの形で、片手で取っ手の部分を下、叩くところを上にして立てて持ち、もう片方の手で持った撥で打ち鳴らしていました。風鐸には魚の形の錘がぶら下がっています。魚は一部の種を覗いてまぶたがなく(ないようにに見える、と言いかえておきましょう)夜も眠らない、と考えられていました。眠気は修行の妨げになるので、木魚や魚版を打ち鳴らしたり、魚の形をした風鐸の音で目を覚まそうとしたのでしょう。目を覚ますための木魚に寄りかかって居眠りをする、というのは割とある画題です。

 「汝聴観音行 善応諸方所」と、観音経(妙法蓮華経 観世音菩薩普門品第二十五の中の「世尊偈」のこと)の一部を書き添えてあります。居眠りしている修行僧が聴いているのは観世音菩薩の行についての説法でしょうか。それとも心地よい風鐸の音でしょうか。


縁六題(その1)

2024-04-07 09:19:04 | デザイン書芸

 「風」や「月」といった文字をいろいろにデザインして書いたものを集めて並べてみると新たな発見があって面白く感じたので、今度は「縁」という字を並べてみます。「縁六題」です。

 デザインした文字ははがきに書いて、ある方に宛てて送ります。するとその方がご自分のブログにアップしてくださるという仕組みになっています。ずいぶん回りくどいようですが、書いた文字を一度投函して「旅をさせる」ことが面白く感じますのと、各地の郵便局に依頼して風景印を押印してもらうという楽しみもありまして、このようなことになっています。

 作品についている番号は文字を書いた順番です。投函して発表した順番と違っています。日付順に並んでいないところがあれば、そういう理由です。

 

 

 

 

 『縁1b』 2019年3月

 「千里離れていようと 思いは一つ 同じ夜空の 月を見る」

 

 

 

 

 

 『縁2』 2019年4月

 「縁あって友だちになりました」

 

 

 

 

 

 『縁3』 2020年1月

 「태어난 장소도 숨을 하고 있는 장소도 멀리 떨어져 있지만 너와 나는 지금 여기에 있어요.

 (生まれた場所も息をしている場所も遠く離れていますが、あなたと私は今ここにいます。)」

 

 

 

 

 

 『縁4』 2020年1月

 「이 별의 한 구석에 꽃의 씨앗을 뿌리고 있는 너와 나는 지금 여기에 있어요. 

 (この星の一隅に花の種を蒔いている あなたと私は今ここにいます。)」

 

 

 

 

 

 『縁5』 2020年1月

 「애달픔도 기쁨도 때와 하늘을 넘어서 서로 울리는 불가사의 너와 나는 지금 여기에 있어요.

 (苦しみも喜びも時と空を越えて 互いに響く不思議 あなたと私は今ここにいます。)」

 

 

 

 

 

 『縁6』 2020年1月

 「朝鳴く鳥はお腹がすいて鳴く 夕方鳴く鳥はあなたが恋しくて鳴く」

 

 

 

 同じような文字にならないように気を付けて書いたことを思い出します。筆や用紙、技法などを変えて色々試して書いています。『縁1』と『縁2』は紙をはみ出して書いてみました。

 「かすれ」や「墨はね」、「にじみ」、「墨抜け」などがあった方が「景色」になっていい感じになることが多いです。運筆の速度で線に表情が出ることが楽しいです。


はがき絵いろはうた三周目(その13)

2024-03-30 13:55:17 | 日記

 今までに描いたはがき絵をいろは歌に沿って紹介していくシリーズも三周目に突入しております。現代仮名遣いにない「ゐ」と「ゑ」はとばします。「を」と「ん」で始まるはがき絵もないだろうということで、一周あたり四十四作品を紹介できると思っております。

 三周目の第十三回目、今回は「ゆ」「め」「み」です。

 

 

 

『ゆ』・・・雪だるま

 私の住む大阪はめったに雪が降りません。たまに雪がちらつくことがあっても積もることはまずないと言ってよいと思います。しかしこれは最近のことで、私が子どもの頃は年に何度か雪が積もるぐらいに降り、起きたらあたり一面が真っ白、ということも経験しています。温暖化なのでしょうか。

 雪が積もると雪だるまを作ったりもしました。にわかに積もった雪なので雪の下の土なども一緒にまきこんでしまって、あまりきれいではないのですが、それでも楽しかったです。きれいな雪をもってきて「お化粧」をしなければなりませんでした。雪玉を大きくしすぎると重くなりすぎて、重ねるときに困りました。

 俳句で「雪達磨」は冬の季語。傍題に「雪兎」もあります。

 

 

 

 

『め』・・・メジロ

 花の枝にとまるメジロを描きました。

 「동박새도 꽃놀이를 하고 있어요.(メジロも花見をしているよ)」とハングルで書き添えてあります。メジロは韓国語で「동박새(トンバㇰセ)」といいます。椿の花の蜜を求めてやってくるイメージですね。日本でも梅の花の蜜を求めてやってくるイメージがあります。梅で有名な和歌山県の県鳥になっていることからも、早春にふさわしい感じがします。花札の2月の札に「ウグイス」として描かれている鳥も実はメジロだそうです。

 ところが、俳句では秋の季語に分類されています。柿を好み、その実をついばむ姿がよく見られるからだそうです。歳時記によっては夏のページにメジロを載せているものもありました。

 

 

 

 

 

『み』・・・ミナミハコフグ

 私が今の仕事に就職して初めての転勤を終え、二つ目の職場に赴任したとき「釣りクラブ」があって、私も所属していました。いろんなところに釣りに出かけるだけでなく、魚種によって細かくポイントを定め、年間獲得ポイントを競うという遊びもやっていました。フグが釣れるとそれまでのポイントがゼロにリセットされるというルールがあって、これにより大逆転が起こることもあり、面白かったです。

 俳句で河豚は冬の季語です。河豚汁(ふぐとじる)、てっちりなどの子季語もあります。

 釣りでは年じゅう釣れます。10センチぐらいのかわいいフグが膨れながら釣り上がってくると、ポイントがゼロになるのでがっかりしたものです。


雨六題(その1)

2024-03-23 10:01:46 | デザイン書芸

 

「風」や「月」といった文字をいろいろにデザインして書いたものを集めて並べてみると新たな発見があって面白く感じたので、今度は「雨」という字を並べてみます。

 デザインした文字ははがきに書いて、ある方に宛てて送ります。するとその方がご自分のブログにアップしてくださるという仕組みになっています。ずいぶん回りくどいようですが、書いた文字を一度投函して「旅をさせる」ことが面白く感じますのと、各地の郵便局に依頼して風景印を押印してもらうという楽しみもありまして、このようなことになっています。

 作品についている番号は文字を書いた順番です。投函して発表した順番と違っています。日付順に並んでいないのはそういうわけです。

 

 

 

 

 『雨1』 2021年11月

 「비에 젖어 슬픔에 젖어 눈물에 젖어・・・(雨に濡れ 悲しみに濡れ 涙に濡れ・・・)」

 (韓国歌謡「雨降る永東橋(ヨンドンギョ)」の歌詞の一部)

 

 

 

 

 

 『雨2』 2022年6月

 「비오는 날은 비를 듣는다.(雨の日は雨を聞く)」

 

 

 

 

 『雨3』 2022年7月

 「7월의 비가 내리는 날에・・・(7月の雨が降る日に・・・)」

 

 

 

 

 『雨4』 2022年8月

 「황순원의 소설 소나기는 산골 소년의 슬픈 사랑이야기입니다. (ファンスンウォンの小説「ソナギ」は、山あいのの少年の悲しい愛の物語です。)」

 

 

 

 

 

 『雨5』 2022年9月

 「좀더 있으라고 이슬비가 내리고,이젠 가라고 가랑비가 내린다.(もっといてねとイスルビが降り、もう行ってねとカランビが降る。)」

 

 

 

 

 

 『雨6』 2022年11月

 「11월의 비는 눈으로 바뀌고・・・(11月の雨は雪に変わり・・・)」

 

 

 

 同じような文字にならないように気を付けて書いたことを思い出します。筆や用紙、技法などを変えて色々試して書いています。そでれも『雨1』と『雨5』がちょっと似た感じになってしまいました。

 「かすれ」や「墨はね」、「にじみ」、「墨抜け」などがあった方が「景色」になっていい感じになることが多いです。運筆の速度で線に表情が出ることが楽しいです。

 


はがき絵いろはうた三周目(その12)

2024-02-25 00:41:39 | 日記

 今までに描いたはがき絵をいろは歌に沿って紹介していくシリーズも三周目に突入しております。現代仮名遣いにない「ゐ」と「ゑ」はとばします。「を」と「ん」で始まるはがき絵もないだろうということで、一周あたり四十四作品を紹介できると思っております。

 三周目の第十二回目、今回は「あ」「さ」「き」です。

 

 

 

 

『あ』・・・アガパンサス

 アガパンサスの花を描きました。和名を紫君子蘭というそうです。ヒガンバナ科です。季語にはなっていないようですが、初夏に咲きます。「全部咲いたら描くのが厄介」と書き添えました。まだほとんどがつぼみという状態を絵にしました。

 

 

 

 

『さ』・・・さくらんぼ

 サクランボの絵を描いて「あなたと食べたい・・・」とハングルで書き添えました。「桜桃の実(おうとうのみ)」「桜桃」「さくらんぼ」は夏の季語です。主に山形県で育種が行われ、海外品種をもとに「佐藤錦」「紅秀峰」など、日本の代表的な品種が作られました。

 今から三十年以上も前、当時の職場に桜の木があって、毎年小さいさくらんぼが実りました。売っているものとは大きさは全然違いましたが、味はおいしかったです。大きな木で、高い枝に実ったものは鳥が食べ放題に食べていました。低い枝に実ったものは誰も食べないので私だけが通るたびにつまんで食べていました。おいしい思い出です。

 

 

 

 

『き』・・・麒麟

 ビールのラベルを見ながら想像上の動物である「麒麟」を描きました。書き添えてあるハングルは「私たちが好きな動物~動物園にはいないけど・・・」と書いてあります。ビールのラベルの麒麟をよく見ますと、カタカナで「キ」「リ」「ン」という文字が隠されているのだそうです。想像上の動物である「麒麟」は当然、季語にはなっていません。(ビールは夏の季語ですがw)

 キリンビールの工場を見学に行ったことがあります。青春18きっぷを使って山陽本線の万富駅で降りると迎えのバスが待っていてくれました。思っていたより楽しく、ためになりました。韓国から来ている見学者がいたので韓国語で話しかけてみました。楽しい思い出です。