ずーみんのはがき絵七十二候

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はがき絵いろはうた三周目(その1)

2023-10-08 16:21:13 | 日記

 今までに描いたはがき絵をいろは歌に沿って紹介していくシリーズも三周目に突入です。現代仮名遣いにない「ゐ」と「ゑ」はとばします。「を」と「ん」で始まるはがき絵もないだろうということで、一周あたり四十四作品を紹介できると思います。

 三周目の第一回目、今回は「い」「ろ」「は」です。

 

 

 

「い」・・・銀杏(いちょう)

 

 

 黄色く色づいたイチョウの葉を描きました。上方落語「八五郎坊主」に取材した作品です。「尊いお寺はご門から」という言葉は、甚兵衛はんの紹介で下寺町のズクネン寺で出家をしようと、八五郎が訪れた時の寺刹の描写に出てきます。境内には鶏頭の花が咲いていたりもするので、季節は秋のようです。

 樹木の名としての「銀杏」は季語ではありませんが、葉が緑から黄色に劇的に変化したり、実としての銀杏(ギンナン)が実ったりするのが秋です。

 

 

 

 

 

「ろ」・・・ローファー

 

 

 この絵ははがき絵ではありません。おえかきのチャットゲーム「あつまれ!おえかきの森」で描いて、「おえかき投稿」した絵です。「相方」と二人で合作しています。この絵には「歩」という字をデザインして書き添えていますが、文字もいろいろに書きかえたりして楽しんでいます。

 

 

 

 

 これは文字を「遊」に書きかえたバージョンです。素敵な靴を履いて遊びに出かけるイメージです。

 

 

 

 

 遊びよりも通学やビジネスにふさわしいと感じて、さっそうと歩く感じをイメージして文字を「凛」に書きかえたバージョンです。一つの絵を描いて、文字をいろいろに書きかえて遊ぶのが楽しいです。

 ローファーは一年中履ける靴ですが、特に靴の選択に迷いがちな夏に最適となります。夏の季語に入れるかどうかは微妙なところです。

 

 

 

 

 

「は」・・・葉牡丹

 

 

 葉ボタンを描いてハングルで「小寒」と書き添えました。二十四節気のひとつで、一月六日ごろから二週間ぐらいをあてます。いわゆる「寒の入り」ですね。ずいぶん前に二十四節気をそろえて描いたシリーズです。

 俳句では「葉牡丹」も「小寒」も冬の季語です。この葉牡丹は紫っぽい色です。もっと白っぽいものもあって、紫と白をあわせて植えて「紅白」に仕立てることも多いようです。


はがき絵いろはうた二周目(その15)

2023-09-30 16:04:57 | 日記

 今までに書いたはがき絵をいろは歌に沿って紹介していくシリーズの「二周目」です。現代仮名遣いにない「ゐ」と「ゑ」はとばしましょう。「を」と「ん」で始まるはがき絵もないのでとばしてしまいますね。

 二周目の第十五回目、最終回でもある今回は「せ」と「す」です。これでいろはうたの二周目はおしまいとなります。

 

 

 

 

『せ』・・・セイウチ

 セイウチの顔をアップで描きました。大きな牙が特徴ですが、よく見るとそれほど怖い顔ではありません。このセイウチが腹筋運動をしている動画を見ました。もちろん自発的にしているのではなく、「芸」として仕込まれてやっているのですが、巨体で行う迫力とともに、どことなく愛らしさもあって笑ってしまいました。「セイウチ 腹筋」などというワードで検索すれば見ることができるのではないかと思います。ちょっとご覧になって見てはいかがですか。

 セイウチは漢字表記では「海象」です。俳句の季語にはなっておらず、海象を俳句に詠む場合は別の季語をとり合わせる必要があります。

 「セイウチの麻酔の効き目夏の空」という句を見つけました。お笑いコンビFUJIWARAのフジモン、藤本敏史さんの句です。

 

 

 

 

 

『す』・・・スズメノテッポウ

 スズメノテッポウはイネ科の、いわゆる「雑草」です。田んぼに生えている印象があります。調べてみますと畑にも生えるようです。しかも「田んぼに生える水田型と、畑に生える畑地型とは、同じスズメノテッポウでありながら違った性質を持っていることが知られている。」などと興味深いことが書いてありました。

 この草の花穂の部分を引き抜いて息を吹き込むと「ピー」と鳴ります。草笛の一種ですが、音程を出すことは難しいようです。俳句では春の季語として扱われます。

 ハングルで「どこからか 草笛を吹く かすかな音が・・・」と書きました。左下には小さく「スズメノテッポウ イネ科」と書き添えてあります。スズメノテッポウの訳語として「뚝새풀」を採用しています。他に「참새  떡볶이」という訳語も見つかりました。こちらは「雀のトッポギ」なのですね。花穂の形からきているのでしょう。

 

 

 

 今までに描いたはがき絵をいろは順に紹介していくシリーズも、これで2周目が終わりました。解説文を新たに加えてご覧いただいておりますので、3周目もぜひお付き合いくださいね。


はがき絵いろはうた二周目(その14)

2023-09-16 22:12:30 | 日記

 今までに書いたはがき絵をいろは歌に沿って紹介していくシリーズの「二周目」です。現代仮名遣いにない「ゐ」と「ゑ」はとばしましょう。「を」と「ん」で始まるはがき絵もないのでとばしてしまいますね。

 二周目の第十四回目、今回は「し」そして「ゑ」をとばして「ひ」「も」です。

 

 

 

 

『し』・・・シャトルコック

 バドミントンのシャトルコックを描きました。書き添えたのは「羽根つき歌」です。数え歌になっています。「ひと目 ふた目 見よかし 嫁御 何時やの 昔 七夜の 薬師 ここのつ とお」

 「見よかし」は「みやこし」と歌っていたような気もします。おそらくこういう意味だろうと想像して漢字をあててみましたが、「昔」は「武蔵」、「薬師」は「やつし(おしゃれをする人)」かもしれません。

 「羽子(はね)」「羽子突き」「追い羽子」「羽子板」などは新年の季語です。当然ながらバドミントンやシャトルコックは季語ではありません。

 

 

 

 

『ひ』・・・向日葵

 「高原の向日葵の影われらの影  西東三鬼句」

 季語は向日葵、季節は夏です。夏を象徴する花ですね。フランス語では太陽という単語とヒマワリという単語が同じ「soleil(ソレイユ)」だと聞いて調べてみました。太陽の方を向くことからターンするという意味の言葉と太陽という言葉を組み合わせたような単語がヒットしましたが、太陽を表すsoleilも向日葵を表す場合があることがわかりました。

 

 

 

 

『も』・・・モクレン

 シモクレンを描きました。ハクモクレンもシモクレンもともに春の季語です。なんと、この暑いさなかにシモクレンが咲いています。私はつい先日、8月下旬に転勤したのですが、現在の職場にほど近いマンションの周りに植えられている木の中にシモクレンが一本あって、8月の日差しを受けてたくさんの花を咲かせていました。いったいどうなっているのでしょうか。

 「歩いて行こう 花が咲う(わらう)道を」と書き添えました。「咲」と「笑」は誤って伝えられたという説があります。「咲」は口へんで「わらう」、「笑」は竹冠で「さく」だというのです。言われて見ればそんな気もしてきます。

 


はがき絵いろはうた二周目(その13)

2023-09-08 22:47:34 | 日記

 今までに書いたはがき絵をいろは歌に沿って紹介していくシリーズの「二周目」です。現代仮名遣いにない「ゐ」と「ゑ」はとばしましょう。「を」と「ん」で始まるはがき絵もないのでとばしてしまいますね。

 二周目の第十三回目、今回は「ゆ」「め」そして「み」です。

 

 

 

 

『ゆ』・・・ユキノシタ

 ユキノシタの花をアップで描きました。「私が好きな花」と書き添えるだけあって、本当に好きな花です。小さい花ですが、この絵のように花弁にかわいい模様があります。我が家ではガレージにプランターを置いています。あまり強い日射は苦手なようで、半日陰を好むと書いてあったからです。花期は梅雨時です。ですから俳句では夏の季語になっています。寒さに強く、積もっている雪の下に緑の葉があることからユキノシタと呼ばれるようになったそうです。韓国語では「바위취(バウィチュィ)」と言うようです。「바위」は岩、「취」という山菜があるので、その仲間ということなのかもしれません。

 

 

 

 

『め』・・・メバル

 メバルを描きました。ハングルで「メバルを釣りに行きます」と書き添えました。韓国語でメバルは「볼락(ポㇽラㇰ)」というのですね。

 手釣りでよく釣れ、煮つけなどがおいしい魚です。大きいものは刺身や塩焼きで、と書いてありましたが、私はそんなに大きいものを釣ったことがなく、いつも煮つけでいただいています。春先から夏にかけてが食べごろで、そのため「春告魚」とも呼ばれています。俳句でも春の季語になっているようです。

 

 

 

 

『み』・・・ミズヒキソウ

 「水引草咲いていつもの散歩道」

 季語は水引草、季節は秋です。

 東大阪市の東部、それもかなりの山間部に住んでいたころ、散歩道に水引草が咲いているところがありました。季節の草花がたくさん観察できて楽しかったものです。ノミノフスマやキュウリグサなどの小さな小さな花が好きで、大きな虫眼鏡を持ち歩いて、立ち止まったりしゃがみ込んだりして、小さな花のつくりなどを観察していると時のたつのを忘れるほどでした。今は同じ東大阪市ですが西部に住んでいて、住宅や工場の中に住んでいる感じです。園芸植物はたくさん見られますが、以前のような豊かな自然、というわけにはいかなくなりました。土地が平らで坂道がないのは助かります。散歩道にイノシシの罠が仕掛けてあることも、交通事故に遭ったタヌキが死んでいることもなくなりました。


はがき絵いろはうた2周目(その12)

2023-08-26 14:35:29 | 日記

 今までに書いたはがき絵をいろは歌に沿って紹介していくシリーズの「二周目」です。現代仮名遣いにない「ゐ」と「ゑ」はとばしましょう。「を」と「ん」で始まるはがき絵もないのでとばしてしまいますね。

 二周目の第十二回目、今回は「あ」「さ」そして「き」です。

 

 

 

 

『あ』・・・あじさい

 ガクアジサイの花を描きました。アジサイは漢字で「紫陽花」と書きます。梅雨の頃に花を咲かせますので、俳句では夏の季語になっています。

 書き添えてあるハングルは、「二人並んで見る紫陽花に 傘のいらない雨が降る」という都々逸を翻訳しようと試みたものです。「アジサイ」の部分は「수국」というハングルをあてて書きました。「수국(スグㇰ)」は「水菊」という漢字語で、韓国ではこれが「アジサイ」を表します。そうと知らずに「紫陽花」という漢字をハングル読みして「자양화(チャヤンホヮ)」と言ってみましたが、これも通じました。

 

 

 

 

『さ』・・・桜

 日本の国花である桜。お花見という習慣もあって、つぼみが膨らんでくるとなんだかそわそわします。韓国にも桜が結構植えられていて、桜の名所とされているところも何か所かあります。「벚꽃노리(ポッコンノリ)」と言って、韓国でもお花見を楽しむ習慣があります。日本から移植されたソメイヨシノが咲いているところも見たことがあります。花を見るための人々が屋外に繰り出しますので、川の土手などに桜を植えて、花見客に土手を踏み固めてもらうという目的も隠されているようで、桜の名所は川の土手が多いです。

 日本ではただ単に「花」と言えばそれは桜を表すのだ、というぐらい桜は花の代名詞になっています。俳句ではもちろん春の季語です。

 書き添えたハングルは「日本では桜がばぁーっと咲いていますよ!」です。

 

 

 

 

『き』・・・煙管(きせる)

 煙管(きせる)はたばこを吸うための道具です。西洋から伝わった喫煙具のパイプが変化したものだと言われています。煙草のみは年中たばこを吸っていますので「煙管」は俳句の季語ではありません。「煙管 季語」というワードで検索すると「ナンバンギセル」という植物が出てきました。「思い草」という素敵な別名を持つ植物で、秋の季語でした。

 韓国では昔話の冒頭に、「昔々、虎がたばこを吸っていたころ・・・」と語り始めるのが通例となっています。とてもおもしろい表現ですね。

 身の回りに煙管で喫煙している人を見ることはなくなりましたが、時代劇ではよく目にします。紙巻きたばこができるまでは煙管での喫煙が一般的だったのですね。高価なたばこを少量の葉で喫することができる優れものでしたが、雁首と吸い口の中間部分である羅宇(らう・らお)に脂(やに)が詰まるので掃除が面倒だったそうです。羅宇の掃除を専門にする職業もあったようで、落語にも登場します。