ずーみんのはがき絵七十二候

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はがき絵いろはうた2周目(その11) 

2023-08-11 15:57:00 | 日記

 今までに書いたはがき絵をいろは歌に沿って紹介していくシリーズの「二周目」です。現代仮名遣いにない「ゐ」と「ゑ」はとばしましょう。「を」と「ん」で始まるはがき絵もないですねえ。

 二周目の第十一回目、今回は「こ」「え」そして「て」です。

 

 

 

 

『こ』・・・コスモス

 コスモスは漢字で「秋桜」と書きます。山口百恵さんの歌がまず思い浮かぶ年代です。歌詞はさだまさしさんによるものでしたね。書き添えたハングルも「こんな小春日和の穏やかな日は・・・」と、歌詞の一節を書いてみました。「小春日和」に相当する韓国語が見当たらず、「暖かい天気の温和な日」としてあります。

 俳句では「コスモス」は秋の季語、「小春日和」「小春日」は初冬の季語です。晩秋から初冬にかけての穏やかで温かい天候の日を指して言った言葉です。「小春日の席は窓際より埋まる」という句があるように、日当たりのよい窓際の席が心地よく感じられるような時候です。

 

 

 

 

『え』・・・エリンギ

 エリンギは庶民の味方です。きのこ汁になくてはならないキノコのひとつです。栽培種で入手しやすく、スーパーで手ごろな価格で売られています。外来語なので韓国でもエリンギと呼んでいるのですが、焼き肉店などで出されるときは「송이버섯(ソンイポソッ=松茸)」と呼ばれることもあるようです。

 松茸は秋の季語ですが、エリンギは一年を通して出荷されており、季語にはなっていないと思います。レンジでチンして麺つゆをかけただけでおいしい「あて」になります。「今宵はエリンギにて一献」というわけです。

 松茸の絵を描いて「描くのは松茸 食べるのはエリンギ」と書き添えた私のはがき絵作品もあります。

 

 

 

 

『て』・・・点滴

 何年前になりますか、入院して手術を受けたことがあります。消化器系の疾患だったので、手術後もなかなか物が食べられず、点滴で栄養を取っていました。食いしん坊の私としてはなかなかにつらい日々でした。書き添えたハングルは「口から物を食べることができる幸せ」です。

 「点滴」は当然ながら俳句の季語ではありませんが、夏の季語に「滴り」というのがありますね。ちなみに私が手術を受けたのは2月でした。


はがき絵いろはうた2周目(その10)

2023-07-29 23:20:57 | 日記

 今までに書いたはがき絵をいろは歌に沿って紹介していくシリーズの「二周目」です。現代仮名遣いにない「ゐ」と「ゑ」はとばしましょう。「を」と「ん」で始まるはがき絵もおそらく見つからないと思われます。

 二周目の第十回目、今回は「ま」「け」そして「ふ」です。

 

 

 

 

『ま』・・・万願寺唐辛子(まんがんじとうがらし)

 万願寺唐辛子は京都府舞鶴市万願寺地区にある西紫雲山不動院満願寺に由来す 開基弁円上人の心願満つるが故に寺号を満願寺と号し 万人の願いを聞き届ける寺として万願寺とも称す

 万願寺唐辛子の由来を書き記しました。俳句では「唐辛子」は秋の季語、「唐辛子の花」なら夏の季語となります。「青唐辛子」が夏の季語になっているので、万願寺唐辛子もこの辺りに属するのかもしれません。「万願寺唐辛子は春の京野菜」と書いてあるサイトも見つけました。スーパーで売られているのは夏かな、という印象です。けっこう出荷時期は長いのかもしれません。辛みは全くなく、ほんのりとした甘みもある甘味唐辛子です。焼いたり炒めたり炊いたりしていただくほかに、生で味噌などをちょいとつけていただくこともできます。

 

 

 

 

『け』・・・けん玉

 けん玉の絵を描いて「技を磨く」とハングルで書き添えました。「韓国語翻訳」というワードで検索すると、簡単に翻訳してくれるところが見つかります。日本語を入力すると即座に韓国語に直してくれます。日本語で「技を磨く」と入力すると、韓国語で「기술을 연마한다」と出ました。「技術を錬磨する」と、ちょっと堅苦しい表現になっています。

 「独楽」「凧揚げ」「羽子板」など、季語になっている遊びもありますが、「けん玉」は季語ではありません。けん玉を俳句に読むときは何かほかの季語と組み合わせる必要があります。

 

 

 

 

『ふ』・・・ふきのとう

 フキノトウにオスとメスがあるのをご存じでしょうか。オスは黄色い花、メスは白い花が咲きます。この絵はオスです。オスの方がやわらかくて苦みが少ないです。メスは苦みが強く、オスよりもややしっかりした歯ごたえがあります。

 「ものすごく濃い味噌汁を作って水分を飛ばしてしまう感じにするとうまくいきました。」と、「ふきのとう味噌」を作るときの「こつ」を書き添えてあります。ほろ苦さを味わう大人の味です。苦みやえぐみ、あくが強いのは動物に食べられないための戦略だと思われますが、人間はいろいろ工夫して春の恵みをいただきます。

 雪どけを待っていたかのように地上に顔を出すフキノトウは早春の季語です。


はがき絵いろはうた2周目(その9)

2023-07-29 11:44:59 | 日記

 今までに書いたはがき絵をいろは歌に沿って紹介していくシリーズの「二周目」です。現代仮名遣いにない「ゐ」と「ゑ」はとばしましょう。「を」と「ん」で始まるはがき絵もおそらく見つからないと思われます。

 二周目の第九回目、今回は「お」「く」そして「や」です。

 

 

 

 

 『お』・・・万年青(おもと)の実

 「万年青の実」は秋に実ります。青い実が秋が深まるにつれて深紅に熟していくので、俳句では晩秋の季語となっています。深い緑色で光沢がある葉と鈴なりの深紅の実の取り合わせがいかにもおめでたい感じがします。

 家を引っ越すときにも万年青の鉢植えは必ず持って行くとか、引っ越し祝いに贈ることがあるとか、引っ越しの縁起物のようです。特に引越しの日が吉日にあたらない時に、万年青だけを吉日に前もって運んでおくとよいと言われていますから、かなりの縁起ものであると言えそうです。

 

 

 

 

 『く』・・・くいだおれ太郎

 大阪 道頓堀にあった飲食店の看板人形である「くいだおれ太郎」を描きました。「彼は今どこにいるのだろう・・・」とハングルで書き添えました。「くいだおれ」という飲食店が店を閉めたため、当然この「くいだおれ太郎」も姿を消しました。今どこにいるのでしょうか。

 同様に大阪 新世界にあったふぐ料理店「づぼらや」が閉店したため、あの有名なふぐの形の提灯看板もなくなってしまいました。残念でさびしいことです。道頓堀の「かに道楽」の動くカニの看板は今でも健在です。

 道頓堀にド派手な看板が多いのは、かつて芝居小屋が並んでいたためだそうです。客引きのために劇場の前に飾られていた人形看板がその発祥ではないかと言われています。芝居の一場面を人形で表したもので、往来の人の目を引き、入場して芝居見物がしたいなと思わせるものだったのでしょう。

 

 

 

 

 『や』・・・やどかり

 「今日はヤドカリの話をしようか?」というハングルとともに、ヤドカリの絵を描きました。

 ヤドカリは漢字で「寄居虫」と書きます。「ごうな」とも呼ぶそうです。俳句では春の季語です。私の知り合いの三重県民は「ゴナ」と短く発音しています。

 彼に言わせるとこの絵の「ゴナ」は「鬼ゴナ」という種類なんだそうです。茹でて食べることもあるそうです。その彼から興味深い話を聞きました。この「鬼ゴナ」を茹でて食べた後、他のものを食べると、味が変わるというのです。特にワサビやからしなどの辛さを感じなくなると言っていました。彼は「甘くなる」と表現していましたが、よく聞いてみると「甘くなる」というよりは、「辛さを感じなくなる」というのが近そうです。ぜひ一度、試してみたいものです。


はがき絵いろはうた2周目(その8)

2023-07-16 07:28:50 | 日記

 今までに書いたはがき絵をいろは歌に沿って紹介していくシリーズの「二周目」です。現代仮名遣いにない「ゐ」と「ゑ」はとばしましょう。「を」と「ん」で始まるはがき絵もおそらく見つからないと思われます。

 二周目の第八回目、今回は「む」「う」そして「ゐ」をとばして「の」です。

 

 

『む』・・・ムツゴロウ

 干潟に住む魚、ムツゴロウを描きました。オス同士が大きな口を開けて威嚇しあっているところです。胸びれで干潟を這いまわる姿がユーモラスでもあります。日本では有明海の干潟で干満差を利用しての「むつ掛け漁」が有名です。俳句で「鯥五郎」は春の季語です。「むつ飛ぶ」「むつ掘る」「むつ掛け」なども傍題となっておるようです。

 ムツゴロウを韓国語では짱뚱어(チャントゥンオ)と言います。全羅南道の順天湾(スンチョン湾)というところにも大きな干潟が発達していて、ムツゴロウやトビハゼ、ベンケイガニやアシハラガ二、シオマネキ、オサガニなど、干潟特有の生き物がたくさん見られます。全羅南道の順天市は友人のパラム氏やN先輩が留学していたところでもあり、何度も行ったことがあります。順天湾の干潟にも何度も訪れています。

 書き添えたハングルは「順天に行きたいけど・・・」です。

 

 

 

 

『う』・・・鵜

 鵜飼に使われる鵜を描きました。鵜にはウミウとカワウがおり、鵜飼に使われるのはウミウです。野生のものを捕まえて飼いならし、鵜飼ができるように仕込むのだそうです。日本伝統の漁のように思っていましたが、中国発祥で日本に伝来したのだそう。奈良時代から行われていると知って驚きました。

 「おもしろうてやがて悲しき鵜舟かな」という芭蕉の句が有名ですね。「鵜飼」は俳句では夏の季語です。「鵜舟」「鵜匠」「鵜篝」「鵜飼火」「鵜松明」などの傍題があります。「秋の鵜飼」という季語もあります。

 「Mambo!」と書き添えました。ちなみにこの絵を描くずーっと前に、マンボウの絵を「ゴリゴリ水切り絵」という技法で描き、「うっ!」と書き添えた作品もあります。「鵜」に「Mambo」、「マンボウ」に「うっ!」という取り合わせですが、お分かりになるでしょうか。

 

 

 

 

『ゐ』・・・1周目は「ゐのしし」を描いた亥年の年賀状でごまかしましたがもうネタ切れです。降参して次に進みます。

 

 

 

 

『の』・・・ノビル

 ノビルは漢字では野蒜でしょう。春の季語です。「野蒜摘む」などの傍題もあります。私も以前はよく掘り取ってきて食したものですが、そんなことを忘れてしまっておりました。最近、道の駅で売られているのを見つけました。懐かしくて買ってきて、おいしくいただきました。サッとゆでて(湯を通すぐらいでよい)酢味噌でいただくのが上々です。お酒が欲しくなります。もちろんお酒もいただきます。

 

 


はがき絵いろはうた2周目(その7)

2023-07-02 01:09:22 | 日記

 今までに書いたはがき絵をいろは歌に沿って紹介していくシリーズの「二周目」です。現代仮名遣いにない「ゐ」と「ゑ」はとばしましょう。「を」と「ん」で始まるはがき絵もおそらく見つからないと思われます。

 二周目の第七回目、今回は「ね」「な」そして「ら」です。

 

 

 

 

 

『ね』・・・ネギ坊主

 

 

 ネギ坊主を描いてハングルで「穀雨」と書き添えました。穀雨は二十四節気のひとつ、立春から数えて六番目です。だいたい4月20日ごろから5月4日ごろでしょうか。晩春ですね。「夏も近づく八十八夜」と歌われるように、お茶農家では立春から88日目に初摘みをする習わしがあります。「八十八夜の別れ霜」と言われるように遅霜に注意が必要ですが、これ以降は霜の被害はまずなくなります。各種の種をまいたり、苗を植えたりするのにもよい時候です。

 ネギ坊主はネギの花にあたる部分です。俳句では晩春の季語です。ネギ坊主一つが一つの花なのではなくて、小さな六弁の花が球状に集まって咲いています。ネギ坊主とはその姿をよくあらわした言葉です。ネギ坊主は天ぷらや味噌汁にするとおいしくいただくことができます。生け花に使われるアリウム・ギガンジュームなどもよく見ると小さな六弁花の集合体で、巨大なネギ坊主であることがわかります。

 

 

 

 

 

『な』・・・ナイフ

 

 

 アーミーナイフとか十得ナイフとか呼ばれるナイフの絵を描いて、ハングルで「八方美人」と書き添えました。日本で八方美人と言いますとあまりいい意味には使われませんね。誰にでも愛想よくふるまう人を皮肉として使われることが多いです。もともとの意味は「どの方向から見ても欠点のない美人」「いろいろな才能の持ち主」といったプラスの意味だったはずなのですが・・・韓国では八方美人は誉め言葉です。本来の意味で使われています。

 ところで私もこんなナイフを持っていて、普段はめったに使わないのに、海外旅行に出かけた時に重宝したことを思い出します。市場で買ってきた果物の皮をむいたり、栓抜きや缶切りとしてもよく使いました。今のようにプルトップが付いていなくて、缶詰は缶切りがないと開けることができなかったものです。

 

 

 

 

 

『ら』・・・ラムネ

 

 

 ずいぶん前の話になりますが、知人からラムネ菓子を少しいただいて「抽選が当たってやっと買えた」と聞いて不思議に思ったことがあります。私は知らなかったのですが、奈良県生駒市のイコマ製菓で作っている「レインボーラムネ」という商品ががえらい人気で、はがきを送って抽選で当たった人しか買えないんだそう。そう聞いて食べると特別おいしいような気がしました。自分でも購入したくなって、翌年の抽選に応募してみましたが結果は「はずれ」でした。聞けば知人もはずれたとのこと。そこでこの絵を描いて送ったというわけです。このラムネは現在も大人気で、ふるさと納税の返礼品になっていたりもするようです。

 「ラムネ 季語」で検索してみました。冷たく冷やした炭酸飲料としての「ラムネ」は夏の季語ですが「ラムネ菓子」を季語として用いた句は見当たりませんでした。ラムネ菓子にもひんやりとした清涼感があるのですが、やはり通年のものなのでしょう。