七十二侯中第四十五侯「玄鳥去(つばめさる)」という字をデザインして書きました。春先にやってきた燕たちが子育てを終え、このころから暖かい南の地へと徐々に旅立っていく、そんな季節の訪れを表した言葉なのでしょう。燕は昔から季節の移ろいを知らせてくれる鳥として親しまれてきました。子どものころ、我が家の軒下にも燕が巣をかけてくれていました。遠い南の国から苦労をしてやってきているのだから、いじめたりしてはいけないよと教えられました。我が家には巣が一つだけでしたが、近所の銭湯にはたくさんの巣があり、ちょっとうらやましかったものです。
七十二侯においては9月18日から9月22日までをさします。
画面を黒く塗りつぶして、白で文字を書いています。「かすれ」や「にじみ」「墨はね」などを後から書き加えることができるのが楽しいです。紙に筆で書いたのでは線を後から消したり、細くしたり、かすれさせたりという「引き算」は絶対にできませんので、この自由さを楽しんでデザインしています。
色ももっと自由に使えるのですが、今のところ白と黒の構成だけにして、赤いハンコを添えています。ハンコも描いているのですよ。