ずーみんのはがき絵七十二候

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はがき絵いろはうた2周目(その10)

2023-07-29 23:20:57 | 日記

 今までに書いたはがき絵をいろは歌に沿って紹介していくシリーズの「二周目」です。現代仮名遣いにない「ゐ」と「ゑ」はとばしましょう。「を」と「ん」で始まるはがき絵もおそらく見つからないと思われます。

 二周目の第十回目、今回は「ま」「け」そして「ふ」です。

 

 

 

 

『ま』・・・万願寺唐辛子(まんがんじとうがらし)

 万願寺唐辛子は京都府舞鶴市万願寺地区にある西紫雲山不動院満願寺に由来す 開基弁円上人の心願満つるが故に寺号を満願寺と号し 万人の願いを聞き届ける寺として万願寺とも称す

 万願寺唐辛子の由来を書き記しました。俳句では「唐辛子」は秋の季語、「唐辛子の花」なら夏の季語となります。「青唐辛子」が夏の季語になっているので、万願寺唐辛子もこの辺りに属するのかもしれません。「万願寺唐辛子は春の京野菜」と書いてあるサイトも見つけました。スーパーで売られているのは夏かな、という印象です。けっこう出荷時期は長いのかもしれません。辛みは全くなく、ほんのりとした甘みもある甘味唐辛子です。焼いたり炒めたり炊いたりしていただくほかに、生で味噌などをちょいとつけていただくこともできます。

 

 

 

 

『け』・・・けん玉

 けん玉の絵を描いて「技を磨く」とハングルで書き添えました。「韓国語翻訳」というワードで検索すると、簡単に翻訳してくれるところが見つかります。日本語を入力すると即座に韓国語に直してくれます。日本語で「技を磨く」と入力すると、韓国語で「기술을 연마한다」と出ました。「技術を錬磨する」と、ちょっと堅苦しい表現になっています。

 「独楽」「凧揚げ」「羽子板」など、季語になっている遊びもありますが、「けん玉」は季語ではありません。けん玉を俳句に読むときは何かほかの季語と組み合わせる必要があります。

 

 

 

 

『ふ』・・・ふきのとう

 フキノトウにオスとメスがあるのをご存じでしょうか。オスは黄色い花、メスは白い花が咲きます。この絵はオスです。オスの方がやわらかくて苦みが少ないです。メスは苦みが強く、オスよりもややしっかりした歯ごたえがあります。

 「ものすごく濃い味噌汁を作って水分を飛ばしてしまう感じにするとうまくいきました。」と、「ふきのとう味噌」を作るときの「こつ」を書き添えてあります。ほろ苦さを味わう大人の味です。苦みやえぐみ、あくが強いのは動物に食べられないための戦略だと思われますが、人間はいろいろ工夫して春の恵みをいただきます。

 雪どけを待っていたかのように地上に顔を出すフキノトウは早春の季語です。


はがき絵いろはうた2周目(その9)

2023-07-29 11:44:59 | 日記

 今までに書いたはがき絵をいろは歌に沿って紹介していくシリーズの「二周目」です。現代仮名遣いにない「ゐ」と「ゑ」はとばしましょう。「を」と「ん」で始まるはがき絵もおそらく見つからないと思われます。

 二周目の第九回目、今回は「お」「く」そして「や」です。

 

 

 

 

 『お』・・・万年青(おもと)の実

 「万年青の実」は秋に実ります。青い実が秋が深まるにつれて深紅に熟していくので、俳句では晩秋の季語となっています。深い緑色で光沢がある葉と鈴なりの深紅の実の取り合わせがいかにもおめでたい感じがします。

 家を引っ越すときにも万年青の鉢植えは必ず持って行くとか、引っ越し祝いに贈ることがあるとか、引っ越しの縁起物のようです。特に引越しの日が吉日にあたらない時に、万年青だけを吉日に前もって運んでおくとよいと言われていますから、かなりの縁起ものであると言えそうです。

 

 

 

 

 『く』・・・くいだおれ太郎

 大阪 道頓堀にあった飲食店の看板人形である「くいだおれ太郎」を描きました。「彼は今どこにいるのだろう・・・」とハングルで書き添えました。「くいだおれ」という飲食店が店を閉めたため、当然この「くいだおれ太郎」も姿を消しました。今どこにいるのでしょうか。

 同様に大阪 新世界にあったふぐ料理店「づぼらや」が閉店したため、あの有名なふぐの形の提灯看板もなくなってしまいました。残念でさびしいことです。道頓堀の「かに道楽」の動くカニの看板は今でも健在です。

 道頓堀にド派手な看板が多いのは、かつて芝居小屋が並んでいたためだそうです。客引きのために劇場の前に飾られていた人形看板がその発祥ではないかと言われています。芝居の一場面を人形で表したもので、往来の人の目を引き、入場して芝居見物がしたいなと思わせるものだったのでしょう。

 

 

 

 

 『や』・・・やどかり

 「今日はヤドカリの話をしようか?」というハングルとともに、ヤドカリの絵を描きました。

 ヤドカリは漢字で「寄居虫」と書きます。「ごうな」とも呼ぶそうです。俳句では春の季語です。私の知り合いの三重県民は「ゴナ」と短く発音しています。

 彼に言わせるとこの絵の「ゴナ」は「鬼ゴナ」という種類なんだそうです。茹でて食べることもあるそうです。その彼から興味深い話を聞きました。この「鬼ゴナ」を茹でて食べた後、他のものを食べると、味が変わるというのです。特にワサビやからしなどの辛さを感じなくなると言っていました。彼は「甘くなる」と表現していましたが、よく聞いてみると「甘くなる」というよりは、「辛さを感じなくなる」というのが近そうです。ぜひ一度、試してみたいものです。