小説家、精神科医、空手家、浅野浩二のブログ

小説家、精神科医、空手家の浅野浩二が小説、医療、病気、文学論、日常の雑感について書きます。

漫画家の線

2016-01-07 20:00:25 | 考察文
クセに関して言うと。

漫画家、(特に、劇画家)は、初めの頃は、絵の線が、ソフトなのだが、三年、四年、くらいすると、だんだん、輪郭が、はっきりしてくる絵になる。

これは、もう、80%以上、当てはまる法則である。

「巨人の星」の、川崎のぼる、「愛と誠」の、ながやす巧、「ドーベルマン刑事」の、平松伸二、あるいは、「進めパイレーツ」の江口寿史、その他、ほとんどの、漫画家は、デビューして、四年くらいすると、絵の輪郭が、クッキリしてくる。

そして、絵の輪郭が、くっきりしてきて、絵が、上手くなるのなら、いいのだが、初めの頃の、ソフトな絵の方が、良く、四年くらい描いていて、絵の輪郭が、くっきり、してくると、絵が、(極端に言うと)グロテスクにさえ、なってくる。

そして、そうなったら、もう、最初の頃の、ソフトな絵は、描けなくなる。

これは、明らかに、上達ではなく、クセである。

全ての、漫画家は、描いているうちに、絵の輪郭が、硬くなってくる、宿命をもっている。

なぜ、そうなるのか、その原理は、わからない。

ただ、手塚治虫、とか、石ノ森章太郎、とか、非常に幼少の頃から、描いている漫画家は、この、「描いているうちに輪郭が硬くなる」、漫画家の宿命から、のがれられている。

  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

クセも技術である

2016-01-07 04:25:37 | 武道・スポーツ
クセも技術である。

人間には、病気において、自然治癒力があるように、運動には、自然上達力なるものが、あるのである。それは、同じ運動の、反復練習によって、脳にシナプス結合ができるからである。だから、本当は、指導者とか、コーチなんて物は、いらないのである。絶対、守らねばならない原則を教えたら、(あるいは、自分で調べたら)もう、後は、根気よい、反復練習あるのみなのである。それは、技術が上達して、未熟な技術が、上達していって、技術の基本が、ちゃんと完全のレベルまで出来上がるまでの過程の話である。
(なので、それ以上、の、世界を目指す、スポーツ競技においては、筋力の強化とか、チームスポーツでの、作戦とか、コーチが全く不要である、とは、必ずしも言えない)
さて、技術というものは、反復練習によって、上達していくものであり、基本の技術が、完全に身についたら、あとは、練習しても、もう何も起こらないのである。

それは、プラモデルを作る、例でたとえると。プラモデルでは、完成させるまでに、色々と、作業が必要である。(だか、プラモデルは、作り上げるまでが、楽しいのであって、出来上がったプラモデルを見ていても、何も面白くないのである)
しかし、出来上がったプラモデルは、もう、それ以上、何もすることは、ないのである。あとは、ただ、飾っておくだけなのである。
(だが、出来上がったプラモデルを見ていても、面白くなく、かえって、イライラしてきて、ぶっ壊す、か、捨てる、だけである)

アマチュアのスポーツに於いては、反復練習して、技術が、完全に出来上がったら、あとは、もう何も起こらない。

ただ、それでも、続けていく意義はある。
それは、技術は、一度、完全のレベルに達したら、もう、あとは、何の変化も、進歩も、ないが、続けることによって、筋力、持久力、などの、基礎体力の訓練には、なるのである。
つまり、ランニングや、筋トレをして、体を鍛えてもいいが、身についた、スポーツを、定期的に、することで、筋力、持久力、などを鍛え、そして維持する、基礎体力の訓練になるからだ。私は、それに、スポーツをする意味があると思っている。
まあ、一つのスポーツを極めたら、次は、別のスポーツに、挑戦しようと、思っている人の方が、面白いと、思っているが。

さて、一つのスポーツの基本技術を完全に、マスターしてしまうと、それで安泰か、というと、そうではないのである。
プロでも、アマチュアでも、出来るようになったスポーツを、続けていると、悪いクセが、身についてしまい、今まで出来たことが、出来なくなる、ということが、起こることが、あるのである。
アマチュアなら、それほど、問題ではないが、(最も、アマチュアでも、出来なくなると、困るが)。
しかし、プロとなると、大問題である。
なんせ、プロスポーツ選手は、悪いクセがついて、成績が悪くなったら、年俸一億のスター選手が、一転して、戦力外通告(クビ)となるから、天国から地獄となるからだ。
なぜ、悪いクセが身につくか、というと、これも、長い期間、反復運動したことによって、あるシナプス結合が、出来上がった結果なのである。
初心者が、上級者になるために行う、反復練習と、同じなのである。
だから、一度、出来た、悪いクセ、というものは、簡単には、とれてくれないのである。
では、どうしたら、悪いクセを、直せるか。
それは、各個人によって、違い、私にも、わからない。
こうすればいい、という、決まった方法も、教科書も、ないのである。
そのまま、何も考えないで、続けていれば、直る、ということも、まれには、あるだろうが、その逆に、ますます、悪いクセが、定着してしまう、ということもある。

それを直すには。

本を読み、ビデオで自分のフォームを見て、コーチにアドバイスを求め、自分で、悪いクセがついた原因を考え、これが原因だ、と思う点を、矯正して、そして、反復練習するしか、ない。
悪いクセが、直ってくれるのにも、そうとうの反復練習による訓練しかない。
しかし、悪いクセの原因や、フォームが改善するように、と思って、それを反復練習しても、それで、直ってくれる、という保証などない。悪いクセの原因を、見誤ったか、こうすれば、直るのでは、と思って、実行した、改良のための反復練習が、正解だった、という保証などないからである。
要は、そこで、あきらめてしまうか、それとも、さらに、考察して、続けるか、の問題となる。

  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする