モウズイカの裏庭2

秋田在・リタイア老人の花と山歩きの記録です。

初めての鳥海山千畳ヶ原。2(2019年9月21日)

2020年09月27日 | 鳥海山/千畳ヶ原

(本頁は「9月21日は鳥海山千畳ヶ原へ。1」の続きです。)


千畳ヶ原の端っこと思われる場所からは庄内平野がよく見渡せた。

今、稲田は黄金真っ盛りで、それを眺めるのに、千畳ヶ原は距離も角度もベストな場所だと思った。




海岸線に突き出しているのは酒田港だろうか。
こちらの海岸には今のところ風車は見当たらない。




帰途につくと、草原越しに笙ヶ岳や鳥の海など西鳥海の山々の眺めが好かった。

いずれも森林限界を超え、丈の有る樹木が無いせいか、高い山のように感じられる(実際の標高差は200m程度)。




笙ヶ岳をクローズアップ。

左から笙ヶ岳、二峰、三峰。


 

鳥の海火山(仮称)も。

鳥の海を囲む山々。左側のごついのは鍋森。
 



千畳ヶ原を見終わって帰ろうとしたら、二ノ滝コースT字分岐で休んでおられた方々から声をかけられた。

山形からお出でのMさんとT子さんだった。今日はfbで縁のある方々とよく出会うものだ。
いつも単独行の私には珍しく、鳥の海まで高山植物の残り花を愛でながらご一緒することにした。

鳥の海(鳥海湖)へ戻る道。中ほどの溶岩ドームは扇子森。

 


斜面を登ると、あっという間に鳥の海。

ここからはしばらくお隠れになっていた新山など山頂部がまた見えるようになっていた。

鳥海山の山頂部

 



鳥の海と鳥海山本体 



鳥の海で先のお二方と別れた途端、珍しく携帯が鳴った。

家内から、「鳥海山で登山者がクマに襲われたとローカルニュースに流れた。大丈夫か。」との内容。
後で確認したら、猿倉コース(登る人は稀)で70歳台の男性登山者が襲われ、軽傷を負ったとのことだった。
今年はクマの出没が異常に多い年だが、人が襲われるのは人里やタケノコ採りなどで運悪く鉢合わせになった時など。
登山シーンでは遭遇しても襲われることはないと思っていたが、それは私自身の勝手な思い込みにすぎなかった。
とてもショックだった。自身のクマ対策も根本から見直ししなければならない。

鳥の海にお暇し、長坂道の稜線から。

笙ヶ岳方面の眺め。
 



鳥海山本体と鍋森。
 



以上、(山岳)風景ばかり羅列したが、

この先は今回見かけた残り花や草紅葉を羅列してみる。


シロバナトウウチソウ
穂花の色は通常、薄汚れた白だが、鳥海山ではこのように赤みの強い株も見かける。


 

チングルマの紅葉                                                                                           コウメバチソウだろうか。
 
 


ミヤマアキノキリンソウ(コガネギク)                                                                    ミヤマリンドウ
 


ハクサンイチゲの残り花。
 



ホソバイワベンケイの草紅葉                                                                               キンコウカの草紅葉

 



シラネニンジン                                                                                              ハクサンボウフウ
 


ハクサンボウフウは鳥海山では左のシラネニンジンと混生していた。
葉の形で識別するしかない。 


エゾオヤマリンドウ




ウサギギク                                                                                                      ハクサンシャジン(タカネツリガネニンジン)
 



ヤマハハコ




ウゴアザミ                                                                                                       チョウカイアザミ 
 



今回は紅葉がまだ進んでいないせいもあろうが、残り花が意外に多かった。


以上。



コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

初めての鳥海山千畳ヶ原。1(2019年9月21日)

2020年09月25日 | 鳥海山/千畳ヶ原

本記事は自ホームページの旧記事をブログ用にリメイクしたものである。

千畳ヶ原は鳥海山の南西斜面、標高1400~1500m付近にある。
遠目には毛布を引いたような草原が広がっており、出来るなら行って寝転んでみたい気分になってしまう。
ここには昨年秋、山形側の滝の小屋から向かったが、
悪天候と幸治郎沢の難所に阻まれ、撤退している(記録頁はこちら)。

そのリベンジで今年は北側の鳥の海(鳥海湖)方面からアプローチしてみた。

御田ヶ原から見た千畳ヶ原。



未明に秋田市自宅を出発したものの、鉾立に到着寸前で、(´π`;)登山用靴下を忘れたことに気付いた。
仕方ないので下界の象潟まで引き返し、コンビニで靴下を調達、二枚重ね履きで対応。
よって鉾立からの登山開始は6時丁度となってしまった。

初めは鉾立ルートを歩き、賽の河原から踏み跡を辿って、吹浦ルートの河原宿に出る。そこから長坂道の稜線を目指す。
千畳ヶ原には長坂道の稜線から鳥の海を掠めて斜面を下ればほどなく到着するが、
今回は長坂道を御浜まで進み、鉾立ルートに再合流、御田ヶ原を越えたところで下降を開始して千畳ヶ原をめざすことにした。
こんな回り道をしたのは、御浜稜線から鳥海山や鳥の海の素晴らしい景色を眺めたかったからに他ならない。

今回の非合法マップ



この日の天気は高曇りで鉾立からも鳥海山はよく見えたが、まだ紅葉していない。


鉾立から見た奈曽渓谷と鳥海山本体 




賽の河原の手前から来し方を振り返る。

秋田の海岸線は優美なラインを描いているが、風車が多くなったのに驚く。
裁縫の待ち針をイッパイ刺してるようで痛々しく感じるのは私だけか。

秋田湾と遠く白神山地。右奥に尖がっているのは岩木山。 



長坂道との出会い地点に到着。
前山に隠れていた鳥海山本体がここでまた姿を現わす。

長坂道T字分岐から鳥海山を望む。


 

長坂道の稜線道を進むと、鳥の海(鳥海湖)が足下に見えてくる。

長坂道から鳥海山本体と鳥の海(鳥海湖)

 


今日は南に月山や朝日連峰もよく見える。

長坂道から月山。
 



長坂道から朝日連峰。
左側の高いのは大朝日岳、右側のどっしりしたのは以東岳。



御浜の定番風景。

御浜から鳥の海(鳥海湖)と鍋森、奥に庄内平野、日本海。
 



鍋森をクローズアップ。
 



北側を望むと、どっしりと稲倉岳。

稲倉岳と秋田湾。左奥に見えるのは男鹿半島。
 



北東方向には・・・

北東方向、秋田駒ヶ岳と岩手山。

 


扇子森への登りから、今一度、鳥の海方面を。




御田ヶ原から望む鳥海山本体は迫力満点。

御田ヶ原から鳥海山本体を望む。
 



今回、わざわざ御浜や御田ヶ原まで行ったのは、これらの風景を眺めたかったからに他ならない。

ところで、千畳ヶ原はいったいどこに有るのか。
御田ヶ原まで行くと、それは右手、南の方角に見えて来るが、思ったほど紅葉してなかった。

御田ヶ原から千畳ヶ原方面を望む。バックに支峰の月山森、その後方に月山が重なって見える。



御田ヶ原の分岐点で他の登山者の流れから離れ、独り下り道に入る。

御田ヶ原分岐点からの下り道。向こうに見えるのは鍋森と笙ヶ岳の重なり。



ひとしきり下って、来し方を振り返ると・・・

御田ヶ原分岐点からの下り道から鳥海山本体。
 



鳥海湖からの道との合流点(鳥の海分岐)と鍋森。




月山森と千畳ヶ原方面を望む。




鳥の海(鳥海湖)からの道と合流した後、少し急な斜面を下ると荒々しい蛇石流(じゃいしながれ)の河原に着く。

河原で万助道が分かれるが、そちらには行かず、黄ペンキ矢印に従い、千畳ヶ原と書かれている方に行く。

蛇石流の河原、万助道分岐箇所。



蛇石流を渡る。                                                                          続く木道。

 
 


河原を渡り、続く木道を登って行く。さらに木道を進むと、今度は二ノ滝コースの分岐に出る。

その後、ほどなくして左側に池塘が。
標識も何も無いが、どうやらこの辺りが千畳ヶ原の中心部のようだ。

バックは鳥の海を囲む山。
 



バックは鳥海山本体外輪山。

 



なおここで、Y 氏(fb友)と出会った。

氏は鳥海山をテーマにめっぽう素晴らしい写真を撮られる御方で、その技法やポイント選定などいつも勉強させてもらっている。

この先はどうなっているのだろう。

バックは鳥海山本体外輪山。
 



期待していた草紅葉は・・・まだ少し早かった。

またもや涸れ川を渡る。

クロ沢?

 


渡った先には、幸治郎沢と月山森が立ちはだかっていた。

幸治郎沢は鳥海山一般コースの中では難所中の難所、滑落事故もよくあると聞いている。
月山森の緩い場所などを迂回するルートは出来ないものだろうか。
今回はここで終点、折り返しとする。

幸治郎沢と月山森
 



初めての鳥海山千畳ヶ原。2」へ続く。


コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

晩夏の千畳ヶ原・帰り途。(2020年8月18日)

2020年08月26日 | 鳥海山/千畳ヶ原

(本頁は「ある花を見たくて晩夏の(鳥海山)千畳ヶ原へ。」の続きです。)

千畳ヶ原からの帰途、新しい滝を見つけた。
場所は鳥の海から千畳ヶ原に下る途中に渡る蛇石流れ(じゃいしながれ)。

千畳ヶ原から扇子森方面を望むと麓に小さく白い縦筋が見えた。



蛇石流れの渡渉点から望む。                                                                      更に近づく。
 


正面から。



滝の落差は10m程度とちっこいが、堂々としている。
今まで何度も通っているのに何故気付かなかったんだろう。

たぶん17日までの長雨で蛇石流れの水量が増え、一時的に見えるようになったものと推測した

蛇石流れの更に上流にも滝が現れていた。







帰りに掠めた鳥の海だが、今回は水の色がいつもと違っていた。



濃いブルーとグリーン。
前者は天空の色を反映したものだが、後者は水底の草の色のようだ。
こんな高所の火口湖に水草は生えないので、これはイワイチョウやシロバナトウウチソウなどの高山植物の葉だ(以前、調査済み)。







 








先の新しい滝と同様、長雨の影響で
湖の水位が上昇したため、沈水したものと思われる。

同じ景色を見た別の方は「南の国の海の色のようだ。」と仰ってた。

今日は雲に邪魔されて鳥の海越しの鳥海山は望めなかった。




最後に帰りに通った長坂道稜線や河原宿で見かけた花たちを。


オクキタアザミ




オクキタアザミ                                                                                       トウゲブキ

 



ハクサンシャジン




以上。



コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

ある花を見たくて晩夏の(鳥海山)千畳ヶ原へ。(2020年8月18日)

2020年08月25日 | 鳥海山/千畳ヶ原

(本頁は「晩夏の鳥海山には何が咲く。」の続きです。)

今回も前回、前々回同様、千畳ヶ原に行ってみた。そろそろ「ある花」が咲いていることだろう。


鳥の海分岐から千畳ヶ原方面を望む。



今回の非合法マップ



鳥ノ海分岐から蛇石流分岐に下りるまでの斜面は花がわりと豊富だった。

ウサギギク



ここにもミヤマリンドウ                                                                   
ヨツバシオガマが今頃!!
 



ハクサンボウフウの群生



この斜面、下から見るとこう




なのだが、7月30日は下写真のように雪が残っていた。

2020/07/30



この場所は雪消えが遅いせいか御浜あたりではとっくに終わった花が今頃咲いていた。

蛇石流れ(じゃいしながれ)の渓谷を渡渉すると、いよいよ千畳ヶ原が始まる。
いつも思うのだが、この草原、茫漠としていてどこが中心なのかよくわからない。

 





T字分岐を望む。バックは月山森。







来し方を振り返ると・・・

バックの山は鍋森火山。その右後に鳥の海や御浜がある。



奥の方に行くと・・・




このモフモフ感がたまらなく好い。




千畳ヶ原で咲いていた花たち。

イワショウブ



コバギボウシ                                                                                                ハクサンフウロ

 



草原を横切る涸れ川の畔にはチョウカイアザミが歩哨のように立っていた。




渓流の縁で、ダイモンジソウやチョウジギクが咲き出していた。

ミヤマダイモンジソウ?                         チョウジギク
 


チョウジギク



この菊、実にユニークな花姿をしているが、冒頭の方で登場しているウサギギクの仲間(同属)だ。
あまりにも違う姿なのでにわかには信じがたいが、雑種(ガッサンウサギギク)を形成することもあるそうだ。

ところでタイトルの「ある花」とはミソガワソウ(シソ科)のことだ。
この花は東北では少なく、私自身も以前、八幡平や焼石でちらと見た程度だ。

今年冬、或る御方から、千畳ヶ原にあると教えて頂いた。今シーズン、何度もここに通っているのは
この花を見たかったから。
7月30日はまだ蕾だった。
お盆前頃がベストかなと予想していたが、天候不順で来るのが少し遅くなってしまった。

それでも花は丁度最盛期だった。
ただしお盆期間中の大雨で傷んでいたのは少々残念だったが、比較的傷みの少ないのを選んで撮ってみた。


ミソガワソウ群生



ミソガワソウ                             
ミソガワソウ
 



ミソガワソウは近縁種がイングリッシュガーデンでも使われる。
以前、ピンク系の品種がうちの庭にあった(もちろん園芸店から購入)が、
下界の
暑さには弱いようでひと夏でお亡くなりになられた。やはり山に置け味噌川草なのだろう。


自宅庭のミソガワソウ(2018/06/08)                    ニッコウキスゲ(咲き残り)
 



晩夏の千畳ヶ原・帰り途」へ続く。



コメント (2)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

真夏の鳥海山千畳ヶ原(2020年7月30日)

2020年08月07日 | 鳥海山/千畳ヶ原

(本頁は「真夏の鳥海山、天空の花園へ。後編。」の続きです。)


前回(7月17日)同様、今回も千畳ヶ原に立ち寄ってみた。

御田ヶ原分岐から降下して行くが、今回は雲が途切れなく湧いており、千畳ヶ原は見えなかった。



今回の非合法マップ



途中、ニッコウキスゲのお花畑を通る。




鳥の海分岐から来し方を振り返る。



更に斜面を下り、蛇石流れが近づいたら、千畳ヶ原が見えて来た。



登山道の石組の間にはミヤマツボスミレ。



ベニバナイチゴ                                                                                       モミジカラマツ

 


ここにはカラマツソウも多かった。



カラマツソウ(上)とモミジカラマツ(下)                                                          ミヤマキンポウゲ

 


蛇石流れを渡ると、千畳ヶ原。

 


来し方を振り返ると、鳥の海火山(扇子森)。



千畳ヶ原の中心部付近。バックは鍋森火山。



行く手にニッコウキスゲの群生が見えた。




折角なので群生に近づいてみる。

ニッコウキスゲの群生


ニッコウキスゲの群生



ニッコウキスゲ

 

千畳ヶ原の花の種類は少ないが、今回はちょっと珍しいものに出会った。


ここのトキソウは白花だらけ                                                                 オオバツツジ(ちょっと珍しい)

 


キンコウカは咲き出したばかり。



幸治郎沢の下で或る植物がそろそろ咲いているのではないかと期待して行ってみたが、
残念まだ蕾だった。八月にまた来てみようと思う。

幸治郎沢                                                                                                  或る植物はまだ蕾だった。
 


帰り道は前回同様、鍋森や鳥の海を掠めて行く。


鍋森手前の残雪




涼しさを求めて、残雪に上がってみる。



残雪の下は大きくえぐれていた。端によるととても危険だ。

すぐ近くにはまだ新鮮なイワカガミが。




ウラジロヨウラク



今日は雲が多い日で、稜線から鳥海山の姿を見ることは叶わなかったが、

鳥の海の畔でひと休みしていたら、ホンの数分間だけ、雲か途切れ、その姿を見ることが出来た。







以上。

コメント (6)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする