モウズイカの裏庭2

秋田在・リタイア老人の花と山歩きの記録です。

2024年5月10日、男鹿三山に名花を訪ねて。真山編。

2024年05月20日 | 男鹿半島5月

男鹿毛無山は花の豊富な山だ。
三月はフクジュソウ、四月はカタクリ、そして五月連休明けにはオオサクラソウが咲く。
また三山のひとつ真山に昨年四月下旬に登ったところ、
山頂付近でちょっと気になる花の芽出しを見つけた(こちら)。
5月10日はオオサクラソウと真山のちょっと気になる花の開花を確認しようと思い、
両方の山に登ってみた。

真山から始める。
このお山は花が少ないので今まであまり登っていない。
過去に登ったのは、2017年4月21日2023年4月23日の二回だけ。
今回でやっと三度目だ。
真山の登山は真山神社から始まる。
最初に立派な仁王門をくぐる。







なまはげ柴灯まつり(2月の第2金・土・日に開催)でなまはげ達が下りてくるのはこの石段だ。

この石段を登ると奥に社殿が見えて来る。







登山者は社殿の左側の暗い石段に進まなければならない。

しばし鬱蒼とした老杉並木を通り抜けるが、この坂道はけっこうしんどい。

 


その奥に鎮座する五社殿を過ぎると、普通の登山道に変わる。

 


その後は広大な杉林、雑木林を二回くらい繰り返す。




南の五社堂からのルートとは違い、こちらの登山道沿いに花は少なかった。

それでも目に付いたものを列記してみる。

エンレイソウ(終わり気味)
 


(右上)ルイヨウボタン(終わり気味)

ユキザサ(ちょうど盛り)



ホウチャクソウ

ラショウモンカズラ(終わり気味)



サワハコベ



サルメンエビネ(咲き出したばかり)
 


(右上)ミヤマカラマツ(咲き出したばかり)


キクバオウレン実



真山山頂が近くなったら、急な階段道が現れて来たが、

その両側に白い小花が咲いていた。

 


それはムラサキ科のタチカメバソウだった。
これが山頂まで延々と咲き続けていた。
植物の分布というか生え方は面白いものだ。
何故ならこの花、真山山頂を越えたらパタッと消えた。
本山や毛無山には全く無いのだ。




真山山頂に到着。
ここには真山神社の本殿が鎮座している。

ここは眺めも好いが、
ホントの山頂は50mくらい先、林の中に有った。

真山神社の本殿
 


(右上)真山の山頂


「男鹿三山・・・毛無山編」に続く。

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カテゴリー「男鹿半島5月」の目次

2023年07月19日 | 男鹿半島5月

【カテゴリーごとの目次・頁の作成にあたって】
ブログを始めて二年目になると、いつの間にか記事の数が増え、自分自身でも旧記事を探すのがタイヘンになって来ました。
当初はカテゴリーを細分化して対応しておりましたが、カテゴリーの数は本ブログでは百個まででした。
また私の使用しているテンプレートでは、カテゴリーをクリックして出る「カテゴリーごとのブログ記事一覧」は五個まで表示される設定となっております。
すると、記事数が六個以上あるカテゴリーでは目的の記事を探すのに、記事一覧の最下段、「前ページ」を一~複数回、クリックする必要があります。
もう少し楽に記事を探す方法はないものか。
ブログではあまり例のないことかもしれませんが、カテゴリーごとに目次の頁を作成し、「カテゴリーごとのブログ記事一覧」の先頭に据えることにしました。
というわけで、記事数の多いカテゴリーから徐々に「カテゴリーごとの目次」の頁を作って行きます。
なお新しい記事を加えたら、その都度、目次の頁が先頭に来るようにしなければなりません。
ちょっと面倒ですが、少なくとも今までよりは効率よく記事が探せるようになることでしょう。
冬場は山に行かないので、新ネタ記事は夏場に較べて格段に少なくなります。
しばしの間、「カテゴリーごとの目次」の頁作りを行いますので、どうかご了承お願いいたします。


(記事の配列は訪ねた年に関係なく、月日の順に並べ、降順とした。)


晩春初夏の寒風山ほか(2013年5月21日、6月3日)

春の寒風山に咲く花&アズマギク(2010年5月、6月)

男鹿でヤマシャクヤク他の花見。(2020年5月28日)

男鹿三山で希少ラン他を見た。(2021年5月24日)

雨中の男鹿パトロール。(2020年5月22日)

男鹿でヤマシャクヤクとシャクの海を見た。(2022年5月20日)

2022年も男鹿でオオサクラソウを見た。(5月20日)

男鹿で初めてオオサクラソウを見た。(2017年5月18日)

男鹿の名花、オオサクラソウ。(2020年5月15日)

男鹿のキントリ坂に挑む。(2020年5月15日)

New 若葉の頃、男鹿毛無山へ。(2023年5月11日)

男鹿三山でパトロール2&寒風山(2020年5月8日)

男鹿三山でパトロール1(2020年5月8日)

567退散を祈願し、男鹿五社堂へ。(2020年5月8日)

男鹿毛無山はシソ科がいっぱい。(2021年5月4日)

春の男鹿二山、まずは寒風山。(2021年5月4日)


2020/05/15 オオサクラソウ



2020/05/28 ヤマシャクヤク



以上。


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春の寒風山に咲く花&アズマギク(2010年5月、6月)

2023年07月19日 | 男鹿半島5月

本記事は自ホームページの旧記事をブログ用にリメイクしたものである。


寒風山は秋田の男鹿半島にある小さなお山。標高は355mと低いが、立派な火山である。
山頂展望台まで観光道路が走り、もはや登山の対象にはならないが、とても眺めがよく、
ピクニックやハングライダーで訪れる人も多い。

山の大部分はススキやシバの草原に覆われている。これは草刈りや火入れで維持されている半自然草原で、
日本海側地方では珍しいのではなかろうか。そしてここは草原性植物の宝庫になっている。
中には絶滅危惧種や秋田ではここだけという花も数多く見られる。その割にこの地の植物が話題になることは少ない
(と言うよりも、ほぼ皆無)。

五月の連休明け以降、中下旬に訪ねると、草原の至るところで淡い紫色のキク科に出会う。
(撮影日は2010年5月19日)








 

アズマギク Erigeron thunbergii


一説ではこの地のアズマギク群生は国内でも最大級の規模とのこと。
それは定期的な草刈りや火入れによって維持されてきた。
小さな女の子はデージーに似たこの花を見ると、だまっていられないようだ。本能的に十数本摘み取り、
飽きたらポイと投げ捨てて帰ってしまうのだが、
その程度の干渉で減る花ではない。
とは言っても、花の数や密度は10~20年前の方がもっと凄かった。近年、疎らになった理由はよくわからない。


折角の機会なので、他所で見たアズマギク Erigeron の仲間を少しだけ。 

アポイアズマギク Erigeron thunbergii ssp. glablaratus var. angustifolius
1993/06/12 北海道アポイ岳にて。花数は疎らだった。


アポイアズマギクのアップ。
1993/06/12 北海道アポイ岳にて。
舌状花は白く、葉は細かった。
  


ミヤマアズマギク Erigeron thunbergii ssp. glablaratus

2017/07/20 岩手県早池峰山にて。


ミヤマアズマギク

1990/07/28 白馬岳にて。この山のものは赤味の強いものが多かった。



寒風山に戻る。
(撮影日は2010年5月19日)

これは花か実か。

オキナグサの実姿 

この地ではオキナグサ 絶滅危惧Ⅱ類(VU) も観られる。
しかしその数は少なく、植物体を覆う銀色の毛が枯れた芝生をバックに保護色のようになってしまうので、たいへん見つけにくい。

 


キジムシロ



フデリンドウ                                                                                                   ニオイタチツボスミレ

 


ニオイタチツボスミレの花の径は1センチちょっと。
芳香があると聞くが、強い風で吹き飛ばされるせいか
私は嗅いだ記憶がない。


 


6月上旬にまた寄ってみた。
アズマギクの花もだいぶ衰えてきた。

 

実はタンポポを小ぶりにしたような感じ。
                                                                                                                                            ヒメイズイ
 


この山にはスズランも生えていると聞くが、何回訪ねても出遭えないでいる。

やや似た印象のヒメイズイは豊富にある。

ヒメハギ 


タニウツギ
 


この地のタニウツギは徹底した管理下にあるせいか、丈は低いままで一人前の花を咲かす。

こんなに綺麗な花なのに園芸化されないのは、不思議な感もあるが、秋田ではこの花がやたらと多すぎる。
あまりにもありふれた花だと、わざわざ庭に植えようという気も起こらんのだろう。またこの植物は縁起悪いとか、
過去の飢饉の悲惨なイメージを重ねる人も居る。 

真夏にヤマユリやオガフウロなどが咲き出すまで、この草原はしばし花休み期間に入る。





モウズイカの裏庭(トップ)へ。

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若葉の頃、男鹿毛無山へ。(2023年5月11日)

2023年05月29日 | 男鹿半島5月

男鹿毛無山はマイナーな低山なのに、五月中旬になると登山者が多くなる。
これは男鹿の名花としても知られるオオサクラソウが咲くからだと思う。
今年は季節のペースが早いので、五月上旬に盛りを迎えるとの予測も有ったが、
連休後半は雨に祟られてしまった。

そのため天候が落ち着くのを待って、11日に出かけてみた。

五社堂の石段の両側、樹木の緑はすっかり濃くなり、
先月までいっぱい咲いていた草花は皆終わっていた。

五社堂の石段



今回、最初に見た花はラショウモンカズラの残り花、

次いでウラシマソウ。
あまり気持ちのいい花ではないが、

秋田ではそんなに多くないので、今回はじっくり撮影させてもらった。

ラショウモンカズラ
 
                                              ウラシマソウ


五社堂を過ぎ、本格的なブナ林に入る。

ヤマツツジを除けば、林内に花は少なかった。

ブナの木



チゴユリとマイヅルソウ



ヤマツツジ



ヤマシャクヤクはまだ蕾だったが、イチヨウランは咲き出していた。

ヤマシャクヤクの蕾
 
                                            イチヨウラン


イチヨウラン



オクエゾサイシン
 
                                            ミヤマスミレ


オオサクラソウは毛無山山頂部の遊歩道沿いで咲いている。

今年は花付きがあまり良くないように感じた。

オオサクラソウ






ミヤマカタバミ



ムラサキヤシオ



植物保護のため、立ち入り禁止になっている笹薮に、ばあさん達がタケノコ採りに入っていた。
今日、私はパトロール当番ではなく、腕章もしてなかったが、

大声で注意し、藪から出てもらった。
すぐ近くに一年以下の懲役や百万円以下の罰金云々の警告文を書いた立札が有ると言うのに、
ばあさんたちは見過ごしたのか。はたまた見ても気にならなかったのか。

なおこういった注意は不用意に行うと
逆切れした相手から思わぬ反撃が無きにしもあらずなので、
相手を見て慎重に行うようにしている。

毛無山山頂部は樹林に覆われて展望は無いが、
限られた場所からだけ、海と本山が見える。

加茂青砂の港を望む。




男鹿の最高峰、本山を望む。




本山中腹にあるムラサキヤシオ群生地の花は咲き始めたばかりだった。




下山後、福寿草山にも立ち寄ってみた。そこは予想通り、シャクの海になっていた。

シャク



シャク



シャク
 

                                         オドリコソウ


ホウチャクソウ



エビネ
 

                                                                                                                                                                    ミヤマカラマツ


以上。

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男鹿でヤマシャクヤクとシャクの海を見た。(2022年5月20日)

2022年06月04日 | 男鹿半島5月

(本頁は「2022年も男鹿でオオサクラソウを見た。」の続きです。)

オオサクラソウを見た後は休憩もせずに、毛無山をさっさと下山した。
この山の山頂は自衛隊レーダー施設になっている。

それ以外の山頂部は樹木で眺めは好くないし、休憩出来るような場所も無い。

下山となったら、パッと霧が晴れ、日が注ぐようになった。
同時にブナ林ではエゾハルゼミが鳴き出した。
蝉しぐれをおかずにして、下山途中、中腹で握り飯を食す。
草の露も蒸発して来たので、途中のある地点から藪漕ぎを開始した。
これは藪の中に有るヤマシャクヤクやエビネの開花状況を確認するためだ。
生育地に着いたら、ヤマシャクヤクは蕾どころか、早くも三個咲いていた。
藪漕ぎしてでも来てよかった。

写真はそのうちの開花状況がよかった株(他二個は花弁が落ちかけていた)。

ヤマシャクヤクの開花株






近くでキクバオウレンの実姿。




エビネはまだ蕾だったが、思わぬところでキンランが咲いていた。

今回の山行きは雨に遭ったものの、花運には恵まれていたようだ。

エビネの蕾
 

                                                 キンラン


毛無山(五社堂ルート)を下山した後、この春に知った福寿草山がその後どうなったのか、
気になったので行ってみた。入り口の海岸ではオオハナウドが咲き出し、
山の方ではヤマフジの穂花が咲き乱れていた。

オオハナウド


ヤマフジ




ここで参考までに4月2日の福寿草山(詳細はこちら)。




約ひと月後、4月28日の福寿草山(詳細はこちら)。




福寿草山は先月末に来た時は上写真のようにニリンソウの海だったが、
今回は・・・




予想した通り、シャクの海になっていた。
このセリ科はヤマニンジンとも呼ばれ、ニンジンのような根っこや若葉は山菜として食用可のようだが、
私はまだ食したことが無い。
秋田では山であれ、低地の道端であれ、どこでも見かけるが、
こんなに広い面積にびっしり生えて咲いているのを見たのは初めてだった。
花の終わったフクジュソウやニリンソウの上をみごとに覆い尽くしていた。
小道を歩くと、全身がシャクの花弁や花粉で白くなり、特有のセリ科臭でクラクラするほど。

シャクの海



シャクの海



シャクをアップで。




 
                                             オオハナウド


場所によってはオオハナウドが混じっていた。
写真は撮れなかったが、この海には緩い飛び方をする白っぽい蝶々がいっぱい居た。
ウスバシロチョウだ。
前回、来た時、ここにはムラサキケマンがいっぱい咲いていたが、この蝶はこれを食する種類だ。

またまたシャクの海。







このお山はどこまで行ってもシャクの海だったが、
注意して見ると、場所によってはラショウモンカズラやオドリコソウの古花が混じっていた。

ラショウモンカズラ
 

                                            オドリコソウ


また五社堂ルートでは蕾だったエビネがここでは咲き終わるところだった。

エビネの小群生


エビネ
 



ここには他にも何か珍しい植物があるかもしれないとシャクの疎らなところを歩いていたら、

こんな草に出くわした。

 


高さは30センチくらい。ぱっと見、針葉樹のようだが、細かい葉はフワフワと柔らかく、
アスパラガスのような触感。
花は咲いていたが、とても小さく、
私のカメラレンズでは撮れないレベルだった。

45年前、十勝の湿原で一度出会っているが、自信が無かったので、
帰宅後、図鑑で調べたら、やはりキジカクシ Asparagus schoberioides だった。

ちなみにアスパラガスの和名はオランダキジカクシで同じ属だから、
和製のアスパラガスとなるか。もちろん食用にもなるが、これでは腹の足しにもならない。
キジカクシの名前は雉を隠すような草姿に由来するようだが、
私の出会った個体は小さいので、ウズラかスズメを隠すので精一杯だろう。

ところでキジカクシ科ってご存じだろうか。書籍によってはクサスギカズラ科とも呼んでいる。
APGⅡ分類体系でユリ科から分離独立した科のひとつだが、
スズランやギボウシ、アマドコロ(ナルコユリ)、マイヅルソウ、ヒヤシンス、ムスカリ、オモトなどが所属する。
科名が何ゆえこんな地味な植物の名になったのか不思議だ。

ラストは福寿草山近くの海岸風景。




男鹿は希少植物の宝庫だ。

或る方から海岸(断崖)の植物も調べてみたら・・・と言われている。
すこぶる珍しい種類が見つかるかもしれない。
しかし命がいくら有っても足りない。遠慮させて頂く。。((((((逃geru

以上。

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