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人形町今半さんのすき焼き

2020年06月10日 | グルメ

突然ですが、みなさんは最後の晩餐に何を食べるか考えたことがありますか?

妄想好きの私は、ずいぶん前から人形町今半さんのすき焼きと決めていました。すき焼きが食べられるくらい元気なら死なないでしょ、と言われますが、私は別に自分が食べなくてもいいんです。

大切な人たちに囲まれて、みんながおいしい、おいしいと食べている姿を心に納め、感謝のことばを胸にして旅立つことが理想です。

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そんな話を前にもしたはずですが、夫は初めて聞いたというのです。そしてそんなこと言わずに、今すぐ食べに行こうということになって、久しぶりに足を運びました。自粛解除後の初めての週末ということもあり、なかなか予約が取れず、少し遅めのお昼となりました。

もと花街らしい弁柄色の壁、粋な佇まいがすてきです。今はコロナ対応で、4人用のお座敷に2人分のお席を用意してくださいました。

お昼のすき焼きのコースをいただきました。最初の一皿は、京水菜のおひたしです。上にのっているのはかまぼこぶし。紙より薄い片ですが、わずかに魚介が香ります。繊細な味付けで、京水菜のわずかなほろ苦さが口の中に広がりました。

すき焼き用の野菜です。すき焼きといえば、白菜や春菊、ねぎ、しいたけが一般的ですが、こちらでは四季折々の野菜が入るのが特徴です。この日は夏らしく、なすとオクラが用意されていました。

そして主役の牛肉です。いい感じにさしが入って柔らかそう。今半さんの牛肉、大好きです。

今半さんでは、自分たちではなく、お部屋に付く方が目の前で作ってくださいますが、この日はコロナ対応のために、テーブルの後ろに鉄鍋を用意して作ってくださいました。

まずはお肉だけを堪能しました。とろけるようなおいしさです。

次に取り分けてくださったのは、お肉と、千住ねぎと、オクラ。東京野菜の千住ねぎですが、希少でふだんなかなか見ることはありません。繊細なおいしさでした。

お肉となすとしいたけです。しいたけは、石川県の能登っ子しいたけだそうです。

このほか、佐賀のふくゆたかという大豆を使った特製のお豆腐や、京都に特注しているお店の名入りのお麩など、ひとつひとつ吟味された材料はどれもおいしかったです。

すき焼きのしめは、お肉や野菜のうまみが残っている割り下に、たまごをとろとろとからませた、お店のオリジナルのふわたまごはんです。甘辛い江戸の味です。

食後のデザートはグレープフルーツシャーベットでさっぱりと。

夏のすき焼きもよいものです。この後、隣接する今半さんのお肉屋さんで、育ち盛りのお子さんがいるご家庭へのお使いものに焼肉用のお肉を買って帰りました。

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