おもむくままに・・・!

ゆったりと、流れのままに、拾いもしない、捨てもしない・・・。 おもむくままに・・・そして私がいる。

曼珠沙華を贈る・・

2018-09-05 14:09:16 | Weblog




思いがけないことは 突然やってくる

いま ここにある 幸せを

大切に 大切に 慈しみたいと

心静かに 想いに浸った朝のこと



それは ことのほか大きかった台風が

去っていって 停電と 交通網の

混乱を 置きみあげに

すべてが修復するには かなりの日数が

かかるという 報道すら知らずに

停電により 取り残されて

はじめて 気付いたことが 多かった



コンビニや スーパーの商品不足

戸外を眺めても 何処までも続く

闇の中の田舎町

屋根のめくれる音や 遠くで

避難を呼びかける拡声器

それだけにおびえて

雨戸を立てた部屋の中で

息を殺して 過ごした数時間



一夜明けた空は 秋晴れの

透明感を 伝えて 心和ませてくれた・・が

宅配便の来訪を告げるチャイムがなって

玄関の扉を開けたとたん

昨日の不気味な音を思い出す風景が

目に飛び込んできた。

愛する凌霄花(ノウゼンカズラ)の 無残な姿

門から玄関まで 誰もたどり着くことは出来ない

何年も何年も 手塩に掛けて愛し育てた

その古木が 別れも告げずに

横たわっている

ただの邪魔者に成り下がって



駐車場側の出口から 

逃げるように 目をそらしたまま

仕事に来てしまったけれど

胸の中に空いた空洞は

癒えることはないだろう



その 残骸を始末する

自分の かなしい姿が 目に浮かぶ



目をそらして 何日過ごせるだろう



無力な歯がゆさが 心を責める時間が

流れてゆく


曼珠沙華
天空の花、天上の花


凌霄花 2018年6月22日 好きだから に 詩を掲載
コメント (1)
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