何かを 残そうとして
日々 言葉をつらね
心をつむぎ
空間をうずめようとしている
私のまわりの そこ、ここの隙間は
私の言葉がぎっしりとひしめいて
桑の実を食べ尽くした蚕の胃の腑のように
絹の糸を出そうと苦しそうだ
言い残したことはないか
今日も心の中の
うめきの部分を取り出して
白日にさらし
すっかり 疲れ果てて
後は眠るだけなのか
心のうめきは
つややかな絹の糸となり
だれかの心に
まとわりついたか
ああ、
あとどれだけの言葉が
絹糸になれるのか
生の世界の果てを
知っているか
回顧がたむろする
桑の葉の庵を見たか
* * * * * * *
回顧→蚕
ギリシア神話からなる
花言葉の謂れが こころを誘います
恋人たちの悲しい結末からうまれました
桑の実
花言葉 彼女のすべてが好き・ともに死のう
私はあなたを助けません・あなたより生き延びる