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岸本晃の住民プロデューサーNEWS

起業する脳力と体力、生命力

最近、起業を目指す人たちや自分の将来をどうするかを考える中高校生など若い世代に話す機会が増え、自分の経験を通して起業とはどういうことか、を伝えています。いろんな場に出て感じるのは起業についてのノウハウものを求めている人が多いな、ということです。それと起業を目指して勉強している人はやはり勉強になってしまっている感じが強いです。勉強の基本は応用ですから自分自身の現場が無いといくら良い話を聞いたり読んでも恐らく身に付きません。

わたし自身でいえばテレビ局にいる間は企業の枠組みの中で自由に動ける環境作りからはじめました。どういうことかというと日頃のルーティンワークだけをやっていると特にテレビ局は次々とニュースが起こりやることは確実に増えていきます。当然、その流れがこちらに来るのを止めるだけの自分の仕事がないとあっという間に押し流されてしまいます。「自分の仕事」というのは与えられた(自分の)仕事ではなく、創った自分の仕事です。与えられたものはいずれ終わると同じことになります。創る仕事として企画から完成までの全プロセスを自分が責任を持って新しい仕事を次々と創って行くことです。そういう意味ではいつも20ぐらいのアイデア、企画をもっていました。

わたしにとってはその代表的な仕事が「地域興し応援番組」でした。この番組にはいろんな仕掛けがあるのですが、今に繋がる基本的な発想は住民自身が企画から制作までの全プロセスをテレビ局と協働でやるという発想です。この発想の元になったのがやはりいだきしん氏との番組づくりの経験が大きく影響しました。

平成2年、熊本城にて24時間テレビ「愛は地球を救う」で実質番組時間の31時間連続ピアノ演奏を依頼し快く引き受けてくださったいだきしん氏、最初はわたしがカメラマンでいだきしん氏を撮影していました。しかし、ある日、カメラを触られてからご自分でも撮影されるようになり、1ヶ月もすると当時のビデオカメラの全機種について詳しく、あっという間に最も適したビデオカメラを選び実践に入られました。

後々エジプトのシナイ山をはじめ世界の聖地などの撮影旅行に歩かれ、わたしも同行するのですがいだきしん氏の撮影に同行して映像を撮影するという行為の元にある「生命のはたらき」に気づいたのです。旧約聖書の出エジプト記でモーゼがユダヤの民を引き連れ、神と出会い十戒を授けられたとされるシナイ山に撮影に行ったとき、朝日が昇り夕日が沈むまでを二日間、いだきしん氏はひたすら撮影していました。テレビ局の人間からするといくら歴史的な聖地といっても恐らく2時間もいればもう撮るものがなにもないというほどの山々だけの土地です。頂上も狭いのでそんなにアングルも変えられません。しかし、すぐ傍でテープチェンジをしたり、三脚移動したり、いわゆる撮影助手をしていたわたしは不思議でならなかったのです。一体こんなに長い時間いだきしん氏は何を撮っているんだろう?、自分なら2時間で退屈してしまうこの風景のどこにそんなに集中すべきものがあるのだろう?・・・、しかもカメラの動きが普通ではないのです。ゆらゆらゆれるように横に行ったり縦に動いたりします。どんどん疑問が湧いてきます。

いつものことですがこのように疑問が浮かぶと声を出してしまいます。「一体何を撮られているのですか?」「生命が動いているところをなぞっているだけだよ」「??!!」、実際のところはそれがどういう意味か、当時自分にはわからないのですがその答を聞いたときは「なるほどそうか!?」と合点がいったのです。そしてそのときから「目で撮影する」ことの間違いやすさと感受性ある人こそ素晴らしい映像が撮れることがわかり、技術ばかりに囚われるプロの落とし穴から脱出しました。

わたしが「押せば映る」ということ以外は何も「教えない」のは本当は「教えられる」相手にプロ意識で壁をつくり、却って一人一人の感受性と新鮮な視点を失うことを「指導(強制)」することになってしまう(まさにこれはミスリードそのもの)ことをいだきしん氏から学んだからです。
例えばこのようなことひとつをとってみてもわたし自身はコンサートを追っかけ、24時間テレビという大イベントをご一緒し、さらに全国コンサートを追っかけし、海外まで自費で学びについて回ったのです。時間もお金も実戦で学ぶために使って自分自身のノウハウを自分の仕事に生かすことをやってきました。熊本県内は98市町村を2周半したのです。

講演や議論、プレゼンテーションすることも勉強にはなりますが、それはほんの入り口の入り口です。実際の起業のための100分の一ほどのバーチャル経験です。住民ディレクターはわたしが「9月に京都で考えたこと」と題して再掲載した4/7のブログに書いたような膨大な実戦を経て発想したことです。2,3回講演してできるようなことならわたしが教えて欲しいと考えます。

そういう意味でも福岡県東峰村は着実な歩みをされていると感じます。自分達の身幅、現状をしっかり見据え、本物の自分達の力になるように今年はまたやるべきことの輪郭を狭めていかれています。本当に良く理解してもらっていると感じます。特に今年はわたしも昨年ほどは動けないとの話をしてましたので、わたしの使い方もなるほどと感心しました。また意外なところから民間で動ける人が登場してきてこれまで整備してきたことが無理なく動く態勢が整いつつあります。この方が知らぬ間に起業することになるかもしれません。

というわけで起業するということは頭で考えていくら構想をパワーポイントで作っても現実は全く違う展開になるわけで、その対応力、応用力がないとやはりサラリーマン(ウーマン)的な枠組みの中でしか生きられないと感じます。身体が動き脳力が活性化するためには生命豊かに生きることが必須条件だと感じます。その経験の場としていだきしん氏は常に各地でコンサートを開かれています。5月3日(日)は東京です。

いだきしんコンサート
東京オペラシティコンサートホール:タケミツメモリアル
2009年 5/3(日) 14:30開場 15:00開演
全席指定 S 7,000円 A 6,000円 B 5,000円
主催 株式会社 いだき

いだきしんコンサート案内 http://www.idaki.co.jp/idakishinConcert/index.html

いだきしんプロフィール http://www.idaki.co.jp/aboutus/profile.html

いだきしん平和コンサートの歩み http://www.idaki.co.jp/worldConcert/others/index.html

熊本の24時間テレビについて http://www.idaki.co.jp/worldConcert/others/31hours/index.html

◎お問い合わせは
岸本 晃メルアド prism.k@nifty.com まで
*現在 prismの ホームページは新たに制作中です。時間がかかりますので初めての方は上記メルアドにお願いします。

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