今は必要な本は読めますが、知識だけ得るような読みかたは相変わらず全くできません。そんな人間がテレビ局に入ってしまったのですから大変でした。入る前はいつもいろんなところで話していますが、プータロウやフリーター、温泉旅館の手伝い(その時にフィルムカメラマンをせざるを得なかった場面がきます)のようなことをして20代後半まで暮らしていたのです。大学も出ましたがそのまましばらくフリーター生活をしたのです。結果的にはだからこそテレビ局で5年近くかけて熊本県内98市町村を2周半歩くということができたと感じます。この頃からいろんなことを同時進行しながら行動することが多かったのです。
ニュースに走りながら、朝の全国中継番組をし、地域を歩き、選挙があり(最も苦手でした。興味のない政治家の顔やプロフィールを覚えることが全くできなかったのです)、夜の飲み会も忙しかったのです。この同時多発行動?!は若い頃から暮らしのスタイルとしてありました。今に至るまで朝8:30頃に出勤して夕方6時頃に終わって、夜は家で晩酌して・・・、というような生活はゼロとはいいませんが皆無に近いのです。今でも寝るのは朝の4時から5時頃です。だからといって昼まで寝ているわけではないのは皆さんよくご存知の通りです。先日、故郷に帰ったときに同級生と会うことになって、「きょうは夜9時ころ」になるというので、じゃあ「9時半過ぎからにするか」といったら、相手は驚いていました。土日にでも会えないか?という事だったんです。そうか、彼はもう50代半ばのお父さんであり、翌朝も仕事があり、野球やニュースも見ないといけないのでした。9時というとこちらはやっと今からです。考えてみれば学生時代からずっとこの調子でした。その彼からは「二人の息子がいて、昔なら定年を迎える年です」とのメールがきました。なるほど、そうか、でも俺にも二人の娘がいて確か、彼とは同級だから年は一緒だな、と改めて気づいたのです。
定年の年まで何をしているのか?と問われればこの世に生まれた自分の生命をまっとうしたい、との答えしかありません。そういう意味ではテレビ局という仕事は結果論ですがぴったりでした。取材と称していろんな人や事例を探せます。そうして(自分の生命を全うして)生きている人を探していました。しかし、追いかけても前回書いたように1、2年もするとその人の生き方がわかってしまいます。
ところが いだきしん氏を追いかけて早や(もう?)19年になります。この間わたしはわたしでテレビ局時代は新しい手法の番組作りや地域おこし応援番組、住民手作りドラマなど新しい分野を開拓してきました。そしてある日、新しい仕事をはじめると感じ、局を退職して今に至っています。住民ディレクターはいだきしん氏との出会いや24時間テレビをスタートにご一緒させていただいた活動がきっかけで自分の中から生まれました。ベースには山江村や熊本県内で出会った「大地の人々」との交流があります。しかも自分自身の力で仕事を創り、生きていかないといけません。いだきしん氏のコンサートやアントレプレナーを対象にした講座、イベントなどご一緒してきましたが、同時進行して全国行脚し住民ディレクターのネットワークを紡いできたのです。
住民ディレクター活動を共にしてきた皆さんには理解してもらえるとおもいますが、いつも現場にいくとそこの皆さんとトコトンお付き合いしてしまうのです。講演依頼があるとその窓口の方にいつも確認していました。わたしは夜に眠る時間以外は全部お付き合いしますから、講演だけでなくそれ以外の時間は人に会ったり、企画会議をしてそこにいる間はフルに活用してください、とお願いします。その代わり講演費ではなくプロデュース費です。額の大小ではなくわたしがお邪魔するのは「講演」ではなく、「講演も含むプロデュース」費です、と。
この話が通じないところには行っても必ず次はありませんでした。通じるとしつこくしつこく呼んでいただき、こちらも2回目からはもっと有効に動くように現地にいなくても考え、提案し、一緒に動くのです。
同時進行の実行力がないとできないと自分でも感じています。
起業してから間もない熊本で住民ディレクター番組をプロデュースしているとき、この同時進行を理解してもらえなかったことがありました。あれから7、8年、わたしとしては証明してきたと考えます。全国のネットワークは熊本の地域振興に必要だと考えていたのです。逆に全国にとっても熊本が必要な地域であったのです。しかもわたし以外にできる人が熊本にできたから外へ販路(住民ディレクターというソフトの普及と求める人々、地域)を広げにでかけたのでした。勿論、その間にいだきしん氏を海外に追いかけることもしていました。同時進行なのです、地域振興を実現するアントレプレナーを目指して。
わたしが求めていることを遥かに超えたスケールと発想で実行している人がいて、その人に学びつつ自分のフィールドを開拓する。いつか一緒に動けるように実力をつける。意識するしないは別にして誰でもやっていることなのですが、考えた末の結論はわたしの生きる姿勢で表現するしかないと感じていたのです。
わたし自身、武蔵の生き方に共鳴して若い頃は「我事に於いて師はなし。」と考え生きてきました。しかし人は誰でも先人や先哲を心に秘めています。まして生きているうちにそういう方と出会えるチャンスがあることは幸運です。出会ったのに自分だけ知っているのは了見が狭い、ということも本当に謙虚な気持ちとして学んできました。しかしやっと芯からわかったのが今なのです。
人の世では死んだら急にその人の評価が変わります。特に日本人は「死んだら」良くなります。しかし毎日が死と直面している即興の人生とわかるとわかった時がスタートです。10数年もマスコミに身を置いたせいか過去の成果に縛られがちですが、今は「今、この時」の瞬間瞬間が大事と感じています。即興力です。一人一人が本当の自分自身を発見し、本当の自分の芯からこんこんと湧き出る心の源流から行動しないと本当に地域を変える力にはならないと感じています。
いだきしん氏のピアノコンサートはその大きなきっかけを経験できます。
いだきしんコンサート
京都コンサートホール大ホール
2009年 4/26(日) 14:30開場 15:00開演
全席指定 S6000円(完売) A5000円
主催 特定非営利活動法人 高麗 (NPO KOMA)
いだきしんコンサート案内 http://www.idaki.co.jp/idakishinConcert/index.html
いだきしんプロフィール http://www.idaki.co.jp/aboutus/profile.html
いだきしん平和コンサートの歩み http://www.idaki.co.jp/worldConcert/others/index.html
◎お問い合わせは
岸本 晃メルアド prism.k@nifty.com まで
*現在 prismの ホームページは新たに制作中です。時間がかかりますので初めての方は上記メルアドにお願いします。
*写真は京都・鞍馬 撮影:岸本
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