
福岡県東峰村の住民ディレクター秋山さんの作品だ。東峰村は九州の霊峰「英彦山(ひこさん)」の麓の村で小石原焼きでも有名だ。多くの窯元があるが秋山さんは小石原焼きを体験できる伝統工芸館で働いている。まだ20代の女の子で講座にやって来た頃は個性的で何が始まるかわからない人だな?!と思っていた、ら、案の定、宇宙人アニメが飛び出した。
講座を手伝っていたSFC慶応義塾大学の田中さんのサポートもあったが、キャラクターをつくり、合わせると丸々二日間にあたる48時間をかけて2分のアニメを製作した。面白く楽しく小石原焼きを紹介する傑作だ。これこそ「地アニメ」だと感じた。「地アニメ」は手塚治虫さんの命名で(恐らく間違いない)手塚さんは鉄腕アトムやリボンの騎士の漫画やアニメでお金を稼いで、自分は手塚治虫一個人として世界の「地アニメ」コンクールに無名人として出品することが楽しみだったらしい。ジャンプという作品は有名だ。
この話も実は住民ディレクターと縁がある。杉並アニメーションミュージアムに杉並住民ディレクターの高橋さんと一緒に行った時に見た館のビデオに手塚さんが登場した。そしてインタビュー番組でこの話をしていた。私はこの話を聞いたときに杉並アニメーションミュージアムは全国の「地アニメ」の拠点となるべく住民ディレクターの手法で土地の現代のおとぎ話(たとえば秋山さんのような)を集め、アニメにする住民工房として構想すれば新しい名所になると考えた。しかも全国の住民ディレクターの交流拠点にもなる。しかし、そのときの話は担当者にはまったく通じなかった。やっと秋山さんのような人と出会えた。こういうイメージだったのだけれど、当時は同行した高橋さんも目を白黒させていたので、想像もつかなかったのだろう。(ね、高橋さん)
その後、杉並区では住民ディレクター活動が定着し、高橋さんもやっと日常活動が安定してきたようだ。お仲間も有機農業や福祉問題、映画や音楽などの幅広い人材が揃っている。若い人がまだいないけれど、高校生も住民ディレクターになって商店街を歩いた。東京にはアニメや漫画に憧れる若い人がいっぱいいるだろうけれど秋山さんのように「地アニメ」の発想を持てる人はやはり地域に根付いて生きる人だろう。地域がない若者には発想自体が難しい。そういう意味でもこの秋山宇宙人はとても魅力的なコンテンツだ。若者を東峰村に連れてきて新しい才能(タレント)秋山さんと交流することも考えられる。そして、実は東峰村にはまだまだ魅力的で素敵な若者や子供がいっぱいいる。次回に紹介することにする。明日からは京都だ。まもなく出発なので。
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