とうほうTVの開局を舞台裏でしっかりと支えてくれたのは実はわたしの民放時代の仲間達でした。とうほうTVは元々、村では生放送を考えていませんでした。しかしわたしは「テレビの一番の特色は生放送にある」というのが持論で何とか理解いただき開局に間に合うように生放送仕様にお願いしました。
その分当然生放送をするためのスタッッフが必要です。基本は村民でやっていくのですが最初は慣れたスタッフがいるほうが断然いいです。そこで熊本の民放時代の仲間に声をかけました。最初に登場するのは熊本市で制作会社のNo.2の立場にいる中曽さんです。「中曽さん」とはいうものの現場では「なかそぉ」です。彼はわたしが熊本県民テレビ時代に記者やディレクターをやっている時にアルバイトで入ってきた学生でした。元々器用なことと疑問はとことん聞いてくるタイプだったのでわたしがやることはいちいち疑問が湧いてくるようでした。
ひとつの番組が終わるまで質問が続きます。同時に自分なりの解説が入ります。自分が納得できればそれでいいので深く入り込むという訳でもありません。そのスタンスが絶妙です。こちらも面白いので難しい番組やはじめての試みは彼を指名します。するといちいちひっかかる疑問がポンポンと出てきます。それに答えているうちにまわりのスタッフにも主旨が伝わっていくということになっていきます。
彼はとうとう大学を卒業してからはわたしが最も信頼している制作会社サンビデオ・プロの三井さんの会社に入りました。そして約20年たった今はNo.2で活躍しています。今回は最初から絡んでもらっていますが1日の開局時はテレビでいう要のスィッチャー(映像選択)やミキサー(音声融合)をやってもらいました。この役所(やくどころ)が難しいのはわたしが常にぎりぎりまで編集や素材の変更をするからです。早くから準備していて済ませるということがどうしてもできないのです。
何故なら直前に村民の皆さんの最も伝えたいことがはっきりしてくるからです。これは相手が誰でも必ずいつもそうです。テレビとはそういうものです。性格がきちんとしていて「ぎりぎりでは落ち着かない技術者」には無理な作業です。早くから準備して「きれいにみせる」ことよりは荒削りでも「よりそのひとの気持ちを伝える」ことをやってきました。直前になるのはわたしの問題ではなく表現しようとする人の表現がぎりぎりになっていかないと出て来ないからです。
しかもわたし自身がいつも多くの人のその「表現が絞り出されるその瞬間まで」お付き合いしてサポートすることに無上の喜びを感じます。なかなかこの仕組みは理解しにくいのですが。わたしの性格や仕事の仕方を理解してくれているのはやはり同じ釜のめしを食らうのが一番です。
@写真左が中曽さん
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