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岸本晃の住民プロデューサーNEWS

映像で伝わるのは現場の10%かなあ・・・。(島根・隠岐の島)

松江から船出した日本海は昨日とは打って変わって素晴らしい天気で海が真っ青です。フェリーの揺れはあるものの、随分ましなほうです。この数日、兵庫、京都を行ったり来たりしてましたが海を渡っていて感じるのは歴史です。我々は車や飛行機、新幹線に慣れていますが、この大海原を眺望しながら往くと、特にこの地域では大陸との交流、また都から流されていく後鳥羽上皇のような人々の歴史とともに、それを迎えた地元の人々の暮らしが浮かびます。その歴史を受け継いで今生きる隠岐の方々の厳しいけれど逞しく、アメリカ映画にも似た独特のユーモアなどのさびもきいて、なかなか魅力的です。

地域は、日本は、世界の地域も行ってみなければわからない。テレビニュースで我々が知りえることは日本や世界の実情の実はほんの一部です。テレビを退職して12年間、住民ディレクターとして各地を実際に歩いて感じるのは列島の人肌感覚です。大地のエネルギーです。海の迫力は写真や動画では10%も伝わらないのです。飛び散るしぶきの香り、冷たさ、吹き来る潮風、熱い日差し、飛び交うかもめ、透き通る青の下に移動する素早い魚影、テレビに映る海には実はこれらのことが全く抜けているのです。だから今私はこの海を全身で感じていますが、この写真を見ているあなたは、さらりと考えるだけでしょうね。「岸本は今、日本海か・・・」少しずつ本格的な番組制作に向かいつつある住民ディレクターの皆さんにお伝えしたいのは、動画の力は所詮これぐらいのこと、10%ですよ、ということです。

だから自分では十分伝えているつもりが、他の人から見ると全然伝わらないという事態に陥るのです。・・・、と、こんな話も通じるようになってきました。「押せば映る」段階ではピンときませんが、自分の足で歩いて、交流して編集して伝えることの難しさを経験してきた住民ディレクターの皆さんにはきっと伝わっていくことと思います。今夜は随分前に大分からIターン?で来たばあちゃんがさばいた海士の鮮魚と大地のエネルギーたっぷりの野菜をサカナに美味しい酒が待っているはず!!

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