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岸本晃の住民プロデューサーNEWS

「鶴瓶のニッポン武勇伝」を自前で創ろう!

 兵庫県加古川市の実家に戻っている。今回は加古川と周辺地域の仕事で戻ってきた。一段落してテレビを見ながら夕食をとっていると「鶴瓶のニッポン武勇伝」という特別企画の放送が朝日テレビ(TBS系列)であった。東北の田舎の無医村に入っていった医師を描いたドラマでスタジオでは鶴瓶さんらも見ている。奥さんが癌に冒されているにもかかわらず余所(よそ)者に厳しい目をもつ田舎の人たちと溶け合っていく過程をドラマ的手法で描き、スタジオの出演者の誰もが涙するという番組であった。私は最初はお涙頂戴のドラマかと思って冷ややかに見ていたが、だんだんこの夫婦の田舎の人々への献身的な姿勢、いじめにあっても信念を持った両親を信頼する息子たち、そして長い時間をかけて付き合ってきた田舎の村長と村人たちが奥さんが癌でなくなったときにバス数台で都会まで見舞いに来るというラストシーンが人と人の付き合いの大切さを見事に表現していた。
 で、ちょっと考えた。この導入部分はタレントがビデオカメラを持って元気な高齢者を探し歩くという設定だ。高齢者に出会ってから、そのドラマを紐解いていく、ここからはプロの本格的なシナリオと俳優の演技、映像制作力が勝負になっている。恐らく番組制作費は5,000万円から1億円に近いのではと思う(全体で)。住民ディレクター養成に力を注いでいる地域の人たちからするととんでもないお金と手間隙をかけた番組ということで、自分たちのやっていることと全く別の世界だと思って(もしくはそんなことも思わずに)見ていると思う。でもちょこっとだけ(導入部分でタレントがカメラを持って歩くところ)自分たちと同じやり方をしていると感じると思う。
 さて、しっかりとお聞き願いたい。私が住民ディレクターを発想し、今も毎日やり続けているのはこの大番組と同じような力と発信力、企画力を身につけてしまおうということを提案している。たとえば熊本県山江村ではすでに自前でドラマを作り、http://www.prism-web.jp/tv/index.htmlゴールデンタイムで放送した1時間の正月番組を温泉センターをスタジオにして制作し、県民から450枚あまりの熱い反響のはがきをもらった・・・、など実証済みだ。しかもこの両番組に関してはテレビ局ともしっかり協力を得、それぞれ数百万円というわずかな予算で実現してきた。「鶴瓶の・・・」の番組では制作費に加え放送料があるので実際の予算は制作費の数倍であろう。
 このとんでもなくお金がかかる企画を自前でやってしまうことはテレビ番組を制作するプロセスで身につける企画力の先にある「オマケの番組」が美味しくなる第2段階だ。鶴瓶さんのキャラクターが出れば確かに小さな村を知らない多くの人が番組を見てくれたり、訪ねてくれるかもしれない。しかし、それは一過性だ。鶴瓶さんの追体験をしているので本当の村の姿に出会わないまま帰られる可能性が高い。しかし、住民ディレクターは村民が本当の姿を誇張も脚色もない状態で発信するのでそれを見て来てくれる人たちは、村の実際を知ろうと来てくれる。さきほどの山江村の正月番組がまさにそうだ。しかも住民ディレクターは番組作りだけをする人ではなく、村のいろんなことに関わっている人が多く村全体の広報マンだ。老舗の旅館を描くNHKの朝の連続ドラマではないが「一人一人のお客さんをもてなし、心から接している。」そこと発信がつながっていることが住民ディレクターの地域振興の要だ。
 最近、テレビ番組を見ていてそういう意味ではプロのほうも地域に近づいてきていると感じる。われわれのほうも企画力を高めていって、いい番組を制作してくれるプロと対等のパートナーになれればテレビはもっともっと面白く、地域にも密着し、見ている人たちにもいい情報が得られる場となると思う。そして我々は本当に地域を愛してくれる人を探し出す最高の手立てを得る。

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