年末2回目の再放送「花子とアン」を見ながら今日は大掃除。「花子とアン」は間違いなく「家族」をテーマとしている。山梨の田舎が家族のモデルで、女学校、花子が教鞭をとる田舎の小学校の教室や出版社、カフェなど様々な場で次々と家族のような関係が紡がれ「場」ができていく。本人は全く意識してないけれど自然とその役割を果たし、どこそこで花を咲かせていく。
一方で物語の書き手としても力を発揮していくが、代表作の「たんぽぽの目」は貧しい家に育ち、貧しさゆえに転校していった一人の少女を元気づけるために書いたものだった。彼女に読んでもらうために「あさいち」のおかげで出版を思い立つ。そして花子が書く物語を出版社の社長は「洗練された平凡」と見事に表現する。特別に目だったり、どうということもない平凡の中にキラリと光る洗練された心の動きを洞察し淡々と表現する。その「たんぽぽの目」は大好きな「じいやん」が死ぬ前に何度も何度も読んでもらって大好きになった物語でもあった。
花子はいつも「じいやん」や母、父の背中をみて育ったから自分のことよりも他者のことを先に考えるが妹の恋でそれが故に傷つけてしまう。妹の片思いの「あさいち」は誰あろう、はなが好きだった。繊細だが周囲に鈍感だった「はな」は蓮子さまとの出会いや出版社、NHK、そして本や放送を待つ子どもたちと交流しながら「花子」になっていく。
連続ドラマは見れなかったけれど部分部分で見ていたドラマの筋が紡がれてきた。そうそう、大掃除しながらを忘れずに。「洗練された平凡」は住民ディレクターとの共通点として胸の奥に響いた。