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岸本晃の住民プロデューサーNEWS

窯元が打ち込む車おろし。

 暮れから正月にかけて床の間にあげていたロクロを戻して仕事をはじめる小石原焼窯元の正月行事「車おろし」に昨日お邪魔してきました。

 今回は本当に残念ながら終了後の用事がいくつもあったので同じ場所にいてもレンズの中の世界を体験できないまま「見て」いました。何とも言えぬ冷や酒のいい匂いがして小石原焼の渋いちょこに日本酒がとくとくとつがれる様子は見るアホウではなく踊るアホウじゃなきや損損の世界そのままでした。すでに仕事始めをされている窯元もおられるようでしたが昔はしっかりと休んでいたそうです。

 はじまると意外な程静かな会だったんですがそこへ今年の座元の長老?!高取八仙さんが登場してからがらりと空気が変わりました。「打ち込む」という表現が再々されていましたが所謂「景気をつける」ということで座元が大中小の杯になみなみとつがれた酒を飲み干し、続けて次年度の座元、さらに出席者全員へと杯が回ります。普通は1巡だそうですが八仙さんが「打ち込む」を繰り返し「飲めん時はわしが助けちゃる」と囃し立てるのでみなさんぐるぐるになりながらも座はしっかり盛り上がっていきました。

 昔の人の知恵を感じました。酒の飲み方一つをとっても知恵があります。渋い杯もしかりで昔の人のハレ(非日常)とケ(日常)の使い分け感覚に生活を創造していく暮らしの知恵を感じました。2月の初午(はつうま)にはまた窯元の儀式があるということで今度はカメラは○○くんに任せてしっかりと体験させてもらいたいと願うのですが、歴史がある窯元の儀式だけにそれは難しいかも・・・。


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