マカロニほうれん荘、鴨川つばめ展を見に
北九州市漫画ミュージアムに行きました。
我が青春のマカロニほうれん荘。
泣きながら、連載第1話を原画で読みました😢
天才は70年代の後半たった2年を駆け抜けたんですね……
「ギャグ漫画家は3年で潰れる」と漫画業界ではよく言われます。
ギャグ漫画……赤塚不二夫に代表されるナンセンス、お笑い、不条理をテーマにキャラクター登場人物も3頭身4頭身の滑稽物語…とでもいいましょうか。
……これは作り手「作者に尋常じゃない精神負担」が科せられる。
本当に精神に異常をきたし入院する者までいると聞きます。
この絵は40年前、「そろそろ鴨川つばめ先生……ヤバイぞ」と言われだした頃の「過剰描き込み」の1ページです。
「これでもか」とばかりに描き込んでいる。
「描き込み過ぎ」なのだ。
ギャグ漫画に対して「ストーリー漫画」と言うものがある。
これはまぁ、小説や映画のように日常や架空の話の中にあり事件が起こり、それを解決する……など、感動したり、胸踊ったり、悲しくなったり……という漫画ですね。
ギャグ漫画は、「常に笑ってしまう。笑いこける」を追求する。物語なんかあったもんじゃない。
毎週連載ともなると、読者はドンドンもっと「過激」なお笑いを求める。
舞台コメディアンやテレビのバラエティ番組ならば、常に「受け応える」人が周りにいる。
その反応を見てプッシュするとこや引くとこを演者は感じることができる。
漫画家は、それができない。ひたすら机に向かい、面白いであろう絵を描き続ける。
壊れますね。
壊れます。
あるラインを保ち、毎回「それ以上」を生み出す、いや「絞り出す」……これでは3年と心を保てない、ってことです。
鴨川先生は、2年しか持たなかった……
77年〜79年の2年間を、まさに風のように駆け抜けて、最後はボロボロになって消えていった……
鴨川つばめが「稀代の天才」と言われたのは、その凝縮した孤高の2年間に才能の全てを注ぎ込んだからに他ならない。
これは最終回の1ページ。中学生だった僕は、このページを見て泣いた。ホントに泣いた。
あれだけ過剰な描き込みの巨匠が、マジックペンの極細ペンで、インクが切れるように漫画界を去っていった。
この後数度 復活を試みたが、ヒット作は産まれぬまま現在に至る。
僕は何か別の形で、先生の画力、才能を発揮するクリエイティブな仕事をしてもらいたい。
40年経った今でも鴨川ファンはたくさんいて、今なお愛され続けるギャグ漫画家は、鴨川つばめを置いて、他はない。
中身無いね。