2022年8月18日(木)ユング心理学研究会企画のご案内
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ユングの心霊論を読む 【ユングスタディ・サロン 2022年夏休み共同企画】
< zoom配信・参加無料 >
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ユング心理学研究会のユングスタディ部門、およびユングサロン部門の共同主催にて、夏休み企画「ユングの心霊論を読む」を開催します。
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ユングの思想が心霊主義の影響を強く受けていたことは、よく知られています。19世紀スピリチュアリズムは、当時の文化人を巻き込んだ大きなムーブメントでした。
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ユングは、女性の親族がみな霊媒体質を強く持つという環境に育ち、学生時代には熱心に19世紀スピリチュアリズム関連の著作を読みあさります。精神医学を学んだユングは、博士論文で自分のいとこにあたる女性霊媒師の心理を取り上げます。その論文において、その女性霊媒師に降りてきた霊とは、実はその女性の中にある部分的人格であり、女性の中に潜在する心理的成長の現れであったとされます。
心理学的観点から見た意識と無意識とのやりとりは、伝統的な文化の中では「死者の霊との交流」という形で受け取られてきたものだとユングは考えていました。その意味で、ユング心理学は「この世とあの世の交流」に関わるものとなります。
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昨年8月、当研究会では、夏休み企画として「ユング『霊の信仰の心理学的基礎』を読む」を開催しました。ユングはこの講演録の中で、いわゆる心霊的なものの実在については意見の保留を行い、霊に関わる信仰をあくまで心理学的事象として考察しています。
ユングはここで、様々な伝統的信仰の中に共通して広く見られる観念として、「霊 spirit」と「魂 soul」という二つの概念を挙げます。「魂」を失うと病になるが、対照的に「霊」はそれが侵入してくると病になる。ユングはこの二類型を、それぞれ自身の心理学における個人的無意識と集合的無意識の概念に相当するものとして考察していきました。
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今年の企画では、これに引き続く形で、彼の心霊に対する心理学的観点を伺えるテキストを二つ取り上げていきたいと思います。
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一つは、ユングが1920年のロンドンでの滞在時に、自ら体験することとなった幽霊屋敷での出来事を報告する文章です。ユングはその自身の体験を綴ったのちに、精神医学的観点から様々な考察を加えていきます。
二つ目は、ユングが1930-1934年に行なった「ヴィジョン・セミナー」の記録の中からの抜粋です。ユングはここで参加者からの質問に応えていくのですが、それは幽霊屋敷においての心理的対応と、幽霊の実在についての問いでした。
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これらのテキストを、俳優の近童弐吉さんによる朗読で聴いたのちに、案内役からの解説を加えて読み込んでいきます。最初のテキストでは怪談聞き語りの雰囲気を、次のテキストではユングのセミナーの様子を想像しつつ、聴いていただければと思います。
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今回は夏のお楽しみ企画ということで、参加無料となります。皆様お誘いの上、気楽にご参加いただけますと幸いです。
なお、今回の企画の録画アーカイブは、後日、一般公開する予定です。
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案内役:白田信重(ユング心理学研究会)
総合司会進行:海野裕美子(同)
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■ 朗読者紹介
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近童 弐吉(こんどう にきち): 俳優
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名古屋市出身。状況劇場を経て、新宿梁山泊旗揚げに参加、90年代を主演俳優として過ごし、海外公演を含む数多くの作品に主演。退団後はフリーとなり、大劇場から小劇場まで、劇団客演等、出演した芝居は100本を超える。直近では、ルー大柴さんとコンビを組んだコメディ「TOC TOC あなたと少しだけ違う癖」や「野良犬譚」他に出演。
TVでは高倉健主演 NHK「刑事」の犯人役でデビュー。以来大河ドラマ、二時間サスペンス・連ドラなどゲスト等多数出演、近年は「相棒」「ハンチョウ」「家族狩」他。超人気Vシネマ「日本統一」では50話から親分の1人として連続登場中。映画出演では「夜を賭けて」「死にゆく妻との旅路」などが代表作。近年の出演作は「日本の一番長い日」東郷茂徳「シン、ゴジラ」北野海自幕僚長、「紅い襷」他。
2008年、モルドバ・イオネスコ劇場に文化庁の支援で留学。来年には、ラサール石井さんとの共演での『飛竜伝』を予定。
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開催日:8月18日(木)20:00 〜 22:00 (開場19:45)
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■ 会場:オンライン開催(zoomミーティングルーム形式)
■ 会費:参加無料
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■ 参加申し込みページ https://jungstudy20220818.peatix.com
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■ 主催:ユング心理学研究会 http://jung2012.jimdo.com/
■ 問い合わせ:研究会事務局 jungtokyo_info@yahoo.co.jp