2013/2/24 僕とS子は大菩薩南部も歩いて来たので、ほぼ雪山歩きのトレーニングは出来たかな、と感じています。でも、K嶋さんは少し歩き足りていません。ということもありますし、時にはごく普通の一般登山道を歩くこともいいものですから、普通のコースを計画しました。
久し振りに奥多摩駅8:28着のいつもの電車。交番の前を通りかかると、Kさんがいます。軽く会釈し挨拶すると、「今日はどこへ行くの?」と聞かれます。「鋸尾根から御前山です」と答えます。すると、この会話だけで僕の心の中には安心感が広がって来るのです。
僕は山行届けを所属山岳会と親族に前もって知らせておきますけれど、地元警察には提出していません。本当は提出した方がいいわけですから、今朝のように聞いて下さると、提出したのと同じことになって安心感が増すという訳です。
東京に大雪が降ったのが1月14日。1月20日に雪の奥多摩を歩いていますが、さすがに一ヶ月以上経過していますから、雪もほとんどは消えてしまっていると思います。ただ、標高は1000mを越えていますし、北面を登り、北面を下降するのですから、まだ残っている雪も多いはずとは、期待しているのですが・・・・
▲鋸尾根登山口を8:40ころにスタートし、この階段へ来ました。鋸尾根は下ることが多かったのですが、この階段へたどりつく頃は足も疲労していて、転がり落ちそうな急傾斜にいつも嫌な印象を抱いていました。
まあ、登る場合も嫌なことは同じですね。8:55ころ。
▲愛宕神社の下の広場には五重塔や慰霊でしょうか、石碑や鐘がありました。9:05ころ。
▲愛宕神社です。祀られているのは火防の神様などなのだそうです。9:08ころ。
▲徐々に雪が残っている箇所も現れ始めました。鋸尾根はポピュラーな登山道ですから、たくさんの登山者に踏み固められ、雪は氷になってしまっています。9:34ころ。
▲鋸尾根は小さなアップダウンが続く、まさに鋸の歯のような尾根です。左右も急傾斜で落ち込んでいる部分が多く、ナイフの刃渡りのような箇所も多い尾根。鎖場や階段も多くなります。9:57ころ。
▲天狗です。烏天狗だとばかり思っていましたが、よく見ると嘴がありません。右のには大天狗と記されています。天狗様も諸説紛々で詳細の理解は困難のようですね。
後方の山はこれから向かう御前山だと思います。9:58ころ。
▲鎖場も時折出現します。鎖場自体は何ともないのですが、足元の岩にはツルツルの氷が付着しています。それを避けながらの登りでした。10:03ころ。
後続の男性2人パーティーも続いています。
▲鋸尾根の核心部、大きな岩場の鎖場です。2級+くらいのグレードでしょうか。K嶋さんは迂回路を行きました。10:12ころ。
▲東方向に天地山(981m)が見えています。天地山を登路にすることも考えたのですが、天地山からの岩場の急な下降が心配だったので断念しました。残雪の状態が不明ですからね。10:50ころ。
▲一見なんでもなさそうな登山道ですが、所々凍っていてとても神経を遣います。怖い! とすら感じることもあります。10:56ころ。
▲もうすぐ鋸山山頂、という手前で大ダワへの巻き道が分岐しています。躊躇なく全員一致でそちらへ。11:24ころ。
鋸尾根上部で不思議なことに気付きました。鋸山は1109mの標高点でしかないのですが、鋸尾根途中の、小ピークでも何でもない場所に三角点があったのです。二万五千図を見ると、1046.7m三角点となっています。何故なんでしょうね?
▲大ダワへの巻き道は北面の山腹のトラバース道です。残雪が凍って嫌らしい斜面になっていました。女性陣2人にはアイゼンを装着してもらい、僕はピッケルを出しました。11:40ころ。
ピッケルだけの僕はへっぴり腰のおっかなびっくり。「僕もアイゼン出せば良かったなぁ」と思っても遅すぎます。とにかく、大ダワまで。
▲大ダワの鋸山林道が峠を越える場所へ降りて来ました。立派なトイレがありましたが、もちろん冬季使用不可。11:54ころ。
▲大ダワから御前山を目指す登山道に入ると、やっと雪山っぽくなってきました。とはいえ、せいぜい5センチぐらいでしょうか? 12:02ころ。
▲ここも人気コースですから、雪は踏み固められてしまっています。凍っている箇所も多く、僕もとうとうアイゼンを付けることにしました。4本歯です。今日くらいの状態ならこれで充分です。でも、これで鋸尾根を下るとなると、ちょっと心配ですね。土踏まずにしか歯が無いので、つま先部分だけで踏み出すと滑る恐れが大です。12:02ころ。
▲鞘口山は12:40に通過。九竜山方面への登山者足跡がありました。雪山っぽさも増して来ています。写真は13:20ころ。直後のクロノ尾山は13:23ころ通過。
▲雪山っぽくなってきたとは言っても、登山道が南側山腹へ回ると、とたんにこんな感じ! 13:32ころ。
▲再び南斜面の登山道へ。ここは本当にポカポカと暖かい道でした。13:57ころ。
▲御前山へ近づいて来ると、このような柵が続くようになります。カタクリ名所ですから、登山者の踏み荒らしから守る柵です。14:17ころ。
▲御前山(1405.0m)山頂に到着しました。北西方向には中央に雲取山、右に鷹ノ巣山、左に飛竜山が見えます(多分)。14:23ころ。
▲丹沢だと思います。丹沢の山座同定は僕には無理ですね。14:34ころ。
▲御前山山頂の様子です。S子とK嶋さんの姿も見えます。14:35ころ。
▲大菩薩の山並みが望めました。先々週泊まった湯ノ沢峠避難小屋はどこら辺なのでしょうかね? 14:44ころ。
▲富士山が再びよく見える場所がありました。富士山に陽が当たっている斜面がテカテカに光っています。蒼氷になっているのでしょうね。14:46ころ。
▲体験の森へと下る分岐から14:56ころ下降し始めました。途端に積雪量が増えました。20センチくらいになりました。しかも、あまり登山者も通らないので、まだふかふか雪です。15:01ころ。
▲この登山道の下降はトレースが無ければ分かりにくいと感じました。先行者がいなければ、ここから下山しない方が積雪期には無難でしょうね。林道へは16:10ころ着きましたから、1時間以上かかります。
林道へ出て、僕はアイゼンを外しました。雪はまだ残っていますし、凍っている箇所もあります。後の2人はアイゼンそのまま。16:21ころ。
▲僕はみんなに林道を走らせるリーダーだと悪評高いようです。
ずいぶん昔にも、S子が怪我をする以前のまだバリバリだったころ、奥多摩の酉谷山からの下山でS子と二人で走ったことがありました。登山道ですでに速足になっていましたし、林道では走るような歩き方、最後の日原鍾乳洞あたりからは僕が完全に走って最終バスを止める作戦に打って出ました。ギリギリ間に合って振り返ると、すぐそこにS子が来ていたのには驚きましたね。
ここのところそんなこともなく平穏だったのですが、今日は少し急いでもらいました。少し早足程度です。30分間ほどの早足でしたが、余裕でバスに間に合いました。それを逃すと1時間後になってしまうのです。
写真は前方に青い境橋が見えて来ているので心にも余裕が出ているころです。目指すバスの時刻は17:14。この時、17:06ころでした。
奥多摩駅前の『天益』に顔を見せるとすでに店は満席! 座敷も満席なのだそうです。雲取山荘のK岡さんの顔も久し振りに見ることが出来ました。仕方ありませんね。ご主人は都合が悪いのか今日はお休み。代わりに女将さんのお姉さんが手伝いに来られていました。
『天益』は諦めて電車に乗り、拝島まで来ました。先週まだ時間前だったせいで入れなかった『九州料理 かさ』へ。スタッフの顔ぶれが変わっていましたが、黒糖焼酎『長雲』お湯割りを飲みながら、美味しい食事を頂きました。