「常識」
常識というものは、その社会の風俗や習慣の中で自らつけられた筋道みたいなものでしょう。
たしかにそれは社会や時代の制約を負っていますから、
普遍的なものではありませんし、改めて取り上げてみると随分おかしな内容である場合も少くはなく、
またなまぬるいものでもありますが、
それでも無視すると人間性そのものが怯やかされるような重さが、その底に潜んでいることは認めねばなりますまい。
常識とは、時と所と人とを超えた、
人間らしさの約数ではないでしょうか。
侮るにはあまりに重く、むしろ心すべきものです。
『神の風景』p145 藤木正三著
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