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愛詩tel by shig

プロカメラマン、詩人、小説家
shig による
写真、詩、小説、エッセイ、料理、政治、経済etc..

喫茶店

2009年01月20日 08時51分13秒 | 

いつもの喫茶店で 僕はコーヒーを飲みながら 本を読んでいた
昼過ぎで店はかなり混んでいた

ここ 相席いいですか

見ればとても素敵な女性だった

もちろん どうぞ

それからが大変 僕は読書そっちのけで 彼女ばかり見ていた
そのうち 目がばっちり合ってしまった

失礼だけど 何の本を読んでるの?

僕は彼女に本を手渡した 純愛小説だった

一瞬 微笑んだかに見えたが すんなり返してきた

今時 こんな本を読む男性がいるとは知らなかったわ
あなた 明日もここにいるかしら?

いるよ

翌日 彼女は来た 自分の純愛小説を持って
それ以来 週末を除いて 僕と彼女は同じテーブルで読書をした
挨拶以外 お互い何も言わなかった
けれど 僕は彼女がどんどん好きになっていった
でも 言えなかった ちらちら 顔を見るだけ
1ヶ月もした頃 彼女が言った

あなた この1ヶ月 私に一言も声かけなかったわね
普通は口説くものよ
これでも少しはもてるんだから
でも そこがあなたのいいところね
今時滅多にいない 純愛青年

僕は真っ赤になった

じゃあ 僕が口説いたら君はのったのかい

のらないわ それじゃ純愛青年でなくなるもの
だから 私が口説いてあげる
お名前は?

山岡浩

携帯番号は?

090********

私は山下愛 携帯はここに書いてあるわ
で 最初のデートはどこにする?

ここがいい 君とゆっくり話してみたい

決まりね じゃあ 明日

次の日君はにこにこしてやってきた

何にこにこしてるの

今ね 彼と別れて来ちゃった
やっぱり恋をするなら純愛青年ね

やっぱり僕は真っ赤になった

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