(前回の続きとなります)
被害者(=息子)は12歳、当然、聞き取りには保護者の同席が求められます。
調査員O氏は、息子が事故当時着用していた通学用ヘルメット(のダメージ)を見たい、と言い出しました。
息子の頭は、車のバンパー(プラスティック)に当たったので、ヘルメットのキズは大した事は無いと伝えてあったのに。
私は仕方なく、その為に席を離れ、ヘルメットを取りに車で自宅に行きました。
息子と母親が残りました。
1時間ほどのち、私は席に戻りました。
すると、既に聞き取り原稿が出来上がっていて、O氏は、私に署名押捺するよう促すのです。
(ヘルメットを取りに行かせたのは、何かとジャマな私を席から排除する目的だったのかと、そこで気が付きました。)
O氏はヘルメットをチラッと見ただけで、画像さえ撮りませんでした。
(息子の壊れた自転車のほうは。この後、O氏は私が預けたショップまで見に行ったのに)
やられた!と思いましたが、おいそれとサインなどできません。
この日、朝8時から(事故現場のち喫茶店)付き合っています。
もう4時間、正午を過ぎていました。
息子は、午後から授業に出したいし、私共ども両親も午後からは仕事に行きたいのです。
私は急いで、O氏の手書き原稿(A4で6ページ)に目を通しました。
そして、明らかにおかしいと思われる記述を指摘し、2本線で消してもらいました。
しかし、その手書き原稿には、私共被害者用のコピー(複写)はありませんでした。
ここまで狡猾な(加害者の保険会社にとっては”忠実”な)相手であるなら、今後も何をするか分かりません。
私は署名したのち、プロテクションの為、原稿を画像に撮り保存しました。
しばらくしてから、保険会社から調査会社の調査結果として、メールがありました。
その保険会社からのメールは簡単なもので、・・・・事故の原因は、自転車が勝手に転んだのであって、車は避け切れなかった。車には落ち度はない・・・・というものでした。
したがって、自転車(=被害者=息子)に非があり、保険会社は何ら補償の義務はない、という信じられないモノでした。
どこでどう変わったかは定かではありませんが、私が保存している調査会社O氏の聞き取り原稿の内から、ムリヤリ(保険会社にとっての)『イイとこ取り』したような内容です。
私からすれば、調査会社の調査など最初からデキレースです。
思いますに、調査会社が保険会社から受け取る『調査』費用の代償とは、『この先何があっても、責任はお前ら(調査会社)が取れよ!』という(保険会社の下請けに対する)責任逃れのための『保険金』、なのではないでしょうか。
調査員O氏は、『下請け』として、保険会社の意向に逆らう調査結果を出すことなど、できないのではないでしょうか。
私はこのムチャクチャな見解に対し、「それでは、それを文書にして、貴社のレターヘッド用紙を使って押捺して、郵送してください」、と保険会社の担当に返信しました。
今後の為の”証拠”として、聞き取り原稿の画像と保険会社からの文書の内容の食い違いは、有効と考えたからです。
そして、保険会社の2番目の『担当H』(おそらくまだ若い)は、私の要求を受け入れて書面を郵送してきました。
このレターは、私にとってはタナボタでした。
一流保険会社の社員の中には、こんなにも危機管理意識の薄い、いわば無能な人材もいるのかと内心ビックリしました。
この後、この事(=押捺した文書の送付)は、このケースにおける保険会社の幾つかの失策のひとつとなりました。