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西洋、東洋哲学
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西洋神話

北欧神話の「フレイ」

2023-11-07 21:35:00 | 西洋の神話

【フレイ】
 フレイは、北欧神話の「太陽」「夏」「晴天」などの神です。きわめて容姿端麗で、神々の中で最もハンサムだったとされています。フレイは、もともとヴァン神族の出身でした。アース神族は、ヴァン神族と別の神々の一族です。神々の王オーディンは、アース神族に属していました。ヴァン神族とアース神族は、もともと戦争をしていましたが、最終的には和睦を結んでいます。フレイは、人質として、家族と共にアースガルズで暮らすことになりました。家族とは、父のヴァン神族の長老「ニョルズ」と、妹の「フレイア」と、妻の「女巨人ゲルズ」です。

 フレイは、オーディンから、犠牲祭の祭司に任じられました。北欧神話で、人身御供を最初にはじめたのはフレイだとされています。フレイの宝物は、大きさを伸縮自在に変えられる「スキーズブラズニル」という魔法の船です。スキーズブラズニルは、広げると神々全員が乗れるほど大きくなり、折りたたむと懐にしまえるほど小さくなりました。

【豊穣神】
 フレイは「子孫繁栄」を司る「豊穣神」です。天候を自在に操り、人々に豊作をもたらしたとされています。フレイの聖獣は「猪」「豚」「馬」などです。猪や豚は、多産のシンボルとされています。牡馬もそのたくましさから、豊饒のシンボルでした。フレイの乗り物は「グリンブルスティ」と言う黄金の毛の猪です。そのグリンブルスティに車を引かせて「陸海空」を移動することが出来ました。

【勝利の剣】
 フレイの愛剣は「勝利の剣」と呼ばれる「一人で巨人と闘う剣」です。使い手が正しい者「もしくは賢い者」であれば、その手元を離れ、自動で巨人族と戦ってくれました。しかし、愚かな者が使えば、なまくらだったとされています。勝利の剣には、この世に切り裂けない物がありませんでした。また、その刃の輝きは、太陽にも劣らなかったとされています。ある時、フレイは、巨人の女性ゲルズに一目惚れをしました。ゲルズと結婚するために、巨人の国に遣わせたのが、召使のスキールニルです。褒美として、スキールニルには、勝利の剣を与えました。

【ラグナロク】
 フレイは、ラグナロクに先立って、巨人ベリと戦いました。ラグナロクとは、世界最終戦争のことです。この時、勝利の剣がなかったにも関わらず、牡鹿の枝角でベリを倒しました。その勝利で、フレイは「ベリの殺し手」と呼ばれるようになります。ラグナロクでは、勝利の剣がなかったので、ベリを倒した鹿の角で戦いました。そのフレイと戦ったのが、炎の巨人スルトです。しかし、勝利の剣がなかったことが災いして、炎の巨人スルトに殺されました。

【スウェーデン王家】  

 「フレイ」とは「主」という意味です。その本名は「ユングヴィ」と言います。フレイの子孫だとされるのが、スウェーデン最初の王家とされる「ユングリング家」です。フレイの別名を「フロージ」と言います。ユングリング家の治世は、豊かで平和だったので「フロージの平和」と呼ばれました。 また、フレイは、妖精の国アルフヘルムも支配しています。このアルフヘイムは、神々から贈られたものでした。