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京都で大人の遠足、意外に動物園がおすすめ_岡崎 京都市動物園

2019年03月09日 | 観光スポット

京都の岡崎は、美術館や平安神宮など観光客が集中するエリアですが、あまり知られていない”意外な”スポットがあります。京都人の間では「岡崎動物園」と呼ばれることの多い「京都市動物園」です。

  • 2015年に大幅リニューアルされており、動物の生態をきちんと学びながらより身近に体験できる
  • 休息施設や散策路が新しく、大人だけでも快適に楽しめる
  • 琵琶湖疎水や東山など京都ならではの借景を楽しめる、動物園と同時に見事な公園でもある


動物園のある岡崎エリアは、著名な寺社巡りや歴史的な風景をあわせて楽しむことができます。動物園を散策コースの中に含めると、今までとは違った京都が体験できます。こんな組み合わせは京都の動物園だからこそなせる業(わざ)です。


園内「おとぎの国」でヤギと触れ合える

京都市動物園は1903(明治36)年の開園で、1882(明治15)年開園の東京・上野動物園に次いで古い動物園です。全国的な入園者数ランキングでは上位には入りませんが、地元ではすっかり定着しています。

旭川の旭山動物園の成功を受けて、各地の動物園は集客マーケティングにしのぎを削っています。子供向けに単に動物を見世物にするだけの時代は終わり、生態を学んだり、目玉となる種を保存してアイドルを生み出そうとしています。

見るレジャーから学ぶレジャーになっています。行政による運営支援の行き詰まりやワシントン条約による希少動物の売買禁止といった逆風も、動物園による自立と持続の模索を後押ししています。

京都市動物園もこうした流れの中で懸命に努力しています。しかし旭山動物園と比べると国内外の観光客の姿はまだまだ少ないと感じます。「京都では日本の伝統文化や歴史を体験するもの」という固定観念の壁を打ち破れていないのでしょう。京都市動物園には「ここにしかない」魅力があるにもかかわらず。


琵琶湖疎水は動物園で京都にそそぐ

”岡崎動物園”は琵琶湖疎水が京都市内にそそぎ出るところにあり、一年を通じて生き生きとした水の流れを楽しむことができます。その疎水沿いには多くのベンチが設置されており、東山の美しい借景も楽しめます。水と山の風景が一緒に楽しめるのは、老若男女・万国共通で、とても魅力的です。

園内には、動物の動きを高いところから観察するために2Fの高さに設けられた遊歩道が長く続いています。造ってから気付いたことでしょう、この遊歩道は岡崎を取り巻く水と山の緑を眺めることができる絶景スポットにもなっています。

河原町や京都駅付近のような高層建築は岡崎にはありません。遊歩道からは、大きな青空のキャンバスに平安神宮の赤い鳥居がさりげなく腰を落ち着けている様子もうかがえます。”岡崎動物園”からは、とても京都的な空間美を楽しむことができるのです。


法勝寺の八角塔がここにあった

京都”数寄”、歴史”数寄”にはもう一つたまらないスポットがあります。動物園には平安時代、白河天皇が造らせた、史上2番目に高かった法勝寺の八角九重塔があったのです。発掘調査により建設位置が確認されています。現存する古寺の塔では最も高い東寺の五重塔より30mも高かったと考えられています。

九重塔跡地にはとても小さい観覧車があります。1,000年前には権力者しかできなかった空中散歩が、現代は誰でもできるようになっています。


2F遊歩道から見た動物園と東山の借景

動物園なのであくまで動物が主役ですが、京都市動物園は周囲の風景ととても調和していることが、”ここにしかない”魅力です。動物園に入らなくても周囲の風景が楽しめると指摘されそうですが、2Fの遊歩道からの大きな空間の眺めと、疎水の間近でゆっくりくつろげるのは動物園内だけです。疎水沿いには散歩道はありますが、座って弁当を食べられるようなところはほとんどありません。

まもなく4月には、疎水沿いが濃厚な桜のシャワーに包まれます。動物園すぐ近くの南禅寺参道には3rd Wave Coffeeの代表格BLU BOTTLEもできています。休日をゆっくり過ごす公園として、”岡崎動物園”は抜群の環境にあります。


BLU BOTTLE Kyoto

末筆になりましたが、京都市動物園は動物園としての最新トレンドも楽しむことができます。動物のナチュラルな動きを重視した展示が楽しめます。「ゴリラのおうち」では、大きな空間ポールやロープを使って動き回るゴリラの姿がとても微笑ましく思えます。

【動物園公式サイト】ゴリラのおうち

「アフリカの草原」ではキリンとシマウマが同じ敷地内で過ごしています。動物園で異種の動物が共存していることにはとても驚きました。より動物の生態がリアルに体験できます。

【動物園公式サイト】アフリカの草原

大人の遠足にぜひどうぞ。

こんなところがあります。
ここにしかない「空間」があります。



世界最先端の動物園はどのように展示と種の保護のバランスをとっているのか?

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京都市動物園
【公式サイト】https://www5.city.kyoto.jp/zoo/

原則休館日:月曜日、12/28-1/1
入館(拝観)受付時間:9:00~16:30(12-2月は~16:00)



◆おすすめ交通機関◆

地下鉄東西線「東山」駅下車、1番出口から徒歩15分
地下鉄東西線「蹴上」駅下車、1番出口から徒歩15分

JR京都駅から一般的なルートを利用した平常時の所要時間の目安:35分
JR京都駅→地下鉄烏丸線→烏丸御池駅→地下鉄東西線→東山駅

【公式サイト】 アクセス案内

※京都駅から直行するバスもありますが、地下鉄を乗り継ぐ方が、時間が早くて正確です。
※この施設には駐車場はありません。
※渋滞と駐車場不足により、健常者のクルマによる訪問は非現実的です。


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