鉈の鞘を作ったことがあります。
青森県西津軽出身の父から「鉈の鞘は木を表と裏からくりぬいて作る」「できれば桜の木の皮を張ると良い」と聞いていました。
柔らかい道南スギの木っ端があったので、表側から三本、裏から四本の切込みを隣り合うように彫り進め、突き抜けないように寸止め、その寸止めを隣り合うようにして何とか鉈が収まる鞘にしました。
聞きかじりをヒントにドリルを使ったり、小刀と格闘したりで試行錯誤、暗中模索、七転八倒・・・
出来上がった直後、キトビロ(行者ニンニク)採りに腰に下げて持っていきましたが、崖の途中で転倒、そのまま落下、鉈が鞘から抜けてしまいケガをするところでした。くわばら、くわばら。すぐに、抜け止めを付けました。
腰に巻くのは袋織の真田紐、これは伸びが無いので安心です。
桜の皮は茶筒や一輪挿しにも使われるものできれいな模様が出ます。
家の桜の皮を剥いで乾燥させています。現在の鞘には柿渋を塗っています。
鉈はやぶ漕ぎで生木をザクザク切ることもあるので、錆が早いと聞いたことがあります。
そのためにも、このようなスカスカの鞘が役立つのかもしれません。
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