毎年お茶のお稽古でこの伊羅保茶碗が水屋の棚に並べられると、秋の山道の枯れ葉を連想していました。
静かなお茶室に茶碗のひだからしゃかしゃかと響く音の感じが好きで、今までの私の心の垢をそぎ落としていくようでした。
11月は私の誕生月、自分への一生のプレゼントに秋色の伊羅保茶碗を買いました。
伊羅保茶碗は、小砂混じりの素地(きじ)に青黄色の釉(うわぐすり)があたかもいらいら(ざらざら)するような景色からこの名があるそうです。
素朴で荒れた土の味を、昔から茶人は寂びとして愛玩されていたとか。
さっそく、庭いじりをしていた夫にもてなすと、「お昼は、これ?」
わびさびが小春日和の空に遠のきました。
それで、今日のお昼は「いらっ カレー」 ( `―´)ノ