ニュースで、宮崎県は焼酎の消費量が全国一と伝えていた。そういえばそうと思う。冠婚葬祭、年末年始、お祭りの奉納、学校の行事等、焼酎は宮崎県民の挨拶のお伴になっている。
もうすぐ亡き父の命日、大好きだった焼酎「かんろ」を用意した。晩酌は決まって一合、大き目に切ったカツオの刺身や茹で野菜のぬたを肴に、申し分ない表情で頂いていた。
今の焼酎「かんろ」のラベルは、まさに昔の油津湊の見晴らし、そのものだ。最近の写真と比べると、今は山が幾分浸食されてなだらかになっているが、湾の地形が何とも懐かしい。
東京にいた頃、その焼酎をデパートで開催されていた「みやざき展」で見つけたときは嬉しかった。まさか故郷の焼酎に、この大都会で再会できるとは思っていなかった。さっそく、いろいろなお使い物に使わせていただいた。
父が晩酌していた頃の焼酎「かんろ」のラベルはたしか、夜明け前の空のイメージで、空色がだんだん明るく赤くなるイメージだったような記憶がある。小さい頃は、そのラベルを見ながら、昔の人は早起きしてこの色の空を眺めていたのだから、ご褒美に晩酌が頂けるのだと思っていた。
そうそう墓参りできないので、お詫びを込めて我が家に小さな祭壇を作った。焼酎にカツオの刺身とわけぎのぬたを肴に添えると、懐かしい晩酌の景色が再現できた。(._.)