朝、庭に出てその姿のけなげさに思わず苦笑した。夫の植えた筆オモトが一列にきれいに並んで、お辞儀をしていた。
教職だった夫は、時々「気をつけー、 礼」と大きな声で寝言を発する。人生で一番元気だった頃の夢を見ているのだろうか、その声は生き生きしている。
そして「何回言ったら分かるのかー」と続く時もある。私が注意されているようで、起床後もその気持ちをずっと引きずることもある。
さすがに、うちの筆オモトは注意される前にきちんと並んで、一同礼を朝から自主的に実施している。
その夫が先日、学生時代の友人と車を交代で運転して、軽井沢まで出かけて、蜜入りのりんごを自慢げに持って帰ってきた。歳をとっても、まだまだ青春の心意気は残っている様子。
「休めー」の号令がかかるまで、このまま元気で活動をしていてほしいと、願うばかりの秋深い青春結実の候だ。 (^v^)