Aにゃん@flowerbuda(Twitter)の書斎

「アナタのキモチ、言葉にします。」

「原案ありきの映像化作品」評価理論。

2015-12-14 18:29:16 | 日記

 よく耳にする「映像化しないで欲しかった」等の意見は、一体なぜ生まれるのか。先日、友人とそれについて話す機会があった。この際、文におこしてみようとおもう。また、これはあくまで、一見解であり、原作を知った上で、映像化作品に触れる場合を対象とした論である。

 私たちの想像力は、自分が認識している以上に複雑であり、動物としては恵まれた能力の一つである。何故このような話をするのかというと、私たちが日頃、文の羅列を追うとき、この創造力が、映像化作品に対して評価する際、重要な指標となるからである。

 たとえば、想像力が大変豊かな人間が本を読んだとしよう。その人間は、言うまでもなく常人に比べて、より深く本の世界観を理解するだろうし、作者が意図しない範囲に及んでまで、想像の羽根を広げるであろう。つまり、映像化作品を批判する者の多くは自身の想像の内容や、演出を越える作品に出合わない限り「面白い」とは決して言えないのである。

 しかし、ここに例外もあげておく。もしもその映像化作品が自分の想像と似通ったものであったのなら、話は別である。おそらくそれこそが、好評映像化作品におけるレビューの、ステレオタイプだと言える。見方がある程度固定化されるような映画ほど、売れてしまうのかもしれない。だからこそ、監督や演出家は厳しい道といわれるのだと、笑われてしまうかもしれないが、今更ながら実感する。