「話の分かるエライ人がいた奇跡の映画」
千葉真一×倉田保昭という、極東のアクション映画の歴史を語る上で欠くことの出来ない、まさに伝説の二人が直接対決! もう、これだけでハイテンションで映画館にいっちまいましたよ。
なんか、若い俳優がいっぱい名前を連ねている、あまつさえアドゴニーさえキャストされていることには、あえて目をつぶって。
冒頭、いきなり筋肉オバケが大量の坊主をぶちのめして走り回るという、いきなりな展開。ブワーっと長回しで、縦横無尽に坊主をぶちのめしながら走り回るってのは、なんか時代劇の殺陣を見てるみたいで面白い。
っていうか、この時点では、まだ千葉も倉田もアクションに絡んでない。オオッ、のっけからの、このハイテンションでブッちぎってくれるのかと思ったら、それだけでワクワクしてしまう……。
と思ったら、その後の展開は、物わかりのイイ倉田保明の下、テキトーな能力(?)を持った若者が7人集まってテキトーに修行するという展開。
『ウォーター・ボーイズ』や『スウィング・ガールズ』の陰陽道版というか、竹中直人の役回りを倉田保明がやってるってカンジか。
ちなみにテキトーな能力ってのは、ケンカ、ヲタク、勉強、コスプレ……あとは忘れた。
とりあえずテキトーな能力を持ってるんで、それを使って悪いヤツをやっつけよう、みたいな展開。『七人のオタク』みたいなもんか。
ダルい修行シーンを乗り越えると、ついに悪党のいる五重塔へ。
なんか笑えないチビッコ拳士たちが登場してきたところで、これは『死亡遊戯2』なみのイタイ映画なんじゃないか、と心が冷え始める。
んで、塔を昇るんじゃなくてダストシュートみたいので地下に降りていったところで、予感は確信に変わる。
あ~あ、この見目麗しい女の子たちじゃ、目玉を抉られるとか、喉笛を突き破られるなんてことは間違ってもないだろうな……と諦めていたら……。
なんと、ここで奇跡が起きる!
悪党に乗っ取られた倉田と、突然現れた千葉によるラストバトルが勃発するのだ!
(突然現れた、ってところがミソ)
この二人の激突は、まさに極東アクション映画の生ける伝説! 十分近くに渡って死闘を繰り広げるのだ!
しかも、ラストは……以下ネタバレを含むので用心してほしいんだが……
ラスボスと戦っていたはずの千葉が、逆にラスボスに肉体を乗っ取られ、全身炎で燃え盛って死んでしまうのだ。死に際の千葉はまさに役者バカ! なんか、これだけ読んでも意味不明かもしれないけど。
助っ人(しかも超強い)で現れて、ラスボスと戦って、しかも最後はラスボスとして死んでいくという、まさにオンリー千葉映画。
っていうか、突然、ラスボスの所に来ちゃうんだから、若手7人のコレまでの修行は何だったのか、と!
エンドロールのNGシーンや五重塔の外観図を見ると、カットされたシーンが結構あったみたい。っていうか、最後、アドゴニーは出番すらなかった。
だが、それがいい。
結局、この映画を楽しみにしてるファンの大多数……っていうか、たぶん全員は千葉×倉田だけを見たがってたはずなんだ。
いろいろなしがらみがあったと思うんだけど、最終的に余計なモノはすっぱりカットしちゃって、ラストの千葉×倉田をメインに持ってきた、それだけで良いんだ。
そのことに気付いたエライ人の決断のおかげで、この奇跡的な映画が生まれたんだと思う。
なお、オレの趣味性から千葉真一のことばっかり褒めてるけど、倉田保明も偉大だったと思う。
っていうか、今や世界中で千葉真一を正面から殴ることが許される、数少ない俳優が倉田だと思うんだよね。倉田あっての千葉、千葉あっての倉田だと思う、この映画に関しては。
DVDでこの映画を観る人はラストバトルのチャプターだけ観れば十分だと思う。
『マスター・オブ・サンダー 決戦!!封魔龍虎伝』(映画館)
http://www.m-thunder.com/
監督:谷垣健治
出演:倉田保明、千葉真一(特別出演)、他
点数:6点(ラスト8点、その他4点)
千葉、倉田だけじゃないんですyo。
あの7人の、特に木下あゆ美というこのファンが、多いんですねぇ、、、
いぁ、びっくりしました。
そういう意味で、すごいキャスティングだったんでしょう。
またよろしくお願いしますね!
なんか、アイドル的なコなんですかね? オレは初めて知りましたが…。
でも、あの7人の中で、アドゴニーはちょっと(笑)