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同人サークルA-COLORが北海道をうろうろしながら書いているブログです

北の国から 2002 遺言

2002-09-07 14:20:00 | 映画-2002年

「終わりよければ……」

 フジの看板ドラマで、連日に渡って番宣があって、DVDが発売されて展開して、メディアミックスをして、ついでに富良野が観光スポットになって……などという周辺情報は、全て俺にとってはどうでも良いことだ。

 今はとにかく、「終わってしまったか……」という感慨でいっぱい。

 まず、今作のみに限って言えば、あれだけ番宣で煽っていた「五郎の最期」が肩すかしだったのが、ちょっと……
 それと、最終回ということで、ちょっと張り切りすぎたのではなかろうか、と思うこともあった。
 オールスター総出演って感じだったし。
(これは吉岡秀隆も、いつものスペシャル版とは違った、という表現でインタビューで語っている)
 っていうか、宮沢りえを出したなら、横山めぐみも出してほしかったけど……かえって冗長になったかな?

 これを劇ドラマとしてみた場合、あんまり高い評価は出せないかな、と思う。
 今回はメインとなる舞台が羅臼だったため、富良野にいた人々の扱いが消化不良というか、伏線かと思ったら何もドラマに絡まなかったりしたし。
 特に顕著だったのは、竹下景子の息子(大介、っていったっけ?)
 あの年頃の子供ということで、ちょうど純が東京に上京した『帰郷』とダブるところがあって、『北の国から』を通じて大きな伏線というかキーマンとなるかと思っていたのに……
 単なるアホなガキとして描かれ、後編の冒頭で唐突に消滅しちゃうし(笑)
 あれはオッサン世代の、今のガキどもへの怨念だったのだろうか?
 ちなみに俺的には、(ドラマの中の)チイチイの状況はさておき、バカガキをぶん殴って説教するというシーンには胸がすく思いだった。
 まあ、本来はそういう安っぽいシーンじゃなかったんだけど、あのガキが唐突に消えてしまったので、結果的に安っぽいシーンになってしまった。

 それと唐十郎と岸谷五郎の親子の確執も描かれていなかったのも残念。
 ただし、こちらは「高村家の事情」ということで、純&結とは別の視点を想定した上で、あえて描かなかったという解釈もできるので、何とも言えなかったりもするのだけど。
 でも、贅沢な役者の親子を使ってるんだから、もうちょっと何とかならんかったのかな~、と思わずにはおれんかった。

 ということで、わりと酷評になったが、この『北の国から』という作品は、単品で語ることには、あまり意味がない作品だと思う。
 初回放送時から、全てを観た上で、自分なりの『北の国から』を消化した上で、自分なりの結論を出す、それがこの作品への評価だと個人的には思っている。

 ちなみに俺は、北海道が舞台ということで連ドラ(再放送)から、スペシャル版まで全て欠かさず観ていた。
 そんでもって、ウチの家族は、ちょうど黒板家と世代的に合致していたので、メチャメチャ感情移入できた(五郎さんがあんなに歳を食ってるとは知らなかったけど)。
 っていうか、俺も中卒で働いてたし。
 イヤ、別に純に影響されたわけじゃないんだけどね(笑)
 っていうか、ドラマに影響されてまで、あんな苦労をしたいとは思わないよ。

 んで、結論だけど、この作品に「ドラマ」としての質を云々しても、あんまり意味がないのではないかな、と思う。
 ホントに個人的に、個人的な小さな主観の中で、完結していればそれだけでOKだと思う。

 そして、俺の中ではハッピーエンドとして、このドラマは完結した。
 それだけで、十分だと思う。
 そういう作品が、一人の人間の人生の中に一本ぐらいあったって、いいんじゃないかな。
 それが俺の場合、たまたま『北の国から』だった、というだけの話で。

 あ~あ、俺も札幌に帰りたいな~。

『北の国から 2002 遺言』(テレビドラマ)
原作・脚本:倉本聰
監督:杉田成道
出演:田中邦衛、吉岡秀隆、中嶋朋子、地井武男、竹下景子、唐十郎、内田有紀、岸谷五郎、柳葉敏郎、他
評価:-(あえて評価せず)


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